安心安全な社会を支える。
検査・計測・制御のプロフェッショナル集団の技術力。


株式会社IHI検査計測
代表取締役社長
柏﨑 昭宏

賢者の進化論

五輪に向けた多種多様なセキュリティ関連検査装置と
コロナ渦における体温計測機器リリースのスピーディな対応

1974年に石川島播磨重工業株式会社(現IHI)より検査部門が分離独立、石川島検査サービス株式会社としてスタート。その後、石川島計測サービス株式会社と合併し、石川島検査計測株式会社となる。また、IHIの電子機器事業部門や研究開発部門など、主にIHIにおける研究開発部門の分離・事業移管・統合などしながら、2008年に今の株式会社IHI検査計測に社名変更。2013年IHIエスキューブより制御システム事業の譲渡を受け、現在の体制になる。多様な業種に広範囲に検査・計測・制御の技術提供を行っているプロ集団である。

今やセキュリティは世界各国が抱える重要な課題とも言われる一方で、欧州には移民問題などがあるものの、世界的には人・物・情報などのグローバル化の流れは避けられない。国際化に伴う安全性の担保はどの国も喫緊の問題となっている。

「2015年以降の変化でいえば、セキュリティ事業分野においては、五輪を契機に伸びることは事前に分かっていましたので、セキュリティ関連検査機器を増やし、現在、多くの設備のラインナップを揃えております。弊社の『X線CTスキャナー』は、これまで2次元の仕様から3次元画像で瞬時に解析が可能になり、五輪後も需要が見込まれます。ハンディ金属探知機や爆発物検査装置など空港内でよく使われるものや、ボディスキャナ装置といって、空港等で旅客が爆発物や銃器、刃物等、持ち込み禁止物を所持していないかをミリ波で検査する機器なども提供しております」

2020年2月頃から徐々に感染拡大していったコロナ渦において、同社は4月には体温計測器をリリース。そのスピーディな対応は目を見張るものがあった。

異常体温スクリーニング FeverCheck

「弊社は『FeverCheck』という体温スクリーニング検査機器を2020年の4月に全速力でリリースしました。緊急事態宣言が解除され、各企業が自粛解禁となり、出社する機会が増えたタイミングに販売が間に合い、順調に販売を伸ばしました。弊社の製品は、AIによる顔認識システムを搭載しており、高速で顔全体の温度を計測するなど上位クラスの製品で、現在、キッザニア東京様や横浜市立大学付属病院様など含め、多くのお客さまで導入いただいております。」

また、IHIグループにいながら航空事業関連は遠い領域であったが、現在、この事業領域に深く参入するため様々なメニューを用意しているという。

「航空エンジン事業関連については、検査の自動化装置の研究開発をIHIと一緒に3年ほど続けています。航空機エンジンの部品を自動で検査し、駄目なものをはじくという仕組みです。また,航空機エンジンに使われる材料は複合材料が多くなってきましたが、弊社は金属に関しての試験は長年経験を積んできましたが、新しく複合材料に関しては規格から整備して取り組んでいます。エンジン事業分野では、初めてIHIの呉工場(航空機関連)に検査業務として参入しました。」

幅広い技術分野をカバーする製品・サービス
世の中のスピーディなサイクルにIHIも含めた人的・技術支援で対応

インフラ事業の老朽化問題もこの国が抱える重要な課題だ。2028年には橋梁の50%が耐用年数50年を迎えるという(国交省調べ)。そんな中、同社は、このインフラ事業分野にも意欲的だ。

携帯型渦電流探傷装置 Mobile EDDy

「インフラ事業分野はなかなかハードルが高いのですが、現在鋭意努力しているところです。弊社の『Mobile EDDy』という携帯型渦電流探傷装置は、対象物に渦状の電流を流し、対象物中のきずによる電流の乱れをセンサーにより感知することできずを検出する小型軽量装置で、金属の表面の塗膜を剥がさずにきずを感知します。他社にはない製品なので、今後もっと期待できると思います。また、『レーザークリア』はレーザーで金属の表面をきれいにする装置で、元々インフラ向けに作ったわけではありませんが、現在これをインフラ事業に活用しようとしています」
 
 
気候変動関連事業分野についても、土砂災害時等に活躍が期待される「ロボQS」(バックホウ簡易遠隔操縦装置)をIHIからライセンスを受けて事業化したという。

「2019年にバックホウ(ショベルカー)の運転を遠隔で行う『ロボ QS』(簡易遠隔操縦装置)をIHI,国土交通省九州地方整備局九州技術事務所とフジタが共同開発。災害直後では、人がバックホウを運転すること自体が危険です。弊社の『ロボQS』は通常のバックホウであれば既存のものを改造せずに取り付けることが可能で汎用性が高いので,多くのお客さまから支持を得ています。また、制御事業分野では、この先DX(デジタルトランスフォーメーション)に向けて、弊社の技術とうまく掛け合わせていければ、新しい分野が開拓できるのではないかと考えています。現在すでに着手している部分もあり、今後さらに継続して進めていきます」

めまぐるしくスピーディに変わっていく現代において、意欲的に対応していく同社。「正確な検査・計測サービスを広く社会に提供し、安全な社会の建設・維持に貢献し、社会の発展に貢献すること」を企業理念に掲げる。柏﨑社長は「安心安全のために必要な検査や計測は細かく地味であってもしっかり継続していきたい」と言う。現場によってはいわゆる3Kのような厳しいところもあるという。しかし、同社社員一人あたり4~5個の検査計測関連の有資格者というプロフェッショナル集団は、自らの技能レベルを上げるべく日々努力し、各現場で検査監督業務を行い、安全や安心を提供している。そのおかげで私たちは安心して安全な社会を生きていると言えるのではないだろうか。

出演者情報

  • 柏﨑 昭宏

企業情報

  • 株式会社IHI検査計測
  • 公開日 2021.01.28

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