「新しいあたりまえの創造」に挑み、10年の年月を掛けて増収増益を実現したアイコン事業とは


株式会社フォーバル
代表取締役会長
大久保 秀夫

賢者の進化論

放送15周年の特別インタビューとして、これまでに「賢者の選択」にご出演いただいた方々に、時代や環境変化への対応や展望についてお話しを伺いました。
(株式会社フォーバル 代表取締役会長 大久保 秀夫:賢者の選択ご出演 2005年6月放送)

モノだけを売っていてはダメになる時代
中小企業からなんでも困りごとを聞いて解決

「新しいあたりまえの創造」を掲げ、従来の企業とは大きく異なる事業を切り拓いてきた株式会社フォーバル。かつて、好きなメーカーの電話機を選ぶことができないのがあたりまえの時代に、大企業を動かし、風穴を開けて自らビジネスを生み出してきた。同社が次の「新しいあたりまえ」を探り出したのは、2005年のことだという。

「以前は情報通信コンサルタントとして、まだまだモノを売っている比率が高かったのです。コピー機やコンピュータ化によって、経営が変わります、これからは情報通信化が必要です。としきりに言っていました。当時は、自分たちが売りたいものに誘導して収益を得るのが主流だったのです。しかし、ITの普及によりモノの価値が下がり、モノだけを売っていてはダメになる時代がやってくると考えたのです。」

そこで発案したのが新たなビジネスモデルだ。

「アイコン事業を考えたのです。まず、お客様のところに行って知る活動につとめ、お客様が何に困っているのかを聞いてくることからはじめました。それが情報通信の分野ならば、当社で対応できますし、例えば、業務提携先を探したり、税務相談をしたり、相続問題などでしたら、当社が直接できなくても提携先のパートナーで解決できるのです。」

しかし、軌道に乗るまでの道程は短くなかった。

「そのための人員を全国に100人程度ノミネートしたのです。当初は収益が大幅に減少し、会社にとって大きな変革となりました。それでもやることは貫こうと考えたのです。経営者が動じたら社員はビビってしまいますから、腹を据えて勝負に出たのです。」

2年経っても3年経ってもブレることなく貫き続けたのだという。

「当初はお客様もモノを売りたいだけではないかと半信半疑でした。しかし、営業をせずに困っていることの解決に徹したのです。すると、次第にお客様から信頼をいただけるようになり、現在では相談件数が年間1万件を大きく超えるほどになりました。モノからコトへの転換。本当の次世代を担う経営コンサルタントになれたのが今なのです。ここまでガマンと試行錯誤を繰り返してきた結果です。10年経ってようやく定着してきました。」

増収増益になるまでの長い月日。どんな思いで継続してきたのだろうか。

「10年というと長いですが、今振り返るとあっという間です。始めた当初はいつになったら軌道に乗るか分かりませんでした。それでも続けたのは、モノを売っていてはいつかダメになるということが分かっていたからです。とにかくやり続けて、お客様のことを本当に考えた会社になろうという気持ちだけでした。お客様は千差万別です。なにに困っているか分からないのです。信頼関係を築けば、情報通信機器が必要になったときにも、当社に声を掛けてもらえるはずだと思いました。それでも、不安感は大きかったですね。」

競争相手のいない独自の事業として確立
中小企業にとって、なくてはならない存在に

すべてはお客様のため。そのためにとにかく向き合う。問題解決のため、全社を挙げて考えたのだという。

「経営相談、ビジネスマッチング、事業承継、などさまざまな課題を解決してきました。当社のお客様は中小企業ですから、コンサルティング会社との顧問契約を結んでいないところがほとんどです。悩みを相談する相手がいないのです。当社は愚痴でもなんでも本音を聞いてくれるという評価をいただきました。当社のように、どんな相談にも乗ってくれる会社は他にないのです。ですから、当社には競争相手がいないのです。」

半信半疑が自信に変わり。やがて自信は確信へと昇華した。

「この先、増収増益がいつまで続くかは分かりません。しかし、このトレンドは変わりません。なぜなら、お客様が次のお客様を呼んでくれるのです。銀行や大手のコンサルタントは助けてくれない。しかし、困ったときに親身になって解決してくれたというポジションができれば、中小企業になくてはならない存在になるのです。」

さらに次の「新しいあたりまえの創造」も着々と練られている。

「これから必要になるのは教育です。日本は少子高齢化を迎えます。アジアの優秀な人材が国内の企業で働ける仕組みを作りたいと考えています。また、環境問題も真剣にやらなければなりませんし、物価の高い日本ではなく、海外展開を図りたい企業を支援していきたいと考えています。」

アイコン事業と同様、10年間は力を入れていきたいという。そこには企業だけでなく、日本社会の課題を解決するコンサルティング会社の姿が予見される。

出演者情報

  • 大久保 秀夫

企業情報

  • 株式会社フォーバル
  • 公開日 2018.11.20

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