情熱的に生きるキーワードは「INSPIRE」マーケティング本当の意味に迫る!!
日本コカ・コーラ株式会社
会長
魚谷 雅彦
100年に1度と言われる厳しい不況下にある日本。物が売れなくなっている今の時代、解決する方法はあるのか?! しかし、ここに120年愛され続けているブランドがある。本物のブランドを作るマーケティングを語る、日本コカ・コーラ株式会社の魚谷雅彦会長。魚谷雅彦会長が言う、その未来の選択とは?
魚谷どうも。こんにちは。
蟹瀬どうも。お忙しいところありがとうございます。持っていますね。
魚谷やっぱり、これを持たないとですね。はい。
蟹瀬世界一、コカ・コーラの似合う男って言われていますね。どうぞ、おかけください。
魚谷どうも、ありがとうございます。
日本のコカ・コーラシステムは、製品の原液の供給と企画開発。そして、広告などマーケティングを行う日本コカ・コーラ株式会社と、製品の製造販売を行う全国各地域のボトラー社とで成り立っている。魚谷会長は長年、日本コカ・コーラで企画開発を手掛けたマーケティングを担ってきた。
蟹瀬コカ・コーラは調べたら120年も歴史がありますね。
魚谷はい。
蟹瀬それなのに、ブランドとして全然色あせてないですよね。これは、あんまり例が無いかなと思うのですよね。
魚谷そうですね。今でもよくブランド価値調査とかってグローバルのそういう調査があるんですけど。9年連続世界一の価値に認められています。
蟹瀬普通、企業でも40年もてばいいっていうくらいで、企業そのものは無くなってしまうとか。アメリカの広告会社みたいなのはあるけれども。アメリカを代表する商品としてのこのコカ・コーラですよね。我々が青春時代は、アメリカ文化の象徴っていう感じだったのですけどね。
魚谷スカッと爽やかな言葉に代表されるようなですね。皆さんに大変受け入れられていただいて。日本でも既に1957年からですから、50年以上の歴史があります。
蟹瀬だから、その商品そのものの価値もあるのだけれども、魚谷さんが得意となさっているマーケティング。この力というのが実は物凄く強いのですよ。そこのところを今日は、包み隠さずお話を伺いたいなと思っておりますけれども。まず最初に……。
魚谷じゃあ、さっそく失礼して。
蟹瀬あ、一杯いきますか?
魚谷はい。やっぱりこれを飲まないとエネルギーが出ませんので。
石田魚谷さんは、日本コカ・コーラに1994年に入社されて、そして、2001年に社長に就任なさいました。2006年には会長になられ、その間、缶コーヒーのジョージアをはじめ数多くの製品のマーケティングを手掛けられたそうなのですね。
蟹瀬本当に、成功の連続をなさってこられたっていう方なのですよね。今日、番組冒頭からなのですけど、実はちょっと書いていただきたいものがあって。ビジネスを展開する上で指針や哲学になっていると。こういう数字なのです。これを一つお願いしたいと思います。
魚谷ずばり、1です。
蟹瀬1ということは、どういう意味だって聞きにくいのですけど。1番ですか?これ。
魚谷1番とか、1番シェアが高いとかっていうふうに思いがちなんですけれども、そうではなくて。
マーケティングには、1番手の法則というものが非常に重要だと思っておりまして。たくさんの製品ですとか、サービス、情報、もう氾濫していますけれども。
その中で自分たちがお客様に提供したいと思う価値を新たな価値として、1番先にお客様の頭の中に入れていただくと。
結果として、我々のブランドがオンリーワンの存在になると。これこそ大事なことじゃないかなと。結果として、それはビジネスの中でシェアが高くなって1番になるかもしれませんし、大きく伸びることがあると思います。まずは、お客様にとってのオンリーワンの存在。
蟹瀬なるほどね。
魚谷これが1番大事だと思っています。
蟹瀬僕はてっきりナンバーワンだと思ったわけです。シェアナンバーワンだとかね。某ライバル社と、常に戦いの歴史があるわけじゃないですか。
魚谷はい。
蟹瀬だから僕は、その1番かと思ってしまいました。そうではなくてオンリーワンだと。コーラと言えばこれだと、そういう存在になりたいと。だけど、それには、やはり商品が良いっていうことやお客様に好かれるっていうことが大事でしょうけども。マーケティング、その売り方というか、そのあたりのポイントというのは何なのですか?
魚谷今の話にも関係すると思うんですけれども。私たちは、やっぱりお客様があってのビジネスですから。例えば、日本でビジネスしていれば1億2千万人の生活者の方。こういう方々に私たちの提供したい価値を分かっていただいて、理解していただいて、楽しんでいただいたり感動していただいたり、というふうにお客様を巻き込んでいきたいわけですよね。我々のビジネスに。
蟹瀬なるほど。
魚谷その時に、非常に重要だと思っていますのは、そのビジネスに関わる人たち。当社の社員であったり売っていただくお店であったりですね。そういう人たちが同じようにビジネスの楽しさだとか醍醐味とか、そういうものを感じて巻き込まれていかないと、お客様には伝わらないと思うんですね。
蟹瀬その辺は、僕もなんとなく理解ができます。ですが、それを実際にやっていくときの戦略と言いますか、そういうのがあるんだと思うのですね。これは良いものだからお客様に広げていく。社員が一丸となってやっていく。これは、どこの本を読んだって出てくるわけですよ。たぶん魚谷さんは、それより1歩進めたところを考えてらっしゃるわけでしょうか?
魚谷と言いますか、そこに関わる人たちが、いかに本当に自分の気持ちを一つにして一緒にやっていけるか。そのためには、リーダーになる人は、こういう方向に行きたいんだ。こういうことにチャレンジしようというものを、いわゆるビジョンっていうんですかね。こういうものは、なるべく分かりやすい言葉にして、分かりやすい表現で皆に示して、みんながそれに対して納得をしてくれる。そういう中での、僕らはよくいう Internal Brandingって呼んでいるんですけど。こういうプロセスにしっかりと時間とエネルギーと情熱を、リーダーはやっぱり注がなければならないんじゃないかなというふうに思います。
蟹瀬魚谷さんの場合だと、例えば、部下の方いらっしゃいますよね。どういうふうにおっしゃるのですか?
魚谷私たちのような、こういう消費財のマーケティングの仕事をしていると、いつも思うんですけど、やっぱり24時間、常に考えるってことが大事だと思うんですね。これは社員の方によく言っているんですけど。生活の中に我々の製品、ブランドの価値ってありますから。やっぱり、どういうことを求めているお客さんがいるだろうか?何故こういうふうなことをするんだろう。電車に乗っている時も、テレビのコマーシャル、いろんな業界の広告を見ていたりとかですね。番組を見ている時なんかでさえも、そういう視点で見ようと。そこかに必ずヒントがある。そんな考え方です。
蟹瀬今回もなにか新商品を出されるわけですよね?
石田そうですよね。魚谷会長は日本コカ・コーラで様々な商品のマーケティングに携わってこられて、ヒット商品を生み出してこられました。その一つに2009年に発売15周年となった爽健美茶もあるのですよね。
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