“プリント生地なら北髙”までもう一歩。「生き残り」から「勝ち残り」へのチャレンジ。


北髙株式会社
代表取締役社長
髙山 茂也

賢者の進化論

大量生産による在庫過多からの転換
確立したブランド力と知名度のゆくえ

コットン素材を中心としたオリジナルプリント生地の企画、生産販売を行う北髙株式会社。2012年当時から現在まで、社会が変化していくなかで、トレンドをリードしていくオリジナルブランドの確立や海外を見据えた戦略など、あれからどうなったのだろうか。

オリジナル生地ブランド「アッシュ・ソレイユ」のコンセプトをリニューアルする一方、トレンドとは一線を画し、広く長く愛されるオリジナリティあふれる柄を追求してきた。

「8年前と大きな変化はなく、生地屋としてのブランドを確立していきたいという思いは変わりません。BtoCにおけるブランドとは少し違いますが、黒子の立場の生地屋として、BtoBで各アパレルメーカーや雑貨屋、製品メーカーなどに対して、一定のブランド価値の訴求や企業価値としてのブランド力が向上し、かなり浸透してきていると思います」

プリント生地の取り扱い比率はレディースよりもメンズのほうが多いという。

「ヨーロッパのプルミエール・ヴィジョンを足がかりとして、メンズアパレルの個性的なラインに比較的浸透しています。新商品は毎シーズン、春夏・秋冬の大きく分けて年間2シーズン出しています。当時は、会社の売上を上げていくという目標を掲げ、当時流行った柄パンツのチノストレッチが大ヒットし、売上も伸びました。その後、エクスポテックスという貿易会社をM&Aを経て統合し、マーケットシェアも拡がり、知名度も上がっていきました」

 
近年、世界的に注目されているSDGsの取り組みが、アパレル・繊維業界に厳しい逆風となっていると言われている中、企業の体質改善も課題になってきているという。

「ここ5年は売上もピークアウトしてきており、業界では、生産過多による過剰在庫が経営を圧迫する流れになっているので、弊社も利益の中身を精査し、キャッシュフローを改善していきながら、オリジナリティを追求していくような方向へ転換してきました。マーケットの浸透度や弊社の商品の占有率などを見据えつつ、改善点の洗い出しとキャッシュフローの見直しに取り組んでいます。これまでアクセルを踏んできた分、ブレーキの使い方を学びつつあるところです」

コロナ禍によって観光業や飲食業などに甚大な影響を与えつつあるが、アパレル・繊維業界も対岸の火事ではないという。

「2020年は最悪ではないかと思います。特に百貨店のアパレルに関連するところは大打撃を受けています。名門のレナウンが経営破綻し、ワールド、オンワード樫山、TSIホールディングス、三陽商会などを合わせた千数百店舗がなくなる、となると業界的なインパクトは大きいです。人員削減もアルバイトの人数を合わせれば、相当数になり全体としてシュリンクしていく方向にあります」

実はアパレル・繊維業界はコロナ禍の影響以前からSDGsにおける環境問題で、生産したアパレルの3~4割が廃棄処分になっているという批判から、改善を求められ、厳しい状況だったという。一方で、コロナ禍において、デジタル化に活路を見出しているところもある。

「ネットに力を入れているところは、まだ業績は良いですが、インターネットの普及率を考えると、ネットがアパレルを後押ししているかというと、それほどでもないと感じています。売上のシェアが現状12~13%で頭打ちしており、このまま20~30%に伸びるかどうか。SDGsの観点からアパレルが悪者扱いされていることがとても残念で、その風潮によって生産を控え、需要が減り、そうなると供給も減るというスパイラルに陥ってしまいます」

問われる企画力・営業力、そして生産管理能力
SDGsの逆風、そしてコロナ禍における競争と淘汰の未来

同社が数年前から取り組んでいることとして、企画力・営業力、そして生産管理力が挙げられる。在庫を抱える商売にとって、非常に難題な取り組みだが、在庫があるがゆえに、お客様が欲しいものを欲しい時に欲しいだけ提供する強みがあるという。

「基本的には、企画力や営業力や生産管理能力の向上によって、仕入れと在庫管理をしっかりやり、利益の源泉とします。ある程度の在庫は仕方ないが、余った在庫を処分する時に見切り損が出てくるので、これをいかに減らすか。作りすぎない、仕入れすぎないという基本を追求し、売上拡大路線から収益改善路線へ転換してきました。売上拡大時期にある程度まで認知度を上げ、占有率も上げていった結果、『プリント生地といえば北髙』と言われるところまで近づいて来ました。『生き残り』を『勝ち残り』にしていくために、存在感をしっかりと発揮し、企画と営業を強化し、販売シェアを拡げていきたいです」

BtoB向けのマッチングサイトへの取り組みやデジタル化への取り組みも進めていきたいという。

「計画生産に対して慎重になってきています。生産管理能力を上げ、収益改善を行っていき、収益体質、財務体質を良くする。そして、リアルな取引より弱い部分があるのはどうしても否めないが、BtoB対応のデジタル武装も始めていかなければなりません。ちょうど弊社のホームページもリニューアルしたばかりで、このような取り組みは時差がある海外に対して非常に有効です。3年前、プルミエール・ヴィジョンがBtoBのマッチングサイト「マーケット・プレイス」を稼働させ、弊社も参画しました。同様に昨年より国内においてもBtoBマッチングサイト2箇所と契約し、そのうちの1つである”テキスタイルネット”は現在稼働しており、もう1つの”FABLY”は2021年1月後半から稼働が開始されました。」

海外市場も視野に入れ、会社として、きちんと評価されるような堅実な取り組みを行っている同社。「ここは面白い生地をやっている」という評価を得るため、新商品開発の投資も、より精査して良いものを提案していく。そして、日本の技術ある生産業者を守っていくこと。BtoBの強みでもある連携によってお客様の利便性を上げ、良い生地を提供しトレンドを発信し、オリジナリティの発信をし続けることを目標に、引き続き挑戦は続く。

出演者情報

  • 髙山 茂也

企業情報

  • 北髙株式会社
  • 公開日 2021.02.04

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