アパレル否定型アパレル。「魔法のパンツ」で百万人の笑顔を目指すブランドとは?!
株式会社バリュープランニング
代表取締役社長
井元 憲生
「ファッションの街」としても知られる神戸で起業し、アパレル業界に一石を投じる会社、バリュープランニングがある。「魔法のパンツ」と呼ばれる独自のストレッチパンツは発売以来これまでに600万本以上販売しているという。バリュープランニングを牽引するリーダー、井元憲生の実践するビジネスモデル、成長戦略、その全容を明かにする!
ビースリーブランド開発の鍵を握るのがこちらの美脚研究所。機能性を追求するビースリーのストレッチパンツは繊維メーカーと連携し、独自に設けた厳しい品質基準を元に生み出されます。360度と全方向に伸びる生地は伸縮性が高いため伸びっぱなしになってしまう例があります。また摩擦や洗濯による色落ち、毛玉がどの程度できるのかなど、細部にわたってテストを行います。美脚研究所において専用の試験機を導入し、素材生地の段階での検査を入念に行うことで、ビースリーの優れたストレッチパンツは生み出されるのです。
正代ポリウレタンっていう、ゴムみたいな糸を軸に、糸を作っているんですけれども、そのゴムみたいな糸を安定させる、縦横360度伸ばして、伸びるだけじゃなくってきっちり元に戻すっていうことが非常に難しくて。ストレッチの世界では、特に織物に関しては、弊社が一番進んでいるとは思います。
そして、現在はメンズ用のパンツも手掛け始めています。2013年の3月にオープンしたビースリーMENでは、男の美脚ストレッチパンツをコンセプトに製品開発を行い、新たな市場を開拓しようとしています。
鶴井男性のツーウェイというパンツがないので、すごくリピーターさんが増えてきている状態ですね。楽に履いていただけますので。
メンズパンツの製品開発の苦労を伺ってみました。
切澤特にレディースとメンズでストレッチに対する感じ方というのが変わってきますので、メンズのパンツは、やはり体と皮膚の間に空間というのが必要になってきますので、どちらかというとレディースみたいにダイレクトにストレッチを感じるのではなくて、空間を感じるというところが、あるかなという風に行きつきました。
蟹瀬なかなか研究所で、いろんな面白い研究をなさっているなと思いますけれども、やはりサービスの中でアパレルが特にというわけでもないのですけど、大事なのは人材をどう確保して、どうやって育てていくかということだと思うのですけど、その辺りは具体的にどういうことをなさっているのですか?
井元我々がフィッター(販売員)に求めていることは、商品の特徴をちゃんとお客様に伝えるということが非常に重要だと考えているんですね。そのために、こういう工夫をして、こういうところに気を付けて商品作りをしていますから、自信作なので是非はいてください、という話をするんですけど、その商品特徴をちゃんと理解していなかったら、なかなかお客さんが我々の商品のことを理解されないまま帰っちゃうので、そういうことを伝えて欲しいということを、ずっと教育していくわけなんですけど。
蟹瀬セールスが非常に上がっている店員の方というのは、上手な言葉遣いとか、いろんなものがあると思うのですけれども。
井元キーワードというかね、大体異次元の世界なんですね。我々の商品、ツーウェイのパンツっていうのは、今までたぶん自分が持っているパンツには、初めての方はね、ワードローブの中にはないと思うんですね。
井元だから、「異次元の世界を体感してください」みたいな感じのものがね、あるいは「体験してください」ということが、一つのポイントじゃないかと思いますね。
蟹瀬白石さん、どうですか? お客様の一人として行った時に言われたら。
白石そうですね、夢が広がりそうです。
蟹瀬そういう成功例っていうかうまくいく例っていうのは、やはり研修とかで他の店員の方々にも広げていくということなのですか?
井元そうです。それがブロック単位で。ブロックというのは大体10軒ぐらいが1単位になっているのですけど。
井元10軒単位の1ブロックでの勉強会をしたり、それが3つか4つ集まった30軒、40軒ぐらいの単位で集まって勉強会をしたり。それで成功例、失敗例、お客さんこうしたら喜んだよ、こうしたらちょっと問題が起きたかな、というようなことをいろいろ話し合いながら、勉強会を開いています。
蟹瀬個人差もあるでしょうけれども、いわゆるプロのフィッターになるまでっていうのは、新入社員で入ってきてからどのぐらい……?
井元それは大変個人差があるんですよね。やっぱり上達の早い方は、パンツが好きな人が早いんですよね。
蟹瀬そもそもその商品が好きなのですね。
井元そうなんです。ですから、元々お客さんだった方がスタッフになられとる方も、けっこういらっしゃいます。パンツのことが大好きで大好きで。うちのことが大好きで入って来られていますから、もう販売に対してもすぐプロになっちゃう。好きになれるかなれないかで、全然違うんじゃないかと思いますけれども。
白石では続いてのキーワードは何でしょうか。
井元「パンツ道を極める」ということですね。
蟹瀬面白いですね、パンツ道ですか。(笑)しかし、お話を伺っていますと、大変なご苦労の時期もあって、だけどやはりそういうものを乗り越えて順調に今来てらっしゃるような気がするのですけど、企業としては更なる成長ってのは当然目指さなきゃいけないと思うんですが、そのための戦略といいますか、そういうものというのは、何か考えていらっしゃいますか?
井元当社にはね、18年×3ステージ=54年っていう計画ビジョンがあります。会社を作る時に、スタートをする時に、ゴールがなかったらどこまで走ったらいいかわからないってことで、たまたまゴルフが好きだったんで18年計画っていうのを作ったんですよ。
蟹瀬18ホール?
井元18ホール。で、この辺でOBしたなとか、この辺でいわゆる池ポチャしたなとか、バンカーで手こずったなとか。いろいろゴルフの場合ありますので、この仕事も同じかなと思って。楽しみながら18年間頑張ろうかなということで、そういう計画を組んだんですね。で、当初の18年は、日本の国内でパンツ道を極めるために頑張ってやりましょう。で、次の18年はアジアで展開できるようなことを頑張ってやりましょうと。最後の18年は世界でビースリーが展開できたらなということで。
蟹瀬あと18年を2回続けて、ようやく一つのトーナメントが終わりなのですか?
井元そうです。ただ、それを到達するには私一人ではちょっと難しくなってくる、年齢的に難しくなってくるので。
井元今はビースリービジネスと同時に新しい経営幹部というか、そういうものの育成にポイント置いて日夜頑張っております。
蟹瀬経営者にとっては本当に後継者を育てるっていうのは、実は一番難しい仕事だとよく伺います。
井元それをやっぱり育てないと。反対に言えばこの18×3ステージは成功しないという風に思いますね。
蟹瀬海外の事業展開、アジアでというお話でしたけれども、既に何カ所かでもう展開は始められているわけですね?
井元今は香港に1店舗と、シンガポールで1店舗と、2店舗ございます。
蟹瀬反応はどうですか?
井元我々が思っていたよりすごくいいんですよね。日本で非常にいいよっていうお客さんの初めての反応が、香港もシンガポールも同じなんです。これはもしかしたら海外でもうまくいくんじゃないかなという風に、自信を深めたと。こういうことなんですね。
蟹瀬特にそのマーケットのために特別にってことをしないでも、商品のその魅力だけでわりと展開できそうというのは、これはすごくいいスタートですよね? ということは、これからのグローバル展開は相当期待を持てると?
井元そうですね。ただ世界にとなると、やはり欧米に行きましてもバランスが……。
蟹瀬形が違いますものね。
井元ええ、違いますから、まずはアジアで展開をして、それが成功したら3ステージ目で世界に行けたらなと、こういう風に思っているんですけれども。
蟹瀬それでトーナメントで優勝と。(笑)というところですね。
井元できたら優勝してやりたいと思いますけれども。
蟹瀬その日が来ることを祈っておりますので。どうもありがとうございました。
白石ありがとうございました。
井元ありがとうございます。
経営にとって非常に重要なことは、未来を語ることだと思います。未来を語るには想像が必要です。その想像の中から非常にいいアイデアがたくさん出てくると思います。そのアイデアを実行に移していく勇気が一番重要だと思います。
※出演者の会社名・役職など掲載情報は、収録当時のものとなります。
※著作権保護の観点から、動画の無断転載・流用などを禁じます。
出演者情報
企業情報
関連コンテンツ
カテゴリー別特集
リンク