「一点突破」で挑む勇気。選択と集中が生み出す付加価値創造とその軌跡


総集編
太田健介 / 安田保馬 / 石田希世士

特選インタビュー

会社経営では、複数事業によって売上を安定させることは必要不可欠とされている。しかし、広げすぎた事業は時として非効率で赤字を生み出す原因となりうる。自社の強みを性格に理解し、そこを軸に経営の舵を取るのは想像以上に難しいのだ。今回は、独自技術や得意分野に特化することで会社を安定成長させてきた3企業のリーダーをご紹介する。それぞれのリーダーが唱える選択と集中が生み出す企業価値創造のポイントに迫る。

世界に羽ばたくためには、どんなことが必要なのか。

太田 世界を健康で笑顔にする。これを事業の目的としています。そのためには、小さくて強い会社になることが大切であると考えます。

太田油脂株式会社 代表取締役社長 太田健介

生活を豊かにする製品の提供には、どんなことが必要なのか。

安田 世界的な視野を持ちながら生活の中で豊かにしていけるような製品を提供し続けていきたい。

下村特殊精工株式会社 代表取締役社長 安田 保馬

オンリーワンの製品作りには、どんなことが必要なのか。

石田 我々は、成果物という事業領域に絞って、シンプルにしたんですね。そういうことで、エム・ヴイ・エムの特徴とか強みが浮き上がってきたんですね。

エム・ヴイ・エム商事株式会社 代表取締役社長 石田 希世士

世の中のニーズをいち早く捉え、独自技術で挑み続ける。必要なのは大きな成長ではなく、諦めないという勇気。得意分野に特化した選択と集中をすることで、そこに新たな価値が生まれる。賢者の選択 FUSION

大田油脂株式会社の前身は、愛知県岡崎市で、種や苗の販売を始めた成産社。1937年、菜種を絞って油を製造する油脂製造業に事業を転換。大田油脂の製品は古くから技術力と質の高さが認められ、現在でも宮内庁や伊勢神宮に御灯明油として献納されている。また、大田油脂では長年、大手食品メーカーのOEM事業を展開し、順調に業績を伸ばしてきた。

OEMからの転換

太田 ずっとOEMを中心に事業展開してきたんですが、やっぱりモノ作りの会社なので、自分たちで作ったものを自分たちの名前で売っていきたいなと、私よりも若い世代のプロジェクトチームを組んで、そして新商品開発を自分たちで立ち上げて、ブランドを立ち上げ、そしてそれを展開していく、ということをやっていきました。

蟹瀬 OEMでやっていれば安定しているけれど、急にBtoCって言ったら、これ相当リスクをとるわけですから。この辺は社内から反発はなかったですか?

太田いや実はものすごいありまして。ある意味、今までのお客様とライバル関係にもなる可能性もあるので。もちろんリスクはあるけども、やはりそういった自分たちのモノ作りのアイデンティティと、それからブランドをしっかりと伝えていくことが、小さくて強い会社になっていくコンセプトの一つだというふうに考えて、強引に推し進めた記憶がございます。

OEMからの転換を図った太田は商品開発を推し進め、エゴマを中心とした新商品を次々に生み出していった。

成功の要因

蟹瀬 えごまオイルの成功。この要因はどこにあるとお思いですか?

太田 えごまオイルを日本のメーカーの中で、原料調達から油をちゃんと自分たちで絞って、最終製品まで仕上げる。これは一貫生産っていうのですけども、それをやっているのは日本の中でも当社だけなんですよ。

蟹瀬 そうなんですか!?

太田 もう一つの理由は、主に産地は中国なんですけれども、これはえごまオイルの特徴的な健康要素の一つなんですけども、オメガ3脂肪酸が非常に中国産の方が比率が高い、ということで中国は外せないんです。調達のスタッフ達が現地まで行きまして、契約栽培、並びに農薬のチェック。品質のチェック、原料調達の安全性。この2点は、当社の特徴的なポイントと考えています。

坪井 こちらは、愛知県岡崎市にある太田油脂の本社です。さっそく伺ってみたいと思います。

(インタビュー:生産本部 岡崎工場 製造第1グループ 油糧担当課長 皆川 将康さん)

坪井 どういう工程を経て油はできるんですか?

うすい緑 そうですね、こちらの方で種を磨り潰して油の方を出します。

一般的に油は圧搾法で製造される。圧搾された油は、三つの工程で生成される。不純物を取り除く脱酸、澄んだ色の油にする脱色、匂い成分を除去すると脱臭。生成された油は、厳しい品質管理の後、充填、包装され、商品となる。

(インタビュー:生産本部 岡崎工場 製造第2グループ 包装担当 小嶋 美幸さん)

坪井 この方はなぜ手袋をしてないんですか?

小嶋 ここはですね、油の中の異物を見るというのと、外に油がついていないかっていう検査をしますので、あえて素手でやっています。

こちらが、オメガ3脂肪酸がおよそ60%含まれるというえごまオイル。良い油を作るには、オートメーション化された現在でも、職人の長年の経験と勘が不可欠だという。

(インタビュー:生産本部 岡崎工場 製造第1グループ 油糧担当 粂 利男さん)

坪井 良い油を作るために、大切なことってどんなことですか?

 例えば菜種の場合ですと、原料が入って原料の水分とか、油分を見ながらサンプルを出して測ります。このときに乾燥機で乾燥させて、それから温度管理をしっかりしてから、絞りカスの厚みをしっかり測って絞ります。

人材育成

蟹瀬 ここまでは原料だとか、それから技術だとか、そういうお話を伺ってきたんですけれども、やっぱりそれを生かしていくためには、当然人材っていうことが必要になってきますよね。そのあたりはどういうふうにやってらっしゃるんですか?

太田 当社の特徴は、1年目2年目からある分野を任されて、そしてチャレンジできる。やはりここは当社の強みとして、ますますそういう方が来てほしいなと思ってます。

こちらは小包装タイプのえごまオイルのドレッシング。この商品を開発したのは、入社2年目の女性社員。

(インタビュー:開発・マーケティング本部・研究開発グループ 添田 愛理沙さん)

坪井 この開発は、何年目の時に始めたんでしょうか?

添田 1年目から開発をしておりまして、だいたい1年ぐらいで商品化になりました。

坪井 入社1年目からこの開発を任されたんですか?

添田 そうですね。

坪井 プレッシャーはありませんでしたか?

添田 プレッシャーは大きくて、それで原料の調達から、レシピを作るまで1人ってことで、本当に試行錯誤をしながら行いました。

東京支社に勤務するこちらの社員は、入社2年目から東アジアを中心に海外営業を担当。

(インタビュー:営業本部 maruta事業部 販売担当(東京駐在) 岡本 朋泰さん)

岡本 香港と中国を担当させていただいておりまして、本当に最近1、2年の話なんですけれども。やはり中国に関しては、富裕層が日本の総人口よりも多いというところで、非常に大きなマーケットで、かつ需要があるというところでございますので、世界に目を向けて最近は営業の方をしております。本当に若手の内から責任のある仕事だとか、チャンスを与えてもらえるような会社だというふうに感じます。

今後の展開

蟹瀬 企業が成長していく上で、当然資金力が必要になりますし、知名度も高めていくっていうようなことになると、大抵の場合は上場を目指すわけですね。あるいは本社機能を東京に移すと。このあたりはどのようにお考えなんですか?

太田 東京に本店を移すとかですね、それから上場をするっていうことは考えておりません。やはり創業の地であるというところで、それがあって今まで育てていただいた。それは地域あってのものなので、地域とのコミュニケーション、お祭りやったり、工場見学会をやったり、これは地方の地域の中小企業の役割としてはすごく大切なことで、雇用以外にもそういった地域コミュニケーション、地域の文化を作ってくっていうことは、ローカル企業として重要な役割だと思って、今後も続けていきたいと思ってます。

出演者情報

  • 太田健介 / 安田保馬 / 石田希世士

企業情報

  • 総集編
  • 放送日 2019.05.13

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