

千葉のモノづくり企業がなぜ海外でも成功した?ある専門メーカーの物語
下村特殊精工株式会社
代表取締役社長
安田 保馬
下村特殊精工株式会社は大同グループの「みがき棒鋼」と呼ばれる素材加工を専門に行う企業だ。70年以上に渡り、日本のモノづくりを支えてきた。代表取締役社長 安田 保馬は自社の技術をさらに高めながら、人材育成、現場の仕組みづくりなどの改革を進める。自社だけでなくお互いが「補完」しあいながら成長するという、安田の成長戦略に迫る。
ドーキンズ私は今、千葉県にあります下村特殊精工の松尾工場に来ています。どのようにものづくりが行われているのか拝見したいと思います。
こちらの松尾工場では高品質の製品を製造するため、生産ライン化、品質保証体制などにこだわり、業務を行っている。
(インタビュー:松尾工場 工場長 清宮 光さん)
ドーキンズこちらの松尾工場ではどんなものを作っていらっしゃるんですか?
清宮コイル製品をみがき棒鋼と呼ばれるバーにして、製品化する工場です。こちらに見えるコンバインドマシンから早速ご案内させていただきます。
ドーキンズ束になっているんですね。
清宮そうですね。素材は全てコイル状になっている。そういう材料ですね。
ドーキンズこれがセットされて、あちらに行くんですか?
清宮機械で引っ張られて加工されていくという、そういう工程です。ついては重要な部分のご説明をいたします。今日は特別に蓋を開けますけど、こちら、引き抜き工程といいまして、ここに金型ダイスというのが入っておりまして、この機械がここで掴みに行って引っ張る、という工程ですね。(部品を持って説明する)
清宮こちらに、穴が空いている金型というものがありまして、通しまして、こちらのサイズ(通す前)よりもこちらのサイズ(通した後)のが細くなる。まっすぐにして寸法精度を上げていくという、一番重要な部分になっています。
引き抜きという工程を経て、粗矯正、切断、中矯正、本矯正が終わって一本のみがき棒鋼が出来上がってくるという、そういう機械ですね。
ドーキンズまっすぐですね!
清宮そうですね。
みがき棒鋼は、お客様の要望に応じて、寸法精度や表面性状、耐久性を高めるための加工を施し、製品化している。
清宮こちらは引き抜き加工の最終工程です。チップブランクというものを作っています。チップブランクっていうのはボールペンの先になるチップですね。
ドーキンズあの本当に小さいあの先の部分ですよね?
清宮そうです。小さいもので、精密な機械を使って加工している。そういう工程になります。
松尾工場では、高品質の製品づくりを目指す一方、安心安全な物づくりはもちろんのこと、環境対策などにも取り組んでいるという。
清宮品質改善、そして環境への配慮ということでいろいろ活動しております。環境対策ということでいいますと、当社は太陽光発電。省エネ活動はLED化とかCO2の削減に繋がるような、そういう活動をしております。そして、現在は自社開発で品質保証機器の開発に取り組んでおります。
下村特殊精工では伝統的に男性の技術者が多かったが、近年は女性技術者の採用にも力を入れているという。
(インタビュー:技術部 生産技術課 安堂 みゆきさん)
安堂まずこの会社を知ったのが大学の先生の紹介で知りました。実際にこの会社に工場見学に来て独自開発に私も携わりたいなと思いまして、この会社を選びました。こういった職場は男性が多いので、ちゃんとやってけるかな?という不安はあったんですけれども、でも実際に入ってみると本当に男女問わず同じような仕事をさせてもらえる、というありがたさと、自分の志望動機にありました追加検査装置に関する業務に今現在携われているので、そういった点に感謝しています。
まだ自分で特許というものを取っていないので、特許が取れるような、会社に役立つような検査装置だったり機器を開発していきたいなと思っております。
出演者情報
企業情報
関連コンテンツ
カテゴリー別特集
リンク