総合食品卸売業から食品メーカーへ 健康志向の時代にマッチした商品開発で更なる事業拡大を


株式会社アシストバルール
代表取締役
松原 靖雄

賢者の進化論

バジルシードドリンクでグランプリを受賞
ユニークな発想と柔軟な感性で商品をプロデュース

1992年総合食品卸マツバラとして創業、1994年アシストバルールを設立。以後、全国展開を果たし、商品ラインナップも拡充。2008年には京都大学と産学連携による業務提携を行い、業務の可視化(トランザクションの測定・分析)によるベンチャー経営支援の実証研究を行った。2014年「FOODEX JAPAN 2014」において「Sawasdee バジルシードドリンク ライチ」がグランプリを受賞。2017年、2018年にも同社商品が金賞銀賞を連続受賞した。

1994年設立当時と比べると、同社のスタンスは卸売業からメーカーに変わったという。

「12年前と比べると、現在弊社は卸売業というより、自社輸入を主とする工場を持たないメーカーとして、自社商品を作り、輸入し、販売する割合が大きくなっています。平たく言うと、商社からメーカーに変わったと言えるのではないでしょうか。「2014年3月に幕張メッセで行われた『FOODEX JAPAN 2014』で弊社商品『Sawasdee バジルシードドリンク ライチ』が『FOODEX美食女子アワード』のグランプリをいただいたことが契機となり販売数が伸びました。その結果、大手出版社から出版依頼を頂き、2016年に『アシストバルールの競争戦略~バジルシードドリンクはこうして生まれた~』を出版するに至りました」

卸売業からメーカーへ、比重の変化が結果としてマーケットや取引先にも変化を及ぼしているそうだ。

「現在は、全てを弊社がプロデュースし弊社のブランドとして展開しているので卸というよりはメーカーポジションに変わっていますし、取り扱い商品も7割ぐらいはメーカーとして自社輸入をして販売をおこなっています。また、主要な取引先は小売店であることに変わりはないものの、当時はディスカウントストアなどの一般的なスーパーの比率が大きく全国的に万遍なく取引させていただいていましたが、現在は、高級スーパーマーケットが販売先として多くなっており、エリアでいうと圧倒的に関東圏、東京の割合が増えました」

商品の大ヒットには女性スタッフや若い社員の力があるのだという。

「弊社の商品は美食女子と呼ばれるような女性に人気ですが、それは社内的にも女性の活躍がめざましく、商品開発などにも携わってもらっていることが影響しているのだと思います。若い人の感性で、別角度からの新しい視点で捉えたアイディアが次々と生まれてきています」

日本には世界各国の領事館があるが、商品を日本国内にどのように流通させればいいかというマーケットの知識は乏しい。そこにも同社商品のヒントがあるようだ。

「各国領事館からお声がけいただいた際は、同業他社が断るような商品でも前向きに検討させていただきます。商品を日本国内で販売したくて、流通ルートを持っていない等、そんな場合でも、こちらからアドバイスできることもありますし、いただいたご相談に対し、弊社のユニークな発想やセンスで対応できることも強みではないかと思っています」

バイタリティ溢れる若い力と女性の力
コロナ渦でもびくともしない三つのこだわり

設立以来営業スタイルは変わらないが、商品力も相まって取引先との信頼関係は無理なく築けるという。

「『電話営業』という営業スタイルは12年前からあまり変わっていません。強いて言うなら、販売する商品が変わっているだけです。商品開発や戦略など女性スタッフや若い社員に任せ、自由にやってもらっています。これまでの長いお付き合いの中で培った信頼関係に加えて、高級スーパーマーケットや大手コンビニエンスストアに弊社商品を置いていただいているということも、新規取引先の信頼を得る動機にもなっているかもしれません。業界内でも弊社は良い商品を扱っていると認知していただいていると思います」

メーカーとしての三つのこだわりのいずれか一つが欠けても売れないと松原社長はいう。

「基本的に、弊社の商品はナチュラルで健康的であることがベースにあり、加えて『ユニーク』で『ハイクオリティ』で『リーズナブル』であるという点が大事です。ここが一つでも欠けているとその商品は売れません。価格設定は重要で、仮に『ユニーク』で『ハイクオリティ』であっても高価であれば売れません。できるだけ多くの人に遍く弊社商品を楽しんでもらえるようにしたいので、その為の企業努力はしています」

卸売業からメーカーへの比重の変化はクレーム対応においても意識を変えたのかもしれない。

「お客様の信頼を得るために切っても切り離せない事がクレーム対応です。お客様のクレームは弊社への期待だと思っていますし、商品のファンの方からのご連絡だと思って対応しています。また中身を重視した本当に素晴らしい商品を提供することで、われわれの本気度が伝わるのではないかと思います」

同社は業績において、コロナの影響は受けていないという。しかも、リモート会議や出勤調整もスムーズに移行したという。

「ビジネス面に影響は受けていません。特に9月決算ではコロナの影響は見られませんでした。逆に言えば、コロナバブルもなく変わらず堅調で、昨年比で160%程度の伸び率なら、安定的な成長をしていると言えるのではないかと思います。また、そもそも電話営業主体でしたので、在宅勤務やリモートワークにスムーズに移行できましたし、現在では、社員が一日の目標を決め、仮に15時の時点で目標を達成したら帰宅してもよいことになっています」

同社の商品はとにかく中身重視で三つのこだわり「ハイクオリティ」「ユニーク」「リーズナブル」な商品をマーケットに届けることに尽きる。また、同社は従業員十数名という少数精鋭。自由闊達なパワーが生み出すオリジナル商品が多くの人の元に届く。同社がオンリーワン企業であることが結果としてさまざまなことに結びついていくというスタンスが素晴らしい。ユニークな発想とセンスを武器に、顧客の期待や商品のファンの声にこたえ続ける食品メーカーとして更なる事業拡大が期待される。

出演者情報

  • 松原 靖雄

企業情報

  • 株式会社アシストバルール
  • 公開日 2021.01.26

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