羽生結弦の原点にも!身体表現も交えたヴァイオリンで世界へ伝えたいこと


ヴァイオリニスト・作曲家
川井郁子

特選インタビュー

幼いころ、自身がラジオから流れるヴァイオリンの音色に魅入られてから自分だけの音楽の世界観を、身体表現も交えた演奏で伝えてきたヴァイオリニスト・川井郁子。その演奏はアイススケーター羽生結弦選手が「震災以降の自分の原点」と語るほど、メッセージに溢れた音色を奏でる。
彼女がいま、世界の子どもたちにも伝えたいことは、ヴァイオリンを通じてに限らないほど広がっている。彼女が伝えたいメッセージとは?

アルバム「The Red Violin」の発売から4年後の2004年。川井にとって、もう一つの衝撃的な出会いが待っていた。それは、寺山修司作の舞台「上海異人娼館」。

もう一つの衝撃的な出会い。身体表現と創作の一体化

川井 私は、台詞は一切なくて、この主役の女性を、音楽を奏でながら演じ、あとの人はすべて身体表現で演じるという舞台でした。もともとヴァイオリンを弾いていると、自然と自由に動いてしまうというのは昔からあったんですね。

松田 自然と?

川井 そうですね。それが始まりで、「こういう舞台に、主役をヴァイオリニストのあなたにしたいのだけど」というお話を頂いたのです。

福井 川井さんの作品は本当にテレビや映画はもちろんなのですが、フィギュアスケートの大会などでもよく耳にする機会が多いのですが、川井さんご自身はどう感じていらっしゃいますか?

川井 身体表現と自分の創作が密接に結びついていることをきっと、選ぶ人が感じてくださっているんだと思うんですね。

松田 絶対、そうですね。実際にお会いになってお話をするとか、交流はあるのですか?

川井 荒川静香さんとは何度か食事を一緒にしたり。

松田 そうですか。

川井 はい。すごく素敵な方です。羽生結弦選手は「ホワイト・レジェンド」という曲を使ってくださっているんです。それで、震災の直後のエキシビションで使われたあとに、「被災地の皆さんへ」というメッセージのときにまでも、使ってくださっているんですね。それで、手紙に「震災以降の自分のスケートの原点です」と頂きました。

松田 素敵ですね。

川井 「この曲に、悲しみから立ち上がろうとする人の心を感じるんです」って言ってくださって。だから、そういう場面で使ってくださっているみたいです。

(「ホワイト・レジェンド」を演奏)

出演者情報

  • 川井郁子
  • 1968年
  • 香川県
  • 東京藝術大学

企業情報

  • ヴァイオリニスト・作曲家
  • 放送日 2018.05.06

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