原点こそ大事!「色々なところに手を出して成功している人を見たことがない」の信念
カーコンビニ倶楽部株式会社
代表取締役社長
林 成治
「厳しい状況であれば、じっくり根を張っていくのが一番だ」。各分野に広がりを見せるフランチャイズビジネスにおいて一大成功を収めた男の、一貫した姿勢から生まれる戦略的イノベーションとは?
林買収資金も、私は自己資金をかき集めるだけかき集めて、借金をできるだけしたんですけど、大変でした。実は、買収が決まって金を払い込むという日の3日前までお金が手元になかったんですよ。
蟹瀬すごいリスクを背負ったんですね。
林一億円ほど足りなかったんですよ。私それまでの1ヶ月ほとんど寝てなかったんです。寝ずに金策をしてたんですけど、その時本当にお金が無いっていうのはこんなに大変なことなのかとつくづく思いました。あと払い込みまで3日というときに、万策尽きたかなと思ったとき、ふと思い出したんですよ。ちょうど解任になるまでの一年間、社長だった時の一年間で、私とちょっとお仕事をさせていただいた会長がいらっしゃったんですね。私が解任になるときにその会長にご挨拶に行ったんです。ご挨拶に行った時に、その会長が何を気に入ってくださっていたのか知らないですけれど、「林さん、もしあなたが困った時があったら必ず来てくれ」と言われまして、それを3日前に思い出したんです。私は藁をもつかむ思いで、その方にお会いさせていただきました。その方も私の状況をよく調べておりまして、ようやく来てくれたと。次の日に1億数千万私の口座に振り込んでくれました。
蟹瀬そんなことあるんですね。
林私もこんな夢みたいなことがあるのかと思いました。
蟹瀬今度ご紹介いただきたいと思います(笑)
林今でも足を向けて寝られないですね。
蟹瀬今振り返って、林さんが支払い3日前というときに、この方が1億円以上のお金をポンと出してくれました。なぜ出してくれたと思いますか?
林おそらく、私はいままで仕事をする部分でも生きていく部分でも、一生懸命誠実にやっていくんだということを常に考えて行動しておりまして、おそらくそういうところを見て頂けたのかなと私は思っております。そう考えると、そもそも私がカーコンビニ倶楽部を買収できるようになったのは、色々な方の応援がありましたので、そういうような気持ちで私を見て頂いていたのかなと思います。
白石林さんの人となりに惚れたといいますか。
蟹瀬テレビドラマの中ではよくありますが、現実でもあるんですね。
白石そうですね。
蟹瀬解任された社長が戻ってきたんですよね。社員の方々の反応はどうでしたか?
林独りよがりかもしれませんが、皆喜んでいただきました。やんやの喝さいでした。
無念の思いで会社を去ることになった林は、社員たちにある決意を語っていたという。
ある社員林社長がお辞めになった後、自分の車の修理のために来店した事があって、その時「出張があるから空港まで送って行って欲しい」という事で空港まで送っていった事があるんですが、その時に林社長から言われた事が突然なのですが「俺は必ず戻ってくるから待ってろよ」とおっしゃったんですね。
「ん?」と私も感じたんですが 目がとても真剣だったので、何か強い意思があるのかなと感じた事がありました。
私はいつも営業に出ているんですが、たまたまその日は本社で事務仕事をしていたんですがドアがガチャガチャと開いたので、パッと(ドアを)見たら林社長がいて「えっ?」と思って「おかえりなさい」と言ったら「おう」と返事をされました。パッとみて「おかえりなさい」とパッと出たという感じでした。「戻ってくるから」という事を辞める時に(林社長が)言っていたのでとっさに「おかえりなさい」と言ったのかなと思います。
またこれで一緒に仕事ができるなという事と一年以上間が空いてしまったので、改めて再出発だと思っています。
林実は解任になった際に、数十名の社員が親会社に抗議文というんですか、連判状を送りまして、解任に対して抗議するという事で、もう1度社長に戻してくれと言うような行動を起こしたことがありました。私自身はそのようなことをしても決定は変わらないと申し上げたんですけど、社員はそういうような動きをしていました。
蟹瀬社員の顔を見てどうでしたか?
林涙が出ました。
林は会社の成長を確信し、従業員とオーナーたちのために、林は会社を取り戻した。
蟹瀬買収をして、今後どう進めていくのか問題になりますよね。そのあたりはどうなんですか?
林カーコンビニ倶楽部の事業としては板金車検のブランドで事業を展開してるんですけども、お客様という切り口で言ってみると、加盟店も一つのお客様という位置づけですね。
もう一つは一般の消費者の方という切り口がありますけども、加盟店に対しての役割というものが、一つありますので、そのために加盟店の方々に申し上げているのは、原点回帰でやっていこうと。自分の強みを発揮して本業に特化していくんだということを常々申し上げております。不景気になりますと、色々なところに儲け話が転がって、色々なところに手を出しますけれども、成功している人を見たことがないです。今この厳しい状況であれば、一番突飛な分野でじっくり根を張っていくのが一番だということで、加盟店の方々にはそういうお話をさせていただいております。
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