個人向けスクール、企業・官公庁研修、グループ内向け人材育成の3軸でIT教育事業を推進
株式会社シンクスバンク
代表取締役社長
宇佐美 順也
東名阪と札幌、福岡に8校の総合ITスクール「KENスクール」を展開する個人向け事業と、即戦力を育てる法人・官公庁向け研修事業を中心に展開してきた株式会社シンクスバンク。近年は所属する企業グループ内の人材育成に取り組むことで、さらなる急成長を遂げている。
「当社は2014年にアウトソーシンググループに参画しました。資金面の援助も大きかったのですが、人材育成を推進するグループの戦略とともに大きく成長しました」
アウトソーシンググループは、株式会社アウトソーシングを筆頭に、株式会社アウトソーシングテクノロジーなど国内外200社以上、数万人という規模で多くの人材を擁する組織だ。
「規模の大きさはもちろんのこと、他社と大きく異なるのはエントリーレベルの業界未経験者が多いことです。業界内では採用を控えがちな傾向にある未経験者を採用し、社内でしっかり人材育成した後に外部企業に派遣することを積極的に展開しています」
同社は、もともと個人向けの総合ITスクールを開講してきた実績があり、0を1にするといった初等教育のノウハウを蓄積してきた。
「グループ内の人材採用が急加速するに従って、当社が積極的に活用され、さらにグループの採用も増えたのです。現在では新卒採用約2,000人、中途採用約6,000人という規模感にまで至っています」
アウトソーシンググループの人材を大別すると、製造系、技術系に分けられる。このうち同社が所属しているのは技術系だ。
「個人向けスクール、企業・官公庁向け研修、グループ内向け人材育成の3本の柱ができあがり、それぞれが順調に伸びている状況を迎えています」
2020年は新型コロナウイルスの影響で、事業内容に大きな変革の機会が訪れたという。
「グループ内研修ではオンライン授業を早急に採り入れました。また、緊急事態宣言を受けて、企業・官公庁の新卒社員向けオンライン研修の需要も一気に高まりました。当社のリソースを生かして、スピーディーにカリキュラムを作り上げ、当社の約70人の講師は、フル稼働という状況でした」
グループ内を中心に、自宅待機者向けのオンラインスクールも毎月2,000人〜3,000人が受講するという規模で開講したという。
「提供方法は手段でしかありません。これから先、オンライン型だけにシフトするという考えは持っていません。当社が以前から続けてきた、対面方式の直接指導を求める方も多数おられます。オンラインと従来型の通学スタイルを併用することで、幅広い要望に応えていく方針です」
オンラインによる授業は、先端の技術を生かした展開を進めているという。
「AIや画像分析の技術を活用し、オンライン授業の様子をカメラで捉えて、受講者の表情などから関心の度合いを測る研究を進めています。近い将来には、画像解析や心理学といった要素を採り入れて教育のDXを推進し、理解度もオンライン上で分かるようになると期待しています」
海外に比べ、国内ではデジタル人材が不足しており、今後はさらに深刻化すると予想されている。
「一方でIT産業が雇用の受け皿となっている状況もあります。当社は何を目的とし教育に携わっているのかというと、人の雇用を守るためです。これは不変です。雇用と当社のビジネスは深く紐付いているのです」
DX化の推進によって、同社が取り組む事業への需要と期待は、さらに高まると考えられる。
「今後、IT技術者が数十万規模で不足していくと予測されているなか、デジタル人材を作り上げていくことが大きな使命になります。従来のITの初等教育だけではDX人材の育成は実現しません。DX人材はソフトを使えるなどITの技術力、ビジネスを理解する管理力、プロジェクトをマネジメントする力等、多岐に渡る能力が求められます。将来的にはブランディングの変更も含めて検討を進めています」
同社は、産学官と連携しながら、日本のデジタル産業の発展に寄与できる人材を育てていくことを今後の目標に掲げている。国内のDX社会が進んでいくなかで、DXを武器に日本の夜明けを担う人材を育成することをミッションに事業の発展は続いていく。
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