社会課題の中心に住宅あり?!ハイテク産業となった住宅の新たな方向性と希望
積水ハウス株式会社
代表取締役会長兼CEO
和田 勇
住宅産業界のリーディングカンパニーとして住宅関連市場を牽引してきた積水ハウス株式会社「グローバル化した国際社会、変化する社会状況にあって、住宅産業界は大きな転換期を迎えている」と、代表取締役会長兼CEO、和田勇は言う。和田勇の成長戦略、住宅産業の将来性とは? その全容に迫る!
和田昔はですね、高齢化って、年取ったらもう静かなところへ行って余生を送るって。そんな人今いませんからね。生臭くなってね。
蟹瀬(笑)仰る通り。
和田町中で。だから、高齢者だけが一緒ではダメなんですよ。若者とも一緒に住む、そういう町を作らなきゃいけないということで。例えば若い夫婦がマンション作ってね、こちらは高齢者マンション、こちらは子育てマンション、それが行き来できるような、そういうことをやっぱり提供するのが我々の役目だと思うんですよ。
2012年東京北区に完成したマストライフ古河庭園は、異なる世代間のコミュニケーションのために建てられた多世代交流型の賃貸マンションです。共用の玄関を入ると、西棟の高齢者向け住宅と東棟の子育て支援住宅とが同じ敷地内に建てられており、それぞれの間取りは居住者のライフスタイルに合わせ、高齢者や子育てに工夫された空間設計や内装になっています。
そしてマストライフ古河庭園で最も特徴的なサービスが、建物内のフリースペースや食堂などを利用して行われるイベントやアクティビティなどです。クリスマスやハロウィンになると、高齢者の方や小さな子ども達の交流の場として活用されています。更にこちらの建物には屋上庭園も設置され、収穫の時期になると芋掘り体験など多世代の交流を深めるイベントが数多く用意されているのです。
峯賃貸マンションというのはなかなか管理組合がありませんから、あまり交流が進まないというか。小さいお子さんなんかは、同じ学校に行ったり幼稚園に行ったりすると交流はあるんだけど、それ以外の方とは全く交流がないというのが一般的だと思うんですが。こちらにつきましてはですね、やはりイベントを通して皆さんがお知り合いになって自然と名前で呼び合ったり、会えば挨拶ができるようにということで非常に交流が進んで、素晴らしいマンションになるんじゃないかなという風には考えています。
蟹瀬高齢者と若い世代、それぞれのライフスタイルの違いはありますけど、お互いがやはり刺激し合うという環境を作るというのは本当に大事ですね。
和田一番大事なことはね、やっぱり高齢者だけが中心の世の中、若者だけが中心の世の中。それが一番困るわけですよ。だからミックスしてね、そうすればみんなお互い刺激し合っていい社会が作れるんじゃないかなと思うんですよ。
蟹瀬白石さんはどうですか。
白石そうですね。そういう場っていうのはあるようでないので、そうやって住宅環境から変えていくってことはすごく大切なことだなと……。
和田そうなんですよ。だから我々もね、今高齢化っていうのをみんなシルバーって言うでしょう。ああいう言葉は嫌だからね、プラチナ事業って。
蟹瀬プラチナ、いいですね。プラチナ世代で錆びない、と。
白石かっこいいです、すごく。
白石では、続いてのキーワードは何でしょうか。
和田そうですね。二つ目は「海外進出」。
蟹瀬二つ目のキーワードで選ばれた「海外進出」。これは相当ポテンシャルが大きいという風に考えればよろしいでしょうかね。
和田これはね、よく言われている、住宅なんてドメスティック産業で外へなんて行けないと思っていたんですよ、我々も。だけど、いろいろ実験的にテスト的にやってみますとね、これは大きなものすごい事業になりますね。
蟹瀬それだけ日本の住宅の品質とか、それからいろんな技術レベルがありますよね。私は詳しくはわかりませんけれども。その辺というのが相当高い、あるいはずっと右肩上がりで上がってきたという風に考えていいのでしょうか。
和田いや、日本の技術力というのは本当にすごいです、その上がり方は。我々業界の中にいても、それがよくわかります。特にこの頃海外によく行くんですけれども、海外行って、海外のレベル差を見るとね、非常に格段の差がありますね。ただね、地震というのはない国が多いものですから、これがやっぱり日本の致命的なとこでね。それがコスト的に高くなるんですよ。我々は今、アメリカ、オーストラリア、シンガポール、それから中国というように事業を今やっているんですけど、おそらく3、4年先に大きな私共のコア事業になってくるんじゃないかなと思うんですよね。
蟹瀬それは製造の工場も海外にも作って、技術者なんかも海外の人を採用していくという形ですか。
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