4つのコア技術で世界と戦う!インフラ業界の巨人に学ぶ武器の活かし方
日工株式会社
代表取締役社長
辻 勝
日工株式会社は、コンクリートやアスファルト合材のプラント製造で国内トップシェアを誇る企業だ。戦後の日本のインフラ整備を支え続けてきた同社は、長年培ってきたコア技術を研鑽し、自社の強みにまで昇華、業界を牽引してきた。代表取締役社長 辻勝はさらなる発展を目指し、その視線を海外に向ける。辻が語る、コア技術を活かした事業戦略とは。
福井 様々な技術を取り入れることによって機器自体の性能がよくなるということは、逆になかなかプラントの入れ替えが減ってしまうということもあると思いますけれども。
辻 大きく様変わりしてきているのは、当然高度成長期に全国に行き渡って、行き渡った後に非常に長寿命化してましてね。当初は15年に1回ぐらい、プラントの建てかえという形のスタンスでやってたんですけど、最近景気の動向もあるんですけれども、30年を超える形でご利用いただけると。我々メーカーとしては大事に使っていただくっていうことで非常にありがたいんですけども。
蟹瀬 そうするとそこから利益をやっぱり上げていかなきゃいけないわけですね。どういうところに力入れてるんですか。
辻 25年前と今を比較しますと、当時のメンテナンスの売り上げパーセンテージって、30%ぐらいだったんですね。今現在、60%がメンテナンスなんですよ、
蟹瀬 倍になってる?
辻 倍になってます。
蟹瀬 そうするとお客さんとのコミュニケーションといいますか、技術も含めて、これがすごい重要になってくるわけですね。
辻 そうですね。私ども研修センターというのがうちの本社にございまして、私どものプラントを一番いい状態で使っていただきたい。機械知識、操作知識、そういったものを勉強に来ていただくというのを続けております。
こちらは本社内に設けられた研修センター。プラント現場の様々な機器の取り扱いから、最新の制御システムの習熟まで、およそ2週間かけてお客様に研修に行っているという。
(インタビュー:研修所 大塚 雄一さん)
福井 2週間しっかりやる意味というのは?
大塚 しっかりとこれからメンテするという意味の3、4年目の中堅の社員さんがよく来られるんですけども、日曜日だけお休みになりますので、その間生徒さんも大変だと思います。
実際に研修を受けたお客様にお話を聞いた。
お客様 メーカーさんが変わるとやっぱり使い方も変わってくるので。そこはご丁寧に説明してくださるので、よく勉強してすぐ実際に使えるようになりたいです。
蟹瀬 優れたコア技術というのをお持ちだと思うんですけれども、このコア技術を使っての新たな事業展開っていうのは、なんかいろいろやってらっしゃるんですか。
辻 そうですね。食品メーカーさんに納めたケースがあります。
蟹瀬 食品!?
辻 はい、佃煮の昆布ございますね、よくお惣菜で売ってる。あれにゴマをまぶすっていう作業があるらしいです。あれ暑い状況で手で作業されるんですけども、自動化したいよってお客さんがいて、いろんなミキサーでトライされたんですけど、1分ぐらい混ぜるとですね、ノリになっちゃう、崩れちゃう。
私どもが新しくいろんな業界で使えるミキサーを開発しようよってミキサーを試していただいたら、手でやるのと同じようにできたよということで、採用いただいたりとか。
蟹瀬 すごいですねぇ。
辻 それは嬉しかったですね。
福井 今後の展開はどのようにお考えですか。
辻 そうですね。インフラに関わるプラントですので、これからの町っていうことで今一番注力しているASEANですね。インドネシア、タイ、ベトナム、ASEAN地域で私どもの培った技術を展開していきたいなというふうに思っております。
日工株式会社 代表取締役社長 辻勝は、1960年、兵庫県で生まれる。大学院卒業後、造船会社を経て日工株式会社に入社。その後、2019年、代表取締役社長に就任。現在は日工のトップとして国内ナンバーワンからアジアでのリーディングカンパニーを目指して邁進している。そんな辻は、幼き日どんな夢を見ていたのだろうか。
辻 相撲取りになりたいなって思ったときも実はあります。体が大きかったんで、よく友達なんかと相撲取ったりしてたんですね。5人ぐらいかかっていても勝ったりするケースがあって。
蟹瀬 辻社長にとって、夢ってのはどんなものですか。
辻 できるだけ大きな対象、目標を定めてみんなで頑張る。これが夢で、小さな目標の集合体が大きな夢なんですよっていうような形を取っていきたいなというふうに思ってますし、今までもそういうふうにしてきた部分が多くあると思っておりますね。
あの頃に見た夢―夢とは、できるだけ大きな目標を掲げてみんなで頑張るもので、小さな目標の集合体が大きな夢になる。一人ひとりの思いが一つになったとき、きっと夢が叶う。
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