日本の未来を担う「人財」を育てる!福祉の最前線企業の戦略の舞台裏
株式会社ツクイ
代表取締役社長
津久井 宏
日本が世界的に見ても超高齢化社会であることはもはや議論の余地はない。高齢者が増える一方で、これを支える人材不足は深刻な社会問題だ。株式会社ツクイは土木建設業でスタートしながらも、世の中のニーズを敏感に感じ取り、地域密着型の介護サービスに事業を転換、今では日本の福祉サービスを牽引する存在となっている。代表取締役社長 津久井宏は日本の将来を支える介護職の人材育成に力を入れながら、自由な働き方ができる会社の仕組みづくりの重要性を唱える。その実態とは?
津久井 そうですね。対人サービスっていうのは、そもそもお客様がいてサービスを提供する、またそれを支えるのが職員でございますので、職員同士。これチームケアという形で、仕事を進めてまいります。
なので、この人対人、こういったところに対してのストレスだったり、思いとしては同じ人間じゃないと、なかなか同じような気持ちで介護に当たれない。ですから、逆にそういった環境を、いかに私たちが環境整備をして整えていくのかと、そういった機会を作っていかないとですね、これは自然発生的にできるわけではございませんので、そういった機会を積極的に作っていこうというアプローチをしていってきました。
蟹瀬 そのあたりは、具体的にはどういうような対策をなさってるんでしょうかね。特に若い方が入りにくくなってますよね?
津久井 今回、私たちは「ケアサポーター」という形で、本来介護の中身の業務を少し切り出しまして、若い方々にそういう専門職性がもしなかったとしても関われる内容、そんな仕組みを今もってスタートしたところでございます。
ドーキンズ 実は私、先日ですね、ケアサポーターの現場体験をさせていただきました。こちらのVTRをご覧ください。
ドーキンズ 私は今、ツクイの小平小川デイサービスに来ています。こちらでどんなお仕事をされているのか、私も体験させていただきたいと思います。
こちらの小平小川デイサービスは、利用定員60名のデイサービス専門施設。介護職員のほか、生活相談員、看護職員、機能訓練指導員など、およそ20名のスタッフでサービスを提供している。
(インタビュー:ツクイ小平小川 所長 細野 雪枝さん)
細野 今日はですね、ケアサポーターという業務に携わっていただきます。介護職員がより専門的に、お仕事ができるようなお手伝いをしていただくんですね。
ドーキンズ 動きやすいように着替えを済ませ、ケアサポーター体験、開始です。まずは、生活相談員の眞田さんに1日のお仕事の流れと注意点について教えてもらいました。
眞田 今日は47名お客様いらっしゃるんですけれども、お客様とコミュニケーションをとるっていうのが一番大事かと思いますので、お客様と同じ目線になっていただいて、コミュニケーションを図っていただくっていう形で。
ドーキンズ お昼ご飯までは、テレビを見たり、塗り絵をしたり、入浴をしたり、皆さん自由な時間を過ごされます。私は今日が初めてなので、皆さんのところに挨拶に回ります。
ドーキンズ ドーキンズ英里奈です。
利用者 名前聞いたことあるんやけど。
ドーキンズ ドーキンズ英里奈といいます。
利用者 いい名前ですね。
ドーキンズ ありがとうございます。
ドーキンズ 編み物のところ違うんですけど、ちょっと惜しいです。1×2は2ですよね。
続いてのお手伝いはテーブルの準備。
ドーキンズ 布巾お願いします。
食事の前に布巾を配り、テーブルを拭き、その後、利用者には抗菌のため消毒をしてもらう。その時に重要なのは、全て利用者自身に行ってもらうこと。小さな動きではあるが、機能回復訓練に繋がるのだという。
ドーキンズ とろみをつけると飲み込みやすくなる。
赤石 飲み込みがあんまり上手にできない方用に、飲み込んだときにすっと入っていかない、ゆっくり入っていくっていうような。
ドーキンズ 塗り絵お疲れ様です。お茶です。どうぞ。
赤石 半身麻痺だけは、少しお水を入れてあげてください。
ドーキンズ こっちのお茶に交換でした。熱々すぎました。
入浴後の利用者の髪を乾かすのも、ケアサポーターの仕事。
ドーキンズ お願いします。人にドライヤーかけさせていただくこともないので。
利用者 そりゃそうだ。ありがとう。助かります。本当にありがとう。
ドーキンズ サポートといっても、次から次へとやることはあります。スタッフの皆さんも、休む間もなく動き回っています。
ドーキンズ 12時半お昼の時間です。
赤石 お名前を確認しながら皆様にお配りします。
ドーキンズ はい。
ドーキンズ 配膳といっても、ただ配れば良いわけではありません。中里さんのお昼です。はい!どうぞお願いします。
赤石 耳が遠いので、右側から少し大きめな声で、声かけてあげてください。
ドーキンズ はい!長谷部さーん。失礼します。長谷部さんのお昼です。
赤石 笑顔でですね、美味しいお食事ですので召し上がってください。っていうふうに声かけてあげてください。
ドーキンズ 分かりました。
一口に食事といっても、料理の柔らかさ、切り方、分量、ご飯の有り無しなど、体調に合わせて一人ひとり異なるため、配膳には十分な配慮が必要だという。
ドーキンズ 食事を終えると、今度は順番にお口のケアをしていただきます。口腔ケアしましたか?うがい。
利用者 うがいはまだしてないですよ。
ドーキンズ じゃあ一緒に行きましょう!
利用者 ガラガラガラ。僕らが子供の時にこうやって声出して、うがいしていたんだよ。
ドーキンズ そうなんですか?あはは。
こちらの施設では、機能訓練やリハビリを専門的に行う、機能訓練指導員が常駐しており、一人ひとりに合わせた機能回復訓練を行っているという。
ドーキンズ 機能訓練に利用者を誘導して、見守りの役を担っているのがケアサポーターの橋本尚輝さんです。橋本さんは高校生。ケアサポーターのアルバイトを始めて1年になるそうです。最初、どんなきっかけでこのお仕事をやろうと思ったんですか?
橋本 父がこういう関係の仕事してるので、話を聞いててちょっとやってみようかなというふうに思って応募しました。お話するのは好きなんで、もう楽しいですね、やっぱりお話してるのが。そういう何か勉強になるお話もしていただいて、やりたいことはやっておけって。
ドーキンズ お客様だけど先生でもあるみたいなところあるんですね。
橋本 そうですね、はい。
ドーキンズ 自分の周りのお友達はどういう反応しますか?
橋本 びっくりされます。すごいねって言われます。
ドーキンズ 将来の目標は何かありますか?
橋本 やっぱり資格取って、こういう仕事に携わっていきたいかなっていうのは思います。
現在ツクイでは、25名の高校生がケアサポーターとして働いているという。ケアサポーター制度導入の意図について、人材育成部の担当者に話を聞いた。
(インタビュー:人材育成部 部長 原 優実さん)
原 高校生の子たち、若い人たちがですね、このケアサポーターを通して、卒業して、例えばそれこそ若いうちですから、いろんなやりたいこと、可能性たくさんあるので、そういった選択肢の中で、たとえ介護の仕事を選ばなかったとしても、それでいいと思っています。
5年10年後にですね、例えば、その町の中でちょっと体調崩しているだとか、困ってる人なんか見たときにですね、こういった経験をしてる子達はですね、自然に声を掛けてくれると思ってるんですね。
そういった役目もこのケアサポーターは担ってる。そこを私達は期待している、信じて、今やっているところなんですけども。
ドーキンズ さて、ここからは皆さん一緒にレクリエーションの時間です。今日のゲームは、叩いてかぶってジャンケンポンです。ルールは簡単。利用者お二人がジャンケンをして、スタッフが代わりに叩いたりかぶったりして勝ち負けを競います。
司会 一番の若者、高校生!
橋本 応援してる方、手を上げてもらっていいですか?
利用者 はーい。
ドーキンズ 負けられない戦いです!
司会 たたいて!かぶって!ジャンケンポン!
ドーキンズ すいません、大人気なくって。あははは。
ドーキンズ なんと、ここで所長が飛び入り参加!
細野 皆さん、私の味方ですよね?
ドーキンズ ちょっと所長ズルくないですか!?
司会 たたいて!かぶって!ジャンケンポン!
ドーキンズ 時間はあっという間に過ぎ、お見送りの時間です。
ドーキンズ ありがとうございました。
利用者 よろしくお願いしますね。
ドーキンズ ありがとうございましたー。
ドーキンズ 蟹瀬さん、VTRご覧になっていかがですか?
蟹瀬 いや、本当に皆さん明るいよね-。それと世代を越えて、コミュニケーションがすごく上手く取れてるっていうのが、すごく印象的だったな。
ドーキンズ 私は介護の現場が実は初めてだったんですけれど、目配りをしっかりしないといけないので、なかなかほっとする時間もないなと思ったんですけど、それでも皆さんずっと笑顔で働いていらっしゃって、やっぱり皆さんの笑顔が一番印象的でしたね。橋本さんも、皆さんに慕われていてとっても明るくて、場を作っている感じがしました。
蟹瀬 でも、現場に高校生の方がいらっしゃって、若い方がああいう形で働いてらっしゃる姿っていうのはどうなんでしょう?
津久井 若い方イコール本当に元気、少し元気の度が過ぎちゃうこともあるかもしれないですけど、それがそのぐらいで見合いとしてすごくいい感じだと思います。なので、私達はできるだけ積極的に、そういった人の機会を作れればいいのかなと思ってます。
人財の発掘、価値の創造、イメージ払拭のため、「福祉に・ずっと・まっすぐ」向き合う。それがツクイの考える地域包括ケア。
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