個と個のマーケティングで広がる「キヨーレオピン」カウンセリングの充実とトレーサビリティを実現
湧永製薬株式会社
代表取締役社長
湧永 寛仁
放送15周年の特別インタビューとして、これまでに「賢者の選択」にご出演いただいた方々に、時代や環境変化への対応や展望についてお話しを伺いました。
(湧永製薬株式会社 代表取締役社長 湧永 寛仁:賢者の選択ご出演 2010年12月放送)
熟成ニンニク抽出液(Aged Garlic Extract)を主原料とした滋養強壮剤「キヨーレオピン」などを手がける湧永製薬株式会社。医薬品を取り巻く環境はどう変化を続けているのだろうか。
「病気になったら治しましょうという治療中心の医療から、予防や健康寿命の大切さが高まってきました。また、インターネットの発達により、ここ10年でマスマーケティングからインディビジュアルマーケティングという、個と個でつながるマーケティングに変わってきました」
実際に同社製品を扱う薬局にも変化が訪れているという。
「当社は取扱店にトレーサビリティシステムを導入しました。各薬局に1店舗1台の専用端末を設置していただき、当社の製品を中心として医薬品の一部のトレーサビリティを実現しています。さらにプラスアルファとして、マーケティングデータの収集もしています。ワクナガメンバーズカードを発行して、お客様の属性や購買履歴などを分析した結果、さまざまなことが分かるようになってきました。これに沿ってきめ細やかなカウンセリングができるように目指しています」
同社は創業当初から予防とカウンセリングを大切にしてきた。個別対応で培ってきた個の対応が今後はさらに重要になるという。
「カウンセリングはFace to Faceが望ましいと考えます。ネットは便利ですが、当社としてはどう来店していただき、カウンセリングを受けていただくか、その大切さを前面に出していきたいと考えています。ネットを告知媒体として利用しながら、基本はカウンセリングを通じて予防の大切さをお伝えしていく方針です。今までも、これからもこの方針は変わりありません」
同社の製品は薬局だけでなく、スーパーなどにもサプリメントとして流通している。
「当社のブランドは、日本では『キヨーレオピン』、海外では『キョーリック(Kyolic)』の名称で展開しています。新たなお客様への提案として、日本で“キョーリック”のブランドを展開しはじめました。困っていることはないけれど、サプリメントで予防したいという方向けの商品です。チャネルという意味でも薬系だけでなく、食料品店やスーパーなどへの展開も図っています。アメリカではヘルスフードストアで展開していますから、今後、食系の店舗でサプリメントを買う時代が来るのを見越して、手に取っていただける商品として発売したものです」
同社はアメリカに現地法人ワクナガ・オブ・アメリカ(WOA)を設立するなど、海外へも積極的な展開を行っている。
「海外展開は50カ国を超えました。現在は、ドイツで医薬品としての展開を目指し、積極的な取り組みを進めています。2017年には100%子会社のワクナガ・オブ・ヨーロッパ(WOE)を設立し、ドイツに医薬品としての認可を求める申請を出しました。この結果は2018年末から2019年初頭には判明する見込みです。ドイツで医薬品として流通できれば大きな信頼につながり、ヨーロッパや日本にもよい影響が広がると思います。近い将来、アメリカ、ドイツ、東南アジアと、日本を含めた4拠点に広げ、最終的には全世界での販売を視野に入れています。
大切なのはしっかりとしたエビデンスなのだという。
「長年の研究開発で分かったことは多数ありますが、まだまだ解明されていないこともあります。これまでの研究で判明した成果は、来年初めて日本で開催される、国際ニンニクシンポジウム(International Garlic Symposium)で発表する予定です。これは2019年5月末に、ニンニクを研究している世界の科学者などが広島に集まり、研究成果を発表するものです。当社の研究している熟成ニンニク抽出液の良さを、エビデンスを含めて発表する予定です。熟成ニンニク抽出液は、世界に通用する素材である自信があります」
同社はスポーツの振興に努め、なかでもハンドボールに力を入れている。社内ではハンドボール部”LEOLIC”(レオリック)があり、同氏は公益財団法人 日本ハンドボール協会の会長としても活動している。
「当社の製品のコアユーザーは、比較的年齢層の高い方ですが、ハンドボールに関わる方は若い人が中心で、層の違いを感じています。ハンドボールの支援は私自身としても大きなチャレンジだと思っています。ハンドボールの魅力はなんといってもスピードとパワーです。走る、飛ぶ、投げるがミックスしたエキサイティングなスポーツなのです。また1試合で両チーム合計すると50点くらい入りますから、40秒〜50秒以内にひとつのドラマが生まれ、盛り上がるので見ていても飽きません。とても魅力ある楽しいスポーツです。多くの方はご存じないかもしれませんが、オリンピックの観客数はサッカーに次ぐ人気です。その魅力を日本でも広めていきたいと思います」
楽しく健やかな毎日に求められる医薬品やスポーツ。同社はその両面をこれからも力強くサポートしていく。
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