失敗を恐れず自ら考え自ら行動する日本の付加価値を引き出すシェフラージャパンの挑戦


シェフラージャパン株式会社
代表取締役 マネージング・ディレクター
田中 昌一

賢者の進化論

自動車のグローバルマーケットとその未来
ベアリング技術を生かした燃料電池システム『バイポーラプレート』

株式会社イナベアリングとエフ・エー・ジー・ジャパン株式会社が合併し、2006年に設立されたシェフラージャパン株式会社。自動車事業や産業機械事業を展開するグローバル企業の日本法人である。社員数も2013年と比べると3倍近くになり、これまで設備投資も積極的に行われてきた。

シェフラーグループとして米国や中国、欧州での売り上げも伸びているが、世界中にある拠点の中でも日本は重要視されているという。

「日本に法人を置くことで、日本のお客様には安心感を持ってお取引頂いていると思います。日本語が通じることで、弊社のパーツに関する検査や原因究明の対応がスピーディに行われていますので、そのレスポンスの早さは一つの付加価値として非常に大きいと思います」

自動車業界のグローバルマーケット自体は堅調で、東南アジアがその勢いを牽引しているという。アジアマーケットが活性化する中、同社はその競争に打ち勝つべく、人材育成にも積極的に取り組んでいる。

「弊社は人材育成に関してもオンラインで育成クラスを用意するなど非常に充実しています。オンラインでは伝わらない部分もあるので、現地での経験は重要視していますが、現在、コロナの影響で海外拠点への移動が難しいため、その方法を模索している最中です」

自動車業界におけるアジアマーケットと日本が抱える課題に苦労しているという。

「グローバルマーケットは今でも伸びていますが、その主な国は東南アジアやインドや中国です。ただ昔のように、我々のマーケットで使い古した技術を新興国に持っていけば通用する時代ではありません。また、カリフォルニア州では2035年までに、内燃機関搭載の新車販売を禁止することとなるなど、業界全体として今後進むべき方向は混沌としています。燃料の供給源が電動化していけば、その国で作られている電気が何であるかという問題にも繋がります。例えば、中国の工場で電動自動車を作ると、完成するまでにCO2が逆に増えてしまうという問題もあり、各企業も苦労していますし、脱炭素を掲げる日本も同様の課題を抱えています」

Energy Chain

ただ、シェフラーは自動車以外にも産業機械事業も展開している。再生可能エネルギーとして風力発電も自然エネルギーの一つでもあるが、風車を回すベアリング技術は得意とする分野だ。

「弊社のベアリングやスタンピングの技術から、燃料電池用の『バイポーラプレート』というプレートを開発しました。燃料電池の中に入っている薄い金属のプレートの間を、水素と酸素を交互に通すことによって、電気を作る技術です。
 
 

Fuel Cell Stack (燃料電池スタック)

 
弊社のプレートをモジュール化していき、燃料電池を作りたいと考えていますが、かなり時間がかかるプロジェクトなので、まずはプレートをモジュール製造メーカーに売り込んでいます」

産業全体の変化のスピードが早く、自社で全てを製造する間に後れを取ってしまう。なので、各社が得意とする良い部分を結集し、早くマーケットにソリューションを提示すべく努力しているという。

「日本は20年間ハイブリッド車を製造している国であり、ポテンシャルは非常に高いので、その日本の強みと弊社の強みを合わせて良い物ができないかと常に模索しています。また、ロボティックスの分野でも、弊社のギアリダクション技術を活かせると考えています。
 

Multimode Hybrid Transmission
(マルチモードハイブリッドトランスミッション)

ロボットの手や腕のジョイント部分に弊社のギアを噛ませることで生卵を潰すことなく、スローにソフトに掴むことが可能になります。ロボットのマーケットは中国を入れて約8割はこのアジアにあり、OEMとして共同でソリューションを提供していきたいと考えています」

さらに同社は『インダストリー4.0』という、製造業におけるオートメーション化やデータ化、コンピュータ化において貢献していきたいという。

「『インダストリー4.0』は『繋がる工場』とも言われ、『スマートファクトリー』としてネットワーク化して管理し、生産や流通のコスト削減や生産性の向上を目指すもので、弊社はそのセンサーやモニタリング技術にも力を入れているので、定期検査やモニタリングのスマート化に貢献していきたいと考えています。実際に現在、韓国の工場ではモデル工場が稼働していますので、今後、5Gが進めば、データ通信量も増え、『繋がる工場』は加速すると考えています」

日本特有の受け身体質からの脱却
問題解決型チームで付加価値を創造する

産業全体の動向やニーズの方向性はある程度見えていて、不可逆であり、今は過渡期だという。常にアンテナを張り、危機感を持って思考し、その変化の先を行きたいという。

「現在、クロスファンクショナルチームを立ち上げ、会社を変えていくために若い有志社員に参画してもらっています。コスト競争では、東南アジアが力をつけており、このままではコスト高の日本人は外国人に置き換わってしまうという危機感を持っています。日本は自動車やロボットにおける大きなマーケットがあり、あとは我々がどのようにパフォーマンスを上げ、付加価値を高めていくのか、そのために変化しなければなりません。指示を待っているだけでは何も為さず、自分の身近でできることからやっていくことが肝要です。『変化できるものになるためには、自分から変化しないといけない』のです」

コロナは同社にとって、現在抱えている問題に対応すべくうまく作用したという。

「コロナによって、社内一丸となって、それぞれが抱えている問題に対して、自分で気づき、自分で考え、自分から行動するようになり、コストマネージメントがかなり良くなってきています。コロナのようなイレギュラーな時こそ、ロジックを通した上で失敗を恐れずトライ&エラーを繰り返していく姿勢が大事なのです」

部品のみならずトータルシステムのノウハウも持ち併せている同社は、デジタル化の流れに対して、試作段階のコスト削減や時間短縮に貢献できるという。「コンピュータのモデリングを机上で行うことができ、製造の初期段階からサプライベースとパートナーを組み、一緒に最良のものを短期間で作っていきたい」と話す田中代表。これからは数字を達成するパフォーマンスだけではなく、どのように達成するのかというポテンシャルが問われてくる時代だという。同社は自主性や積極性やフレキシブルな思考を楽しめる人材を求めている。ぜひ、興味関心のある方はお問い合わせいただきたい。

出演者情報

  • 田中 昌一

企業情報

  • シェフラージャパン株式会社
  • 公開日 2021.02.08

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