ホテル業界のLCCを目指す?貸し会議室のフロンティアが言う、マルチタスクの重要性とは


株式会社ティーケーピー
代表取締役社長
河野 貴輝

特選インタビュー

インターネットで借りられる貸し会議室。近年はホテル事業にも手を伸ばし、取れるリスクは取っていくという、株式会社ティーケーピー 代表取締役社長 河野貴輝が訴えるマルチタスクの重要性とはなにか。その真意を探る。

貸会議室ビジネスとの出会い

河野インターネット、証券会社、銀行とやってきたのですが、次何かやるとなると、やっぱりインターネット完結型のビジネスってなるとないんです。本当にオンラインゲームとか、デジタルコンテンツとか、ミュージックとか、ちょっと自分とは違う世界の話になってきまして、であればインターネットはあるのだから、それを利用して何かリアルのビジネスに結び付けられないかと、こう思って始めたのが今の会社のきっかけなのです。
そこにたまたま六本木のミッドタウンの再開発地に、3階建ての取り壊しの決まっているビルがあったんです。そこの1階のレストランテナントが出ていかないので出ていくまでの間、2階と3階は立ち退きが終わっていましたので、借りてくれないかというので、2階と3階を安く借りて、今日借りる人に時間貸しで、安くインターネットを通じて貸すというところからこのビジネスがスタートしたのです。

諸星そうすると、借りたものをまた細切れにして又貸しするということですね。

河野また借りるときには、仕入れの努力をしていますので、普通に借りるのではなくて、取り壊しの決まっているビル、いわゆる賞味期限の決まっているビルを安く借りると、その分時間貸しで安く貸せるというところが、このビジネスの最初の取っ掛かりになりました。

諸星誰も聞いたことがないですよね?そのミッドタウンがこれからできるところにある、古めかしい建物を、これをネットでパッと見たそれなりの企業が借りてくれた?

河野そう!そこはびっくりしました。

諸星貸そうと思った方もすごいですけれども、借りようと思った方の人もすごいですね。でも、貸そうと思った方はITでバーッと撒いているわけですから誰が引っかかってくるか分からないのですね?

河野当時はもう独占状態だったんです。インターネットで集客している貸し会議室屋さんなんてなかったんです。だからほぼ独占状態で、インターネットで集客は誰もしていませんでしたから、ここは本当に独占でした。

諸星そこから先は、順風満帆ですか。そんなことはあるはずないでしょうけれど。

河野そうですね。まぁ雪だるま式に大きくしていくのですけれども。基本は、お金は前金で支払いは後払いでしたから、キャッシュは溜まっていくんです。で、こうどんどん大きくなっていくのですが、まぁ途中で大きな変化の機会が2回ありました。

諸星その1回目は?

河野1回目はリーマンショックです。2008年の。

リーマンショックの影響

諸星それで、リーマンショックの影響はどういう形で表れましたか。

河野ずっとこう順風に会社が来ていましたから、売り上げも2億、7億と、来ていて、本当に順風満帆だと思っていたのですが、いきなりリーマンショックで5億円のキャンセルをくらったんです。新入社研修が全てキャンセルみたいな、リーマンショックで赤字みたいな。
それで気づいたら今まで赤字になった月がなかったのですが、そのひと月に1億円赤字が出てしまったのです。ベンチャーで1億円っていうのはなかなか耐えられるものではなくて。

白石そこをどう乗り越えたのですか。

河野1億円ですから、もう1億円コストを下げるしかないのです。でもこれ、販管費を下げるわけにはいきませんし、人件費を削るっていうわけにもいきませんから、やはり原価を削るしかないということで、もうとにかく周りの不動産相場もリーマンショック以降は下がっていまして、50%も(相場が)下がっていたのです。家賃もそうです。
ですから、僕もオーナーの方に、「申し訳ないけど周りの相場も5割下がっている」と、「僕は5割じゃなくて4割でいいから下げてほしい」と、「下げてもらえなかったら、もう解約も辞さない」と、そういった覚悟で私が自ら直接粘り強く交渉しまして、何とか4割下げることができまして、ひと月それで8000万円くらい、コストをガッと下げることができたんですね。

諸星一息付けましたね。まだ自社ビルというか、ご自分のところでもっていらっしゃる物件っていうのはまだそんなにないのですか。当時はもっていなかったのは当然ですが。

河野元々の会社経営の基本が「持たざる経営」と言っていまして、とにかく持たないと、保有しないけど「所有権は放棄して、使用権で勝負する」と、こういうサブリースビジネスからスタートしていますので。

諸星リスクは極めて低いですね。

河野ただ、景気が良くなってきますと、今度は貸してくれなくなるのです。そのあたりで少し将来の先を読んで入れ替えをしなければいけないという、ここは非常に肝っぽいところ、金融的な考えがすごく必要なところになってきます。

諸星番組の冒頭で一つキーワードをいただいたわけですけど、その中にITとリアルそして金融の融合というのがあったのですが、具体的にそのITをどうやって使われて、そしてそれが他の会社との差別化であったりとか、競争、それがどういう形で具現化されていくんですか。

河野貸し会議室というのは昔からある業界で、ほんと不動産のオーナー様が空いている部屋をたまたま会議室にしているというようなビジネスなのですが、私はそこにスポットライトを、ITで当てて、こういうインターネットの集客をダイレクトにするところで、今まで空いていたスペースやそういうところを、会議室や、そういうスペースとして生まれ変わらせていくことで成功しました。そういう意味で、競争相手というのは当時本当に全然いなくて、インターネットでは、ほぼ私どもが独占的に集客を最初していたというのが最初の状態ですね。

諸星とはいえ、ITってわりと身近に使うことができるじゃないですか、誰でも。そうすると、あの会社でこういうこと始めたって言うと、当然誰か競争相手がどんどん出てきますよね。

河野真似してどんどん出てきますね。会議室やっている会社いっぱいありますよ。だからもうとにかく、最初は取り壊しが決まっている雑居ビルから始めて、どんどん大きくしていったのです。大型化のビル、ビル一棟、そして最近ではホテルの宴会場を会議室、また会議室以外のイベント会場で使うという形にして、要は我々が成長していかないと本当にすぐ追いついてこられますので、とにかくナンバーワン企業として成長し続ける。これが完全な参入者障壁になっていっているらしいですね。

諸星要はスケールメリット?

河野スケールメリットと信用力。ここはすごくついていくんですね。

諸星ということはリピーター、顧客の満足度、この辺りに非常に敏感に。

河野そうですね。リピーターは今、リピーター率80%で推移していますので。インターネットから始めたんですけど、ツールとして、リピーターにして、結局我々の営業マンに実際注文が来るという仕組みを作っていったところが今までうまくいってきた秘訣だと思っています。

諸星今80%くらいがリピーターとおっしゃったわけですから、もう新たにフェイスト・トゥ・フェイスで何かをやるということはそれほど必要ないわけですよね。もうすでに信用があるし、あそこ1回使って良かったからっていう話ですよね。

河野もちろん会議室以外の他の商品をどんどん一緒に使っていただくというか、買っていただけるようになって、そのように今展開をしていこうと思っています。

出演者情報

  • 河野 貴輝
  • 1972年
  • 大分県
  • 慶応義塾大学

企業情報

  • 株式会社ティーケーピー
  • 放送日 2012.02.05
  • 業種:
  • 不動産(管理)、サービス(その他)、各種ビジネスサービス、イベント・興行、ホテル・旅館
  • 本社:
  • 東京都
  • 所在地住所:
  • 東京都新宿区市谷八幡町8番地 TKP市ヶ谷ビル2F
  • 資本金:
  • 2億8,779万5,000円
  • 売上高:
  • 219億円(2017年2月 12期実績)
  • 従業員:
  • 2,006名 (2017年5月1日現在)

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