人の癖の組み合わせで生産性が変わる。人事面から経営に付加価値を提案する。
株式会社経営人事パートナーズ
代表取締役社長
山極 毅
株式会社経営人事パートナーズは代表取締役社長 山極毅が独立・起業した経営コンサルタント会社だ。人の癖を見抜き、それを適切に配置することで組織としての生産性は格段に上がるという理論のもと、ロジカルな人事ソリューションを提供している。多くの企業で信頼と実績を積み重ねる山極が唱える、旧態依然とした日本の生産性の低さに歯止めをかける秘訣とは。
福井 人事改革を適切に行っていく上で、どういったことが必要だとお考えですか?
山極 人事ってまさに英語で言うと「ヒューマンリソース」。日本語だと「人」のことなんですけど、英語だと「資源」として扱われているわけです。つまり、一番大事な経営資源なわけです。日本の企業の平均ってだいたい売上高の10%を人件費で使っています。
10%毎年投資しているようなものなのです。その投資先について科学的なアプローチをされていないのは人事の問題でもあるけれども、同時に経営者の問題でもあるんじゃないかと。
蟹瀬 かつての日本企業だと、とにかく頑張れ頑張れと。それを一言ですべて済ましていたけれども、実際にはそういうものではないってことですよね?
山極 そうですねえ。
業務の特徴や社員の個性を把握し、適切な人間関係を構築することで企業の活性化を図る。それが山極が唱える生産性向上のための戦略人事。
福井 さて、山極社長のプロフィールを拝見いたしますと、大学卒業後、大手自動車メーカーに入社されていらっしゃいますよね?こちらではどのようなお仕事をされていらっしゃったんですか?
山極 最初の仕事はエンジン部品の設計だったんですね。それから全体の設計部にちょっと動いてみたり、その後、商品企画部っていうところに移動して最後に人事部に行きました。
50歳を過ぎて、いろいろ会社の中で育ててもらって、それで最後社会にもっと貢献するにはどうしたらいいのかなっていうのは、実はその人事の仕事をやりながらずっと考えていました。ある経営者との出会いが、その思いをさらに強くさせて、こういうノウハウをもっと日本の社会に広めて、日本全体を活性化できたらいいなっていうのはずっと思っていたんです。そのタイミングが来たのがちょうど2016年ということです。
福井 その経営者の方からどのような影響を受けられたんですか?
山極 その方は非常に良いものをとシンプルに捉え、かつ合理的に物事を進めていく方でした。日本の旧来の人事部って給与計算をしたりとか、異動の手続きをしたりだとかでした。その方は2つ言いました。1つは、全ての社員に付加価値をつけろ、ということともう1つは、人事は全部、経営の数値の数字で把握しろと言う2つの事を繰り返し、これしか言わなかったんです。
そういうのを通していく中で、「ああ、人事ってこうやって進めていくものなんだ」と、自分なりの土台ができた。そこの影響が一番大きいですね。
蟹瀬 そして2016年にこの経営人事パートナーズを設立されているわけですけども、これはどういった思いで起業されたんですか?
山極 ちょうどそのとき生産性だとか、国際競争力だとかそういう話がいろいろ出てきていましたので、いろんな企業のサポートができればいいかなと思って起業しました。
蟹瀬 日本の場合は生産性の低さっていうのは、あらゆる面からも批判されているわけですし、付加価値をどうやって付けていくのかっていう、これはもう業種に関わらず大きな課題ですよね?
山極 そうですね。はい。
経営者の一番の悩みが、会社が大きくなっていくともう個人個人を見ていくことができなくなるわけなんですよね。人事制度で人を動かすことはできるんですけど、その人の能力を100%引き出すっていう部分についてはちょっとまだ足りない部分があるので、そういうところが経営者共通の悩みということは感じます。個人の癖だとか、チームの生産性を高めるっていうのを、科学的に捉えて地道に繰り返すしかないなと、時間をかけてやるってことが大事なんだと思います。
蟹瀬 山極さんからご覧になって、理想の形といいますか、あるいは理想の人事というのはどういう形ですかね?
山極 理想形はいろいろあると思うんですけれども、大事にしなきゃいけないのはやっぱり長期的な視点です。会社に就職して40年間会社にいるわけじゃないですか。でも社長の任期って長くても10年とかですよね?
蟹瀬 はい。そうですね。
山極 人事部って社長よりも長い視点で見なきゃいけないんです。そういう仕組みが作れるようになっていくと、より噛み合うんじゃないかなというふうに思います。
蟹瀬 社長よりも人事部の視点が長い目が必要だっていうのは面白い視点ですね。それはおそらく多くの企業があんまり気がついてないポイントでしょうね。
人に付加価値を付け、利益を生み出す組織をつくる。人を管理するのではなく、人を活用すること。それが企業の生産性を向上させるための攻めの人事。
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