クラウドコンピューティングの可能性。21世紀のグローバルカンパニーとは
アレックス株式会社
代表取締役兼CEO
辻野 晃一郎
ソニーのカンパニープレジデントを経てグーグル日本法人の社長を務めた辻野晃一郎が、自らの会社、アレックス株式会社を設立。クラウドコンピューティングを礎に様々な事業を展開している。辻野自らが語る、グローバルカンパニーの条件、そして日本の課題とはなにか。
蟹瀬さて、この番組では未来戦略のキーワードというのを書いていただいているので、辻野さんにも是非お願いしたいと思います。
辻野未来戦略のキーワードですね。難しいですね。
石田お願いします。
蟹瀬王道できましたね。
辻野月並みですけどね。あの、時代がすごい勢いで変わっていると思うのです。変わっている時は、守りたくなるのです。人間の心理として。だけど、守っていると、これは個人もそうでしょうし、会社もそうでしょうし、国もそうだと思うのですけれども、やっぱり時代の流れに取り残されて淘汰されちゃうと思うのです。
だから、その未来は創るものだとよく言いますけど、変化の流れの中に身を投じるというかチャレンジしていくっていう。変化は、もちろんチャンスでもあるので、だから、身を投じていって変化に対してチャンスと捉えて、それを掴んでいくっていうのがやっぱり基本姿勢として大事だと思うのです。
蟹瀬まあ、辻野さんはそれをずっと通してらっしゃるけれども、ただ日本の企業を見た時に果たして本当にチャレンジしているのかどうか。いろんな意味で日本っていう国全体が曲がり角に来ていますよね。おそらく元には戻らないだろうという予感をほとんどの方が持っていると。どういうことをこれから課題として考えて、問題として解決していったら良いのか。このあたりを辻野さん、どういうふうにご覧になっていますか?
辻野悲観的になる必要ってぜんぜん無いと思うのです。というのは、日本っていうのはすごい国で、明治維新みたいなことをやってのける国なんですよね。あるいは、太平洋戦争であれだけコテンパンにやられたのだけれども、そこからあっと言う間に経済大国になったわけですよね。
だから、そういうエネルギーを持っている国なわけです。だけど、ファーストランナーになりたがらないっていうのはありますよね。
蟹瀬先に出たがらない。
辻野ええ。誰かがやって上手くいったら一気にワーっといくと思うのです。だから、その日本再生のためにも先頭に立つ人たちっていうのが何をやるかっていうのが大事だと思うので。だから、その今の若い人とかが最近、留学しなくなっているとか元気がないって言いますけど。中には、非常にグローバル思考で外向きな人たちもいるわけですよね。そういう人たちが引っ張り上げるとか、育て上げていくとか。そういうことが、その新陳代謝を促進するようなことに我々の世代とか、さらにシニアの世代とかが知恵を使うとか、あるいは資産を使うとかっていうことが非常に大事なんじゃないかと思いますけどね。
蟹瀬辻野さん、最近本も出されたって?
辻野そうですね。いろんな、その自分のチャレンジを振り返ってみると半世紀くらい生きて来て、日本が誇る世界規範をソニーでいろんな、まあ経験させていただきましたし、あとグーグルにいたのは3年黒船に乗ってていたみたいな。そこでいろんなことをやっぱり学んだわけですよね。自分の中だけにとどめておくのは勿体ない気がしたので、ちょっと次のステップに進む前にいろいろなことを整理したいと思って、本を書いてみたのですが。
蟹瀬グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた。
辻野ちょっと逆説的ですよね。えっていう感じですけどね。
蟹瀬だけど辻野さんらしいですね。これ持って帰って良いですか?
辻野どうぞ。
蟹瀬ちょっとここへ置かしていただいて。しかし、新たなベンチャービジネスをこれから広げていこうという時に、そういう方々、若い人たちもたくさんいるのですけれども、その中で辻野さん自身がアレックスっていう会社を立ち上げられた。これは、どういう思いからですか?
辻野やっぱり、その評論家というか、言っているだけじゃダメですよね。それで、言っていることと、やっていることが一致していくっていう人生を送りたいっていうのがありますよね。
蟹瀬どんな会社なのですか?
辻野それは、まだあんまり言えない段階なので、発表後に。まだ、正式に発表してないものですから。発表する時に、はっきりお伝えしたいと思うのですけれども。
一言でいうと、さっきから言っているヘタって来ている日本を少しでも良くするために日本の商材を世界に売っていくってことを世界にやっていくっていう会社にしたいと思っているのです。それで、私は、何度も出ているみたいにソニーとグーグルの両方を経験していて両方の会社の優れたところっていうのを幸いにして、インサイダーとして学ぶことが出来たので。その2つの会社を併せたような21世紀のネットワーク時代の日本初のグローバルカンパニーを作りたいっていう。今、こんなこと言うと笑われますけどね。
蟹瀬いやいやいや。やっぱり夢は、大きい方が良いですから。
辻野この年でね。
蟹瀬いや。今、年齢も関係のない時代じゃないですか。
辻野そうですね。実年齢っていうのも、やっぱり、精神年齢というのが影響すると思うので、中身の年齢を常に若くと思いますけどね。
蟹瀬だって、そのケンタッキーフライドチキンの会社はね。カーネルサンダーさんなんて60過ぎてから起業されて、世界企業にしちゃったわけでしょう。
辻野そうですね。励まされますよね。そういう話はね。
蟹瀬われわれだって、まだまだチャンスはあるぞと。自分を鼓舞してどうするのだという感じですけども。時間の方、だいぶ無くなってきてしまったのですが。最後に、番組をご覧のビジネスマンの方、あるいはベンチャーを志す方々に是非、元気の出るメッセージを。
辻野一頃に比べると、インターネットというものが出て、いろんな意味で起業がしやすくなったと思うのです。インターネットの上にオープンソースということで、普通だったらものすごい人数とお金かけて開発しなきゃいけないソフトウェアが、例えばグーグルアンドロイドとか無償で使える形で提供されているわけですから。新しいチャレンジをするインフラが一頃に比べると非常に整っている時代だと思いますので、そういうのを積極活用してあんまり既存の枠に囚われないで新しいことを思いついたらどんどんやっていくっていうような姿勢が大事なんじゃないかなと。これ、自分自身に言い聞かせていることでもあるのですけれど、そう思います。
蟹瀬閃きを活かしていくと。そういうことになるかもしれないですね。今日は、どうもありがとうございました。
石田ありがとうございました。
辻野どうも。ありがとうございました。
最後に、もう一度アレックスに対する辻野の想いを聞いてみた。
辻野いわゆる、そのクールジャパンを実行していくような会社ですよね。日本のクールなモノを世界に広めていくっていう。そういうことをやっていきたいですよね。
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