近い将来日本は亡国になる!? いま最も投資されるべき分野 「教育」の重要性


安藤忠雄(建築家) ×出口治明(立命館アジア太平洋大学)

特選インタビュー

元来、日本という国は島国という性質から高い単一性を保ちながら発展をしてきた。しかし、労働力不足による外国人労働者の流入や、観光立国として外国人旅行客の往来は増加傾向にある。多様化する社会と反して、日本のシステムや常識は世界的に見ても遅れを取っていると主張するのは建築家の安藤忠雄と立命館アジア太平洋大学 学長 出口治明だ。二人が語る、日本の将来を支えるために必要な教育システムとは?

多国籍大学

日本初の、本格的多国籍大学として2000年に開校した、立命館アジア太平洋大学。教員、学生の半数は外国籍を持ち、開学以来の学生の出身国・地域は、およそ140以上にも及ぶという。学長を務める出口は、どのような大学を目指しているのか。

唐橋 今の国際感覚という意味では、出口さんの立命館のアジア太平洋大学ですね。

出口 我々は学生が6,000人いて、3,000人が90の国や地域から来ているんですよ。若者の国連ですね。

唐橋 若者の国連…。

安藤 それはすごい良いですよ。特にね、全然違う国の人たちとぶつかり合う、話し合う。それぞれの国の人たちが、まず自分たちの本は持ってる。自分の考え方を持っている。スポーツも日本でいうと、野球となんとかしかないけど、いろいろなスポーツありますからね。それがぶつかり合うっていうのは、すごいいいと思うわ。

出口 一回生は全部寮に入れて、基本は外国人と日本人を同じ部屋に入れるわけですよ。二人一室で。だからまさに、安藤先生が言われたように、そこで喧嘩したり、ああでもない、こうでもないと言ってる中で、国際感覚は初めて磨かれて、みんな同じ人間やなってことが分かるんで、金太郎飴では絶対駄目ですよね。

唐橋 はい。

出口 だから、偏差値だけではアカン。個性を大事にせなアカン。言葉は上品じゃないんですけど。僕は偏差値だけやったらアカンでと、3割ぐらいは変態教育せなアカンでと言ってるんですね。

唐橋 はい。

個性の重要性

安藤と出口は、偏差値教育の必要性を認めつつも、今後の教育に最も必要なのは、個性を大事にすることだという。

出口 僕は、個性のことを「変態」と呼んでるんですけれど。これは安藤先生が言われたように、偏差値で子どもたちを分けて、偏差値によって振り分けられてる世界だけでは、金太郎飴がきれいに序列で並んでいるだけで、新しいアイディアは生まれないですよね。子どもたちの3割くらいは、高校のときから個性派コースを作って。例えば、絵を書くのが好きだったら絵ばっかり書いてたらええと、漫画やったら漫画ばっかり書いてたらええと、好きなことを徹底してやると。そこから必ず、ジョブスのような子どもたちが生まれてくると。人間は顔が違うんだから、考え方も個性も違うんで、違って当たり前という文化を作っていかなければ、金太郎飴では弱いですよね。

安藤 東京大学で7年間務めてた頃に、勉強を大学も行ってないし、建築の専門教育を受けてなかったので勉強したいと、優秀だと言われている学生たちと一緒に勉強してみたいと思って行ったんですよ。1年生が入ってくるでしょう。上から見たら同じような顔しとる。背格好も一緒。聞いてたらね、山手線の内側の人ばっかりが官僚の子、お医者さんの子、大企業の子、今東京大学はほとんどそこの人が圧倒的に多いですよ。昔は大分からも、熊本からも、福岡からも来たんですが、今はあんまりいないんですよ。同じ性格の人たちが同じような生活して、同じような成績の人たちが集まってどうします?「なんや同じような顔して、顔変えられへんのか!?」言うたら、「いや顔は変えられません…」言うんですけどね。顔を変えるぐらいの気迫を持って生きないと、これからの社会は生きれないぞと、言うてたんですけれども、何分にも、過保護で、もう親が子ども大切に育ててきたから、ぶつかって負けると立ち上がれない。というのでね。そういうふうな子どもたちがいっぱいいて、この国はやっていけますかと言うたら、さっき言ったように20年はもちませんから。

唐橋 え!?20年で亡国にならないためには、どうしたら良いですか?

安藤 やっぱり若い人たちの教育が徹底的に、出口さんが言われたように、やっぱり個性的でもあると。そして自分を持ってると、まず自分を持ちながら、平均的なレベルの高さを持ってると。そして個性も持ってると、いうためにはね、まず18歳になったら親は子どもを突き放さないと。アメリカの学校ね。大学来たらみんな自分で稼いで行ってますよ。親は当てにするなと。日本の親はね、「50までは私も生きてますから、安心して頑張ってください。」言うとるからな。そんな子どもがね、どうしてね、我々をサポートしてくれますか?

出口 APUで面白いのはですね、僕にメールを打ってくる学生の中で、「学長おはようございます。マザーテレサの◯◯です。」と。彼女はマザーテレサの後を継ぐのは自分しかいないと信じてるんですよ。こういうでかい夢を持つ。個性ある子どもがいて初めて、日本の将来は明るいんで、みんなが大会社行きますとか、公務員になりますでは夢がないじゃないですか。

尖った人材の育成

唐橋 若い頃になんでしょう、お二人のように尖っていると言われたいじゃないですか。若者も。もしかしたら自分は、もうちょっと尖りたいと思ってる方も多いかもしれないんですけど。どうやってそういう方を育てたらいいんでしょう?

安藤 だから、よく遊びよく学びやね。

出口 そうです!

安藤 もし、出口さんの学校のように、インドネシアの人がいると。インドネシア意識しますよね。行ってみようかと、ベトナム行ってみようと。ベトナムの文化と交流しますよね今度。そういうふうにして広がっていくわけじゃないですか。だから今の内向きにやっていくんだと、頭が動かないんですよ。

出口 刺激を受けなきゃ駄目なんですよ。だから刺激を受けるためには、やっぱり遊ぶのが一番ですよね。

唐橋 はい。

出演者情報

  • 安藤忠雄(建築家) ×出口治明(立命館アジア太平洋大学)

企業情報

  • 放送日 2019.04.22

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