羽生結弦の原点にも!身体表現も交えたヴァイオリンで世界へ伝えたいこと
ヴァイオリニスト・作曲家
川井郁子
幼いころ、自身がラジオから流れるヴァイオリンの音色に魅入られてから自分だけの音楽の世界観を、身体表現も交えた演奏で伝えてきたヴァイオリニスト・川井郁子。その演奏はアイススケーター羽生結弦選手が「震災以降の自分の原点」と語るほど、メッセージに溢れた音色を奏でる。
彼女がいま、世界の子どもたちにも伝えたいことは、ヴァイオリンを通じてに限らないほど広がっている。彼女が伝えたいメッセージとは?
松田 賢者の選択Leaders、ナビゲーターの松田公太です。
福井 福井仁美です。
松田 今回は常に時代の先を見つめながら新しい世界観を切り拓く、あるヴァイオリニストの取り組みに迫ります。
ヴァイオリニスト・作曲家、川井郁子。2000年、東京藝術大学大学院、在院中にプロデビュー。その後、ソリストとして、国内外の主要オーケストラをはじめ、世界的コンダクターらと多数共演。一方で、作曲家としてもテレビやCM、映像音楽も手掛け、その楽曲はスケートの羽生結弦選手や国内外の選手に数多く使用されている。また、2007年には「川井郁子 Mother Hand 基金」を設立。国連UNHCR協会国連難民親善アーティストを務めるなど、社会的活動も積極的に行っている。
川井 一番自分らしい、そして、自分にしかできない表現を追求して……。自分ならではの音楽舞台を作っていけたらいいなと思っています。
私の代わりは私だけ!
川井が追い求めるオンリーワンの世界観とは?
福井 それでは、本日のゲストをご紹介します。ヴァイオリニストで作曲家の川井郁子さんです。よろしくお願いいたします。
松田 よろしくお願いいたします。
川井 よろしくお願いいたします。
松田 音楽を通じて切り拓かれる新しい世界観、じっくり今日は伺っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
福井 川井さんはヴァイオリニストとして、クラシックのジャンルを超えて、本当に幅広くご活躍されていますよね。このクラシック界ではかなりめずらしい形なのではないですか?
川井 そうですね。今、ヴァイオリンという楽器をいろいろなジャンルで活躍している方はいます。私はクラシックに生きづらさとか虚しさを感じていた結果、自分の道を探すようになったという感じですね。
松田 どんなところで、虚しさを感じられたのですか? クラシックに対して。
福井 最初は東京藝術大学に入学したときに、クラシックの場合は作曲家が伝えたかったことを、より忠実に再現することが使命とされていました。巨匠の名演が録音で残っているなかで、プロとして弾いていく必然性がどれくらいあるのだろう……、っていうのを大学に入って、急にすごく感じたんです……。
川井 もう亡くなっていましたけど、ピアソラというアーティストと出会いました。タンゴの革命児と言われている彼の音楽に出会ったときに、「自分の音楽を創(つく)る道があるんだな」ということが分かり、生きがいを見つけた出会いでした。
福井 そのあと、アルバム制作に入っていかれたのですか?
川井 アルバムで初めて、自分オリジナルの世界観を創るという機会に恵まれたんです。
松田 なるほど。アルバムタイトルは、なぜ、「The Red Violin」にされたのですか?
川井 そのコンセプトが、情熱的で熱い世界観、でした。それが色でいうと「赤」ということで、「The Red Violin」というタイトルを制作に入る前に決めていたんです。
松田 最初にアルバム名が決まっていたのですね。
川井 そうです。それで、一押しの曲をこのアルバムタイトルの「The Red Violin」と同じ名前にしようと。
福井 実はそのアルバム「The Red Violin」の中から、一曲、演奏していただけることになっています。
松田 うれしい!
(「恋のアランフェス~レッド・ヴァイオリン~」を演奏)
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