SNSの可能性。mixiの未来展望から読み解くグローバル戦略の重要性とは
株式会社ミクシィ
代表取締役社長
笠原 健治
現在は若い世代を中心に2100万人以上の人々が利用しているソーシャルネットワーキングサービスmixi。学生時代からすでに起業したという株式会社ミクシィ 代表取締役社長 笠原健治が語る、この新しいビジネスとは一体、どのようなものなのか。インターネット時代の新しいコミュニケーションツール、ミクシィの未来を問う。
蟹瀬それは、お一人でやられていたのですか?
笠原そうですね。1番最初はやっぱり、なかなかその辺の理解がある人が少なくて、かつ収益も最初から立つものでは無かったので、最初は1人で全部やっていましたね。
蟹瀬売上ってどういうふうに推移していったのですか?
笠原最初の年は、本当にひどいものでメディアビジネスというか、鶏が先か卵が先かっていう求人情報、働いた分だけお金がもらえるっていう世界ではないのですよね。
結局、求人媒体として媒体価値が上がらないと収益はもらえないし、ただ上がれば上がるほど価値が上がっていくっていう。まあ、そういうモデルだと思うのですけれども。なので最初の年は、本当30万円くらいとか。まあ年間にして、それくらいの規模感ですね。
蟹瀬でも収益は、あった?
笠原一応、そうですね。何とかそれくらいはあったのですけど。
蟹瀬1人でやっているとね。
笠原ただ翌年には、1000万円くらい年間でいきましたし、3000万、7000万、1億5000、3億みたいな感じで1回軌道に乗ればぐっと収益は上がっていくっていうモデルですよね。
蟹瀬これやり出して、1番困ったことって何だったのですか?最初にぶつかった壁っていうのは。
笠原最初の1年目が1番キツかったですね。収益が上がるかどうかっていう保証も出てないですし、そのやっぱり企業もぜんぜん求人出してくれないというか。仮にたまたまFind Job!のサイトを訪れてもそこがブランドも無ければ、信用も無ければ、怪しさ満点なので誰も求人を出してくれないんですよね。
基本的には、1件1件電話をして、ほとんど断られながらも、邪見にされることも多かったのですけれども1件1件集めていったという感じですね。
それで、ただ何件か求人情報が集まってくると、見ているユーザーの方も求職者の方も比較検討して応募する人が出始めてくると。そういう人が出始めてくると出している企業も意外と反応があったというのでまた使ってくれたりとか、若しくは誰か他の企業にお勧めしてくれたりとかして。だんだん広がっていくと。そしたら求職者もまた増えるっていう好循環に……。
蟹瀬雪だるま型にこうなっていくという。そういうことをやっておられる途中で、SNSというのに出会ったのですか?
笠原そうですね。
蟹瀬そこからどういう感じで?
笠原時間があってですね。たぶん5、6年経った後ですね。2003年、4年からミクシィを開設したのですけれども、それに至った経緯としては、2003年くらいになってくると会社の運営もかなり安定してきて、その年3億円くらいの売上、従業員的には20人超えたくらいの規模まで上がってきてですね。
少し、その余裕が出てきたのですね。何か新しいビジネス、新しいサービスを立ち上げたいよねという話を社内でもよくしていて夏くらいから考えていたのですけれども。
ある時、その海外、アメリカでSNSというサービスが最近立ち始めているという話があったのが1番最初ですね。「フレンドスター」っていうサービスだったのですけれども。実際、自分もすぐ使ってみて、確かに面白いと。新しいと。要はネット上なのだけれどもリアルの現実世界の人間関係がネット上なのだけれども投影された世界。
蟹瀬不思議ですよね。
笠原ネット上なのだけれども自分のプロフィールがあり、その友達のプロフィールがあり、友人の友人が誰なのかが分かり。自分が誰かを誘うと、そこから枝葉のようにつながっていく様子が分かると。そういう雲の上から人間社会を見下ろしているようなそういうサービスっていうのは見たことが無かったので。何かその斬新さというか新しい可能性を感じたのですね。
ソーシャルネットワーキングサービスに新しい可能性を感じた笠原が作り出したのは、ミクシィ。このトップページを開くと、そこから笠原が考えた様々な工夫が見えてくる。自分を紹介するページ、プロフィール。自分の友人、知人が表示されているマイミク。興味あるテーマに参加して楽しむコミュニティ。自分を訪ねてきた人たちが分かる足跡。ミクシィには、コミュニケーションを楽しむ様々な仕掛けが施されている。
蟹瀬ミクシィって変な名前って思われますけど、どこから来たのですか?
笠原一応、mixとiで人と交流するっていう意味があるのですけれども。後付けではあるのですよ。実際は、自分で考えたのですけれどもほぼ語感だけで考えたというか、いろんな名前を2、3週間くらい考え続けたのですね。その中から出てきた1つがミクシィという名前です。
蟹瀬革新というか、これは行けるというスタートした時からなんとなくそういう想い強かったっていうことなのですか?
笠原一応、その思いはあって。じゃあ果たして、みんな使うのかなっていう不安は確かにあって。ただ、始めてちょうど1ヶ月くらい経ったときに、その皆がどう使っているかっていうのを良く見て周っていたのですけれども。その中で、その招待生で始まっていたので皆、知っている人がほとんどだったのですね。知っている人が日記を書いて、コメントしてっているのはよく見ていたのですけど。そういうなんかぜんぜん知らない集団が突如出て来て、自分と全く知らない人同士が皆、仲良さそうに友達同士ですごく盛り上がっているのを見たのですね。その時に、普遍的なサービスなんじゃないかと。
蟹瀬広がると?
笠原そうですね。
ミクシィがスタートしたのは、2004年2月。最初の1週間は、ユーザーは600人くらいだった。それが、1ヶ月経つと4000人、1年後には何と50万人の人々が利用するようになった。そして、現在2100万人以上の人々が利用しており、順調にその数を伸ばしている。
蟹瀬僕なんかの世代から言うと、すごく齢を取った感じで嫌なのだけど、やっぱり、直接会わないっていうバーチャルなモノと、実際に会って顔を見て話をするコミュニケーションすることのギャップってすごく大きいような気がするのですけれども、それはあまり気にしないのですか?
笠原実際に会うのを否定しているわけではなく、その合わない間にお互いが何をやっているのか自然と知ることが出来るというのが魅力じゃないかと思うのですね。会ってないのだけれども今日は何をしていた、先週なにがあった、っていうのが何となく分かると。分かっているので、じゃあまた会おうよという話になったりとか。
若しくは、会った時に何かそのすっ飛ばして会話が出来るというか。いろいろ知っている前提でいきなり本題に入れる。そういう補完しているっていう関係じゃないかと思うんですけれどもね。
蟹瀬石田さんは、どういう魅力を感じてやっているの?
石田私ですか。確かに、仰っていた通りに友達の様子が分かるのですね。なので、もしかしてこの子、具合が悪いのではないかなと思ったら電話してみたりとか、最近何かあった?って連絡してみたりとか。そういうコミュニケーションも取れますし、あとけっこう使えるなと思うのがコミュニティ。あれ面白いですよね。自分の好きなモノ、例えば、私は阪神タイガースのファンなのですけれども阪神タイガース党とか自分の趣味の所に……。
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