BUSINESS FLASH
「大阪に福を呼ぶ大福」を新しい大阪の名物和菓子にしようというプロジェクトが10月1日スタートする。
大阪府下の和菓子店の若手経営者約110人でつくる「大阪府生菓子青年クラブ」の取り組みだ。
「京セラドーム大阪」で10月1日と2日に開催される同クラブの50周年記念イベント「和菓子 de おおさか」で、さっそく〝名物候補〟の7種類の大福がデビューする。
松田➖➖大阪の和菓子と聞いてピンとくるものがありません。新大阪駅や伊丹空港の土産物店に置いてあるのは、京都の和菓子と神戸の洋菓子ばかり。それが悔しくて。
と同クラブの広報を担当する松田明さん(40)。
松田さんは大阪府羽曳野市で和菓子店「あん庵」を経営している。
松田➖➖大阪府下の和菓子業界全体が活性化することが、うちの店の繁栄につながるんです」と積極的にクラブの活動に取り組んできた。
「大阪に福を呼ぶ大福」の名称は、和菓子の代名詞といっていい「大福」で大阪を元気にしたいという思いを、大阪にひっかけてつけた。
松田➖➖大福が嫌いだという人は少ないし、大福ならどの店でも作れます。それに店ごとに特徴を出すこともできます。『大阪に福を呼ぶ大福』のフレーズは、きっと大阪人に受け入れられると思いますよ。
しかし、ここまでくるには長い時間がかかった。
それぞれが伝統と味を誇る和菓子店約110店舗の意思を統一することがまず一筋縄ではいかない。業界を支えてきた高齢な〝重鎮〟を、若手経営者が説得するのも一苦労だった。
松田さんは仲間の中西真治さん(40)、出口勝正さん(39)らとともにじわじわと〝慎重〟にせまった。専門家のアドバイスを受けるため中小企業基盤整備機構にも通った。
松田➖➖最も壁になったのは、長い間和菓子業界の〝掟〟だった『業界活動で儲けてはいけない』という考え方でした。
という。
それを「みんなで儲ける仕組みを考えよう」というふうに方向転換できたとき、プロジェクトが動き出したという。
松田➖➖これからは業界をあげて『儲かる仕組み』を考えていこうと思っています。
昨年、高校生や専門学校生を対象にした「和菓子甲子園」も始めた。
2回目となる今年は「大阪に福を呼ぶ大福」をテーマに参加者を募ったところ、昨年の1・5倍の約100人が参加。みたらしをかけた大福がグランプリに輝いた。
松田➖➖高校生たちが考えてくれた大福に私たちプロが手を入れて、大阪府下の和菓子店でいっせいに発売する予定です。もちろん『和菓子 de おおさか』にも出品しますよ。
果たしてお客さんの反響はいかに。1日が楽しみである。
企業情報
- 公開日 2011.09.23
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