苦痛の先には楽しさが待っている「NO FUN NO GAIN!」の真髄とは?!
タリーズコーヒージャパン株式会社
代表取締役社長
松田 公太
タリーズコーヒージャパン株式会社(タリーズインターナショナルファウンダー)、エッグスンシングスインターナショナル代表、松田公太氏。タリーズコーヒーを全国に約300店舗展開する一大コーヒーチェーン店に育て上げた松田は、新たな職のビジネスに意欲を傾けている。世界をつなぐ架け橋となるべく松田が考える次なる展開は?
蟹瀬なんか危ないとかね、後は不衛生だとか。いろんなことを言われましたよね。
松田実際、父が医療会社に勤めていまして、しょっちゅう自宅では刺身を食べていたんですね。それを友達とかに馬鹿にされて育ったものですから、海外でですね。それを悔しいと思ったのと同時に、こんなに美味しい刺身とか日本食というものを、逆に食べてもらいたいなという気持ちが非常に強くなってですね。将来は、食を通じていろいろな仕事をしていきたいなと思ったんですね。
蟹瀬かえって、日本の中にいると日本の良さって分からないことがあるんですよね。特に、食べ物はそうだと思います。海外出た時に初めて日本の食べ物ってこんなに美味しかったのかと……。
松田その通りですね。
蟹瀬感動しますよね。
松田その通りですよね。シンガポールに私は、この2年言っていたのですがシンガポールに社員を何名か連れていったんですね。一緒に仕事をしていたんですけれども、この前何人か戻しまして、その何名かが日本でエッグスンシングスで仕事をしているのですが、彼らと日本に降り立って最初にしたことが、コンビニに寄っておにぎりを食べたんですね。その後、二人が大感動していまして、やっぱり日本のご飯が美味しいと。
蟹瀬お米が?
松田お米だと。お米が美味しいと。コンビニのおにぎりでもそのくらい感じますから、非常に日本の食べ物というのは、素晴らしいと思いますね。
蟹瀬これからの、たぶん展開っていうのは松田さんの頭の中にあって、ある種の戦略っていうのは描かれていると思うのですけれども、宜しければちょっとお話いただけますか?
松田エッグスンシングスのっていうことですか?先ほどもお話しましたが、とにかく文化を少し変えていきたいというふうに思っておりますので、先ほどもVTRで出ましたけれども量が多く見えて、皆さんリアクションされるんですけれども、あのぐらい朝からガッツリ食べていただいてですね、1日を元気よく乗り越えていただきたいというふうに思いますので、そこにこだわっていきたいなと思いますね。また、パンケーキのはですね、私自身も300回くらい試食して、特にこだわって良いものが出来たと思っておりますので。実は、量は多そうに見えるのですが意外と軽く食べられてしまうんですね。ですから、お一人でもパンケーキを5枚あるんですけれども一皿で。それを召し上がっていただくというふうに考えておりますので。
蟹瀬そうなのですね。
松田レセプションいらっしゃらなかったので、是非お店に来ていただいてお待ちしております。
蟹瀬やはり、海外を主に松田さんはやられるということですよね? そうすると海外展開と言った時に、どのエリアに集中をして、注目をしてやっていこうというのは何かあるのですか?
松田やはり、あの2年前にですね。シンガポールに私のビジネスの拠点を作ったのですけれども、今後もやはりシンガポール経由でアジア展開をしていきたいなと思っていますね。
蟹瀬何故シンガポールなのですか?
松田はい。いろんな理由があったんですけれども。
松田のシンガポールにかける思い、そして、新たな戦略とは。赤道直下に位置する、今や世界有数の都市国家であるシンガポールは、また、複合民族国家でもある。日本のファーストフード店も多数進出しているこのシンガポールは、食のビジネスの恰好の試金石となる都市だ。
松田いろんな理由があったのですけれども、一つは地の利ですよね。ロケーション的にアジア展開するには、一番良い場所だなと。ハブ的な部分もありますので、良いと思いました。もう一つは、政府の方々が非常に積極的に誘致活動を、私のところに来ていただきまして、是非あの次のビジネスはシンガポールで始めてくださいというふうに仰っていただいて、それであのいろんな条件もメリットの部分もいただいたので、そのようにさせていただきました。実際、私がタリーズコーヒージャパンをやっていた頃から、ちょくちょく政府の方々がいらっしゃっていて、次の展開は是非シンガポールでということをずっと言われていたんですね。非常に政府の方々が営業マンチックなんですけれども、非常に積極的なんですよ。シンガポールは。
蟹瀬シンガポールは、ビジネス、ファイナンスで栄えた国というか一つの都市のような国家ですけどね。
松田そうですね。
蟹瀬いろんな社会的には規制が厳しいところもありますよね。
松田そうですね。
蟹瀬そういうのは、あまり問題にはならないのですか?
松田ルールが確かに厳しいところがあるんですね。ただシンガポールは、いろんな人種の方々が集まっていて、またいろんな宗教の方々も集まっているんですね。ですから、いろんな方々が集まって上手く非常に回っている国だなと感じているんです。ですからタリーズコーヒーもアジア展開の1号店をシンガポールに作ったのですが、現状は5号店になっているんですけれども。例えば、ヒンドゥー教徒の方もいらっしゃれば、イスラム教徒のかたもいらっしゃいますし、キリスト教徒の方もいらっしゃいます。仏教徒のかたもいらっしゃいます。そういう方々全員シンガポールでタリーズを経験されて良いという風に感じていただければ、いろんな周辺諸国に持って行きやすいんですね。というのは、やはり宗教によっていろんな様々な壁があったりしまして、日本ではそれをあまり意識せずにお店を運営できるのですが、シンガポールではそれを意識しながらやっていかなければならないんですね。そうしないと受け入れられませんから、ですからそういった意味でのテストマーケティング的な意味も、シンガポールは最高に良いところです。
蟹瀬それをやるには最適な場所だということですか?
松田そうなんです。
蟹瀬消費者の方というか、買いに来るお客さんの質っていうのも、ある意味ではバラエティあるだけではなくて、割とレベルが高いんですよね。シンガポールの場合はね。
松田本当に、東南アジアの中では、最もメトロポリタンな街だと思いますね。
蟹瀬今後の出店計画と言いますか、それはどういうようなビジョンなのですか?
松田やはり、あのシンガポールはマーケットとしては小さいんですね。人口も500万人足らずですし、本当に横浜よりちょっと大きくなったくらいの間隔だなと思っているんですね。シンガポールでは。ですからタリーズに関してもマックスで20店舗くらいかなというふうに思うんですね。その他の業態に関しても、だいたいワンチェーンでですね、20店舗、30店舗が限度じゃないかなと。ただそこを皮切りに、周辺諸国にどんどん展開できますのでトータルで東南アジア、アジアを含めれば、そこで成功したコンセプトは何百店舗にも出来るというふうに思っているんですね。
蟹瀬欧米の人たちに、僕は特に偏見があるわけじゃないんだけれども、欧米の人たちアメリカの人が強く持って行くのと、それからやっぱり松田さんていうアジアの心があって、そして欧米の経験もされ、アフリカの経験までされているわけですけれども。そういう方がトップになって持って行くというのは、差は出てくるでしょうね。
松田そうですね。実は、シンガポールのタリーズは、ライセンシーの方にやっていただいているのですけれども。あのシンガポールの国のタリーズに関する権利を取られた方々とやっているのですが、そこの部分はですね、非常によく言っていただきましたね。アメリカから直だとちょっと心配だったけれども、逆にその同じアジアグループの公太がやったブランドなので、非常に親しみを感じて是非やらせていただきたいと、お話をいただきましたね。
蟹瀬そういうのはアドバンテージですよね。ビジネス上の。
松田そうかもしれないですね。
蟹瀬それは是非、上手くやってもらいたいなという気はしますね。
松田ありがとうございます。
蟹瀬しかし、自動車を含めて新たなジャパンバッシング的なことも起きていて、なんかその辺のことは、お伺いになることはありますか?
松田はい。やはり、よく考えますね。というのは丁度80年代のですね。正しく今、仰られた自動車のバッシングの時、アメリカに居たんですね。本当に目の当たりにしたんです。
蟹瀬国会議員がハンマーで日本の車を殴ったりしていましたもんね、あの時は。
松田そうなんです。ちょうど私も高校生になる頃に自動車免許は16歳で取得できますから、車を買おうかなと思った時に、やはり周りの友達から「お前、日本の車を買うんだろう」ということを散々言われて、結果的にフォードのマスタングになってしまったんですが、当時安かったので、それしか中古車で買えなかったものですから。ただ、非常にあれだけ良いモノを作っているのに、何でこんなふうに言われなくてはいけないのだろうという気持ちが非常に強かったですね。最近もやはり、それに近い部分が出てきたなと思っておりまして、食に関して言ってもですね、これだけお寿司だったり食文化が広がってきて、いろんな部分で弊害が出てきてしまっているんじゃないかなという感じはします。例えば、お寿司のマグロをこう食べるようになりますから。最近、またマグロが問題になってきていますよね。
蟹瀬最近またね。規制がいろいろ、大西洋からひょっとしたら太平洋まで広がってくるかもしれないですね。
松田そこは非常に残念なのですが、ただ今は一つの過程じゃないかなと思っているんですね。自動車もそうだったのですが、初めはそういうバッシングがあって、ただその後、トヨタさんにしてもホンダさんにしても現地生産を始められて、現地の雇用も作られたりしてですね、非常に逆にウェルカムな形になったと思うのですが。マグロなんかに関しても最近、養殖の技術も非常に進んでいますし、今は皆さんマグロしかお寿司っていうと食べないんですね。シンガポールに行っても、例えば回転寿司に行っても回っているのが、マグロかサーモンばかりなんですよ。ですから需要が偏ってしまって、どんどん枯渇してきている部分があるかもしれませんが養殖技術が進んだり、いろんなそれ以外の魚を食べられるようになれば、また変わってくるんじゃないかなというふうに思いますけどね。
蟹瀬工業製品なんかと違って、やはり食事っていうのはどこに住んでいても、人間はするわけですから。食を通してお互いの心が通い合うと……。
松田本当その通りです。
蟹瀬こういうことが僕は大事なんじゃないかと思います。
松田本当その通りだと思います。例えば、私はインドに行ったりパキスタンに行ったりしているのですけれども、インドの方が最近、お寿司とか言うようになってきているんですね。数年前までは絶対に食べなかったですから。生の魚なんていうのはですね。そこを通じて日本の方々って、美味しいものを食べるよねってコミュニケーションがスムーズにいったりするんですよね。
出演者情報
企業情報
関連コンテンツ
カテゴリー別特集
リンク