日本トップ=世界トップシェアでも「夢への挑戦」を!
第二、第三の矢とは?


ヤマシンフィルタ株式会社
代表取締役社長
山崎 敦彦

特選インタビュー

建設機械用油圧フィルタ一に選択と集中をしたことで、日本トップシェア、すなわち世界トップクラスのシェアを誇るヤマシンフィルタ株式会社。株価上昇率も注目のトップランナーは、トップゆえのリスクに目を配り、気を緩めない。そして、ぬかりない姿勢で臨む山崎敦彦(代表取締役社長)は、次なる成長へも確信をもつ。世界を変えるかもしれない、「ナノファイバー」で展開する、第二、第三の矢とは? 山崎代表が大切にする「夢への挑戦」の言葉、それを体現する「熱い挑戦と冷静なマネジメント」のストーリーをインタビュー。

ジャストフィット

山崎 フィルタでいちばん大切なのは濾材です。この濾材を、ヤマシンは社内で開発・生産をしています。それぞれのお客さんに設計の開発ポリシーというのがあって、あるお客さんは、「どれだけたくさんのゴミが取れるのだ」というところにウェイトを置いた要求スペックが出てきます。またあるお客さんは、「どれだけサッと(油がフィルタを)抜けるのか」といった要求が出てきます。それぞれのお客さんにジャストフィットするフィルタ、濾材を提供するためには、購入濾材ではできないのですね。自分たちで開発して、ジャストフィットする濾材のフィルタを提案する、この品質がやはり一番決め手じゃないかと思っています。

蟹瀬 独自開発というのが強みですし、そこから生まれてくる高品質なもの、これが戦略の中では非常に重要な要素を占めているということでしょうかね。

福井 その濾材を使ったビジネス展開というところで、どういうふうに伸びていったのですか?

山崎 フィルタというのは、2つ用途があります。ライン用フィルタというのと、普及用フィルタですね。ライン用フィルタというのは、建設機械を製造ラインで作っていくときに、部品として組み込んでいくフィルタをライン用フィルタといいます。もう1つは、その機械がマーケットに出ていって稼働する、そうするとフィルタは消耗品ですので、500時間とか1000時間動くとフィルタ交換ということで、このアフターマーケット、サービス用の補給部品というマーケットがあります。

蟹瀬 全体のマーケットから見た場合に、御社の占めているシェアというのは大体どのくらいになるのですか?

山崎 今、大体70パーセント程度。しかしながら、マーケットが建設機械用の油圧フィルタですから、限られた極めて小さいニッチなマーケットで70パーセントのシェアと。小さいマーケットで高いシェア、これはやっぱり小さい会社の勝利の戦略というところではないかと思っています。

グローバル

蟹瀬 生産自体はどういう体制でやっていらっしゃるのですか?

山崎 今、ヤマシンフィルタの工場は、フィリピンのセブ島に工場を、それから九州の佐賀に工場があります。元々は佐賀の工場でフィルタを作って、それを日本の建機メーカーさんが買って、アメリカ・ヨーロッパに出荷するというビジネスモデルだったのですね。それが急激な円高になりまして、アメリカ・ヨーロッパで、現地でフィルタを調達したほうが安いというような話があって、フィルタメーカーにとって、アフターマーケットはとても大事なマーケットで、これを無くすわけにはいかないと。これはなんとか手を打たないといけないというのが(フィリピンに工場を作った)1つの理由です。もう1つの理由は、85年くらいからNICS(ニックス)とかNIEs(ニース)とか……。

蟹瀬 新興国ですね? いわゆる。

山崎 そうなのです。韓国とか台湾からの売り込みがありまして、まったく見た目はヤマシンと一緒で値段は半分ということで、板挟み状態で、これはなんとも手を打たないとまずいということで、まず最初に行ったのがフィリピンだったのですね。

蟹瀬 ただ海外に進出する場合は、単に製造工場をそこに持っていくというだけじゃなくて、そこで働く人たちが必要になりますよね? いろいろな人材の問題が出てくるとは思うのですが、そのあたりはどうだったのですか?

山崎 これは本当に、人材には恵まれたと思っております。フィリピンで最初に採用した人間の何人かを日本に研修生として連れてきまして、日本語研修から始まったのですね。あっという間に日本語が上手になって、コミュニケーションも取れる。そういった人材を、一年後、二年後にまたフィリピンに戻すと。これを順番にやっていく。やはりコミュニケーションというのはとても大事だと思います。

蟹瀬 まさにそのコミュニケーション、ネットワークがだんだん世界に広がっていっているということですか?

山崎 今では販売拠点が中国の上海、タイのバンコク、ベルギーのブリュッセル、アメリカのシカゴということで、販売拠点が広がっています。この販売拠点の責任者を横浜の本社に集めまして、グローバルマーケティングミーティングというのを開いています。ここではもちろん各エリアの持っている課題を共有化するということもありますが、なんと言ってもコミュニケーションですよね。「アメリカはアメリカだけでやっているんじゃない」「ヨーロッパはヨーロッパだけじゃない」連帯してみんなでやっているのだという、このチームビルディングですね。これを目的として開いています。

蟹瀬 これはインターネットの時代になってもやはり物理的に集まったほうがいいとお考えなのですか?

山崎 はい。やはりフェイストゥーフェイス、同じ空気を吸うということがとても大事だと考えています。

実際に現場で働く社員は、会社の取り組みについてどう思っているのか。話を聞いた。

ゼネラルマネジャ 臼杵啓充

臼杵 私の場合は、最初に、30のときにセブのほうに二年行かせてもらって、初めて海外で仕事をするということをやりまして、普段であればお付き合いするようなことのない方々とお話しできたり、いろいろな経験をさせてもらいました。その後に今度はアメリカ、タイ、ベルギーと、今に至っているわけなのですけれど、海外の拠点にいて、やはり日本と同じように、ヤマシンというのはこういう会社だとみんなに思ってもらえるような指導というのですか、そういうことは心がけているつもりです。最初に会社に入ったときには、海外というのは全然シェアもないですし、会社的にもなかったと思うのですね。ただ行ってみてからですかね。いろいろなことができるし、自分のやれる範囲が広がるので、それによって、いろいろな考え方、見方というのができるようになってきて、非常に自分にとってはメリットがあったと思いますし、今後の方々にも同じように経験してもらいたいなと思っております。

営業本部 建機アフターマーケット営業部 部長 谷豊

 一番多いときで、一年間で300日以上、海外を点々として、中国に行ったり……まあ東南アジアが主だったのですけど、こう渡り歩くっていうので、3年間くらいそれを続けたのですよね。やはり、行けば行くだけ向こうのお客さんが求めているものが何か解ってきて、あと文化だったり何をすれば心に伝わるのかというところが、行ってみないとわからないというところで、自分の人生観も変わるというところもありますし、やっぱり市場が海外にあるので、「風を頬で知れ」というところで、どんどん小さい会社であったときから外に出ていくというところ、ここが一番のポイントだと思うのですね。

グローバルな事業展開を行うヤマシンフィルタの戦略について、入社6年目の若手社員にも話を聞いた。

営業本部 建機ラインフィルタ営業部 松田晋一

松田 私の携わる案件ですと、アメリカ・ヨーロッパ・中国・タイ含め、セブに工場がありますので、そちらのほうのメンバーとも英語でのコミュニケーションをする機会であったりとか、あとは、機会があればそちらのほうの各方面のお客さんを訪問する機会とかもありますので、基本の滞在拠点は日本ですけれども、各地を周る機会があるというところで、非常に広い視野を持てるというところが面白いところですね。言葉の壁というものがどうしてもグローバルになると出てくるところはあるので、どれだけ誤解がないように伝えるかというところに対しては、非常に注意を払ってコミュニケーションをするようにはしています。今後ヨーロッパのほうに赴任する予定になっていたのですが、今回は、むこうの代表なども全員現地人に替えるということで、日本人が今、順次戻ってきているところです。ですが、急にローカライゼーションしても、やはり言葉の壁であるとか、他のメンバーとの情報の共有ですとか、そういうところに結構障害が出るところがあるので、そのサポートに回ってほしいというところで、私のほうが行くことになりましたので、そのあたりを意識したところで会社に貢献できたらなと思っています。

福井 山崎社長のお考えとして、社員の方の教育はどのようにお考えですか?

山崎 基本的には、モチベーションを上げていくということが一番大切だと思います。そのためには、うちは製造業ですから、やはり現場現物主義ということをとても大事にしています。イメージして机の上だけで決めていくと、たいがい間違えます。そうではなくて、現場に行って、現場の人の話を聞いて、自分で現場の風を受ける。「頬で風を知る」とよく言いますけれど、これをやってこそ本物だと思います。

出演者情報

  • 山崎 敦彦
  • 1953年
  • 神奈川県
  • 東京大学

企業情報

  • ヤマシンフィルタ株式会社
  • 放送日 2018.03.18
  • 業種:
  • 建設機械用フィルタ製造業
  • 本社:
  • 神奈川県
  • 所在地住所:
  • 横浜市中区桜木町1-1-8 日石横浜ビル16F
  • 資本金:
  • 822百万円
  • 売上高:
  • 10,007百万円(2017年3月期)
  • 従業員:
  • 単体124名(2017年9月30日現在)

関連コンテンツ

運営会社

株式会社矢動丸プロジェクト
https://yadoumaru.co.jp

東京本社
〒104-0061 東京都中央区銀座6-2-1
Daiwa銀座ビル8F
TEL:03-6215-8088
FAX:03-6215-8089
google map

大阪本社
〒530-0001 大阪市北区梅田1-1-3
大阪駅前第3ビル15F
TEL:06-6346-5501
FAX:06-6346-5502
google map

JASRAC許諾番号
9011771002Y45040