サービスで「絆」を紡ぐ。
130年の歴史を持つ運輸業界の老舗を支えてきた精神


鴻池運輸株式会社
代表取締役兼社長執行役員
鴻池 忠彦

特選インタビュー

鴻池運輸株式会社は1880年に創業し、130年を超える歴史を持つ運輸業界の老舗企業だ。しかし、「運輸」という名前がついているにもかかわらず、運輸事業は全体の売上の半分でしかない。創業家4代目にあたる代表取締役兼社長執行役員 鴻池忠彦にこれまで鴻池グループがいかにして発展してきたのか、そしてこれからどのように進化していくのかを語ってもらった。

差別化

宮川 他社との差別化といいますか、優位性というのはどういうふうに保とうとしていらっしゃるんですか?

鴻池 我々の強みっていうのは実はバンドリングでして、これは元神戸大学の加護野先生っていう方が提唱しておらえる考え方で、いろんなものを組み合わせていく、いろいろなサービスを組み合わせていくっていうことです。
例えば我々は倉庫で商品を保管しておりますけれども、その商品を保管することだけですと、いろいろな同業他社がおられて価格競争に巻き込まれる。しかし、我々は倉庫に入っているものを、流通加工といいまして、それをお中元用とかお歳暮用のギフトに仕立て上げる、というサービスのご提供しているんです。
ですから、そちらの方の利益を上げることができれば、倉庫で保管する保管料の方は他社よりも安く受注しても、全体では流通加工のところで挙げる利益でそれを補うことができますので、それが我々の強みだという風に思っています。

宮川 いろいろな機能を合わせて利益を出すということですね?

鴻池 そうですね。いま一つだけの例で申し上げましたが、いろんな組み合わせを我々が提供をさせていただいております。そのバンドリングすることが、我々がいろんな事業でご提供しているからこそできる、我々の強みだというふうに思っております。

テクノロジーを持った人 ロボット化

宮川 この業界にとって、今の自動化ですとか、ロボットですね。それからIoTとかいろいろありますが、これはどういうふうな影響を及ぼすものでしょうか?

鴻池 我々はこれまでその機械を製造工場の中で製造設備を「動かす人」として我々がその役割を果たしてきたんですけれども、これから人不足によって製造メーカー様の工場の中でも生産革命、機械化、ロボット化、省力化というのはどんどん進んでいくと思うんですが、たとえそういう時代になったとしても、ロボット・AIを動かすのはやはり人ですから、そういった人が必要です。
私たちは、今度は今までは製造設備を動かす人を提供させていただいていますが、これからはロボットを使って動かす人、そういうテクノロジーを持ったプロフェッショナル集団になりたいというふうに考えております。

宮川 しかしその一方で職人集団であるということも、やっぱり基本にあるということですね?

鴻池 そうですね。我々はモノづくりの職人ですから。モノづくりにはこだわる一方で、そういった近代的な技術も取り入れながら、それは直接、今までは現場で自分の手でいろいろ加工というか、なにか付け加えていたと思うんですが、それはロボットを使ってそういうことをやるようになるかもしれません。それでも職人の時にやっていたのと同じようなこだわりを持って、ロボットの操作、AIの操作をやっていかなければいけないというふうに思います。

130年を超える歴史の中で培ってきたノウハウを複合的に活用して新しいソリューションを生み出す。それが鴻池グループ最大の強み。

138年 老舗企業のトップとして

坪井 100年を超える老舗企業のトップに立つというのは相当なプレッシャーだろうなと思うんですが、その辺りはいかがでしたか?

鴻池 私ちょうど4代目に当たります。私の先代の3代目から事業を引き継いだときには非常に大きなプレッシャーがありました。この次の5代目に渡すときに私が引き継いだもの以上のものにして次の代に渡したい。でなければ、私の存在意義がない。私のときに縮小してしまったとか、小さくなってしまった、価値が下がったと言われたくないのです。私自身は胸を張って次の代に、俺はこれだけのことを一生懸命頑張ってやったぞっていう証を残して、次の5代目に渡したいなというふうに思います。

ブランディング 鴻池ブランド

宮川 お話を伺っていますとその現場で次々に新しいビジネスを考えられたりと、なんかその辺にこの鴻池精神みたいなものがあるような気がするんですけれども、そういった意識の共有というのはみなさんどうされているんですか?

鴻池 社員の現場で働いている人たち、または管理部門で働いている人たちにヒアリングをしまして、皆さんが普段からやっている仕事を文章にして取り組み始めたところです。

2018年鴻池グループはブランドプロミスをまとめた。人と絆を大切にし、新たな価値を創造していきたいという思いが込められている。

坪井 こういったブランドを意識されたきっかけは何かあったんでしょうか?

鴻池 2030年に向けてビジョンを作りまして、取り組みをしています。その際にやはり社内の結束力を強めるということが必要だったので、一番大事なのはやはり自分たちが元気になること。明るく元気に仕事に取り組めることで、元気を出すためにこういったブランドを作るということ。結束力を固めると同時に元気を出して頑張っていこうと。

宮川 それはブランド力を高めるということはご自身の会社だけではなくて、やはり周りの皆様に対してでしょうか?

鴻池 これを対外的にお客さまにまた社会に公言していくわけですから、特に我々はサービス業でございますので、サービス業は使ってみないとその価値がなかなかわかりにくい。普通のモノづくりの商品ですと、モノがあってそれである程度品定めというのはできると思うんですが、我々が物流のサービスっていうものは実際に使ってみないと分からないので、先にブランディングをして、鴻池のサービスなら間違いないから頼もうというふうに思っていただける。そういうことが必要だったんですね。

紡いだ歴史におごることなく、常に道を切り開くために、お客様とともに課題を解決し、新たな価値を提供する、それが鴻池グループの誇り。

出演者情報

  • 鴻池 忠彦
  • 1953年
  • 大阪府

企業情報

  • 鴻池運輸株式会社
  • 放送日 2018.08.19
  • 業種 
  • 海運・鉄道・空輸・陸運/物流・倉庫/サービス(その他)/ビル管理・メンテナンス
  • 所在地住所
  • 大阪市中央区伏見町4-3-9
  • 資本金
  • 1,710百万円
  • 従業員
  • 15,000名

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