切り拓いた宅配ロッカー事業にネット通販の追い風 各種シェアリングサービスで用途拡大も図る


株式会社フルタイムシステム
代表取締役
原 幸一郎

賢者の進化論

放送15周年の特別インタビューとして、これまでに「賢者の選択」にご出演いただいた方々に、時代や環境変化への対応や展望についてお話しを伺いました。
(株式会社フルタイムシステム 代表取締役 原 幸一郎:賢者の選択ご出演 2006年6月、2010年8月放送)

ネットショッピングの隆盛で宅配ロッカーが人気
ロッカーのある賃貸マンションは物件選択時にも有利

宅配ロッカーのリーティングカンパニーとして業界を牽引し、24時間の通信管理(遠隔管理)で高いシェアを誇る株式会社フルタイムシステム。先見性の高い事業展開を社会の変化が後押しし、業績を大きく拡大している。

「一番の変化は物流です。インターネットを利用した通信販売で宅配物の量が圧倒的に増えました。当社は24時間の管理体制を敷いています。ロッカーが満杯になると管理センターで状況が把握できるのですが、約4年前から、毎月満杯になってきたのです。これは極端な伸びでした」

ロッカーの設置数は、管理会社などと居住者の在宅状況を調査して決められるのだという。

「事業開始当初は、分譲マンションにお住まいの1/3の方が部屋におられ、1/3の方がときどきおられ、1/3の方がおられないという調査結果が出ていました。そこで住戸数に対して1/3の量のロッカーを作りました。当社では、24時間体制で管理することで、なかなか荷物をお出しにならないお客様にはメールや音声、はがきでお知らせするサービスが可能になり、デベロッパー様からはロッカーの数は10%~15%でも十分というご判断をいただいていたのです」

ところが、ネットショッピングの増加で、従来の数では足りなくなり、ロッカーの設置台数を増やす傾向になったのだという。さらに先頃、住居やビル、病院など、どの施設でもロッカーは容積の対象から減らすこととなり、設置条件が整った。

「はやり最大の動きは、インターネットショッピングの隆盛により、宅配ロッカーの設置に急激な追い風が発生したことです。これと同時に賃貸マンションの市場も生まれました。従来は分譲マンションが中心で、賃貸向けにはあまり需要がなかったのですが、急に需要が高まり、現在では不動産会社の物件検索時にも、ロッカーの有無が住居選びのポイントになっています」
これまで設置していなかった賃貸マンションにロッカーを設置することで、入居率が高まるという数字が出ているのだという。

カーシェアリング、シェアサイクルなどにも活用
分譲だけでなく賃貸マンションの潜在需要に大きな期待


「宅配利用だけではありません。時代が変わりつつあります。レンタカーのサービスにも、自動車会社と提携してロッカーを鍵の置き場所に使うことで、利用者はムダなレンタル時間を削減することができます。カーシェアリングにEV車輌を採用することで、防災時にはマンションの非常電源として、車輌のバッテリーを携帯電話の充電などに使うことが可能です。また、シェアサイクルではロッカー内で充電することで、充電済みバッテリー量の多いものから順にレンタルできる仕組みを作りました。バッテリーがカギの代わりになり、ロッカーに戻すことで充電が始まります。マンションの駐輪場は自転車であふれていますが、シェアサイクルを導入することで景観や共有スペースを削減することが可能です」

同社の事業は、労働職不足が深刻化する物流サービス業界において再配達を減らし、CO2の削減にも大きく貢献している。

「ここに来て一気に時代が追いついてきたという状況です。賃貸の市場はまだ始まったばかりで、未開拓の大きな潜在需要があります」

今後は宅配の荷物などモノを補完するだけでなく、ロッカーを利用したシェアリングサービスの展開や24時間通信管理を活用した非接触ICセキュリティシステムや決済システムの導入などその用途は大きく広がっていく。

出演者情報

  • 原 幸一郎

企業情報

  • 株式会社フルタイムシステム
  • 公開日 2018.12.11

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