社会課題の中心に住宅あり?!ハイテク産業となった住宅の新たな方向性と希望
積水ハウス株式会社
代表取締役会長兼CEO
和田 勇
住宅産業界のリーディングカンパニーとして住宅関連市場を牽引してきた積水ハウス株式会社「グローバル化した国際社会、変化する社会状況にあって、住宅産業界は大きな転換期を迎えている」と、代表取締役会長兼CEO、和田勇は言う。和田勇の成長戦略、住宅産業の将来性とは? その全容に迫る!
和田これはね、国ごとによっていろいろやり方が違いましてね。中国っていうのは一戸建て住宅ってないんですよね。タウンハウスと言って、どっかでくっついた……
蟹瀬繋がったようなのでしょう、何軒か。
和田繋がった、そういう家があって、これを鉄骨で。我々瀋陽(しんよう)市というところで工場を作りましてね。そこでタウンハウスを作っているんですよ。
積水ハウスでは、これまでに培ってきた工業化住宅の高い品質と環境技術を生かした住まいづくりや町づくりを世界市場で展開しています。先進技術で国の政府機関や現地のデベロッパーなどと連携し、グローバルに事業を制し、オーストラリア、シンガポール、アメリカ、中国などを新たな市場として住宅供給を進めています。2012年の4月には中国瀋陽市に鉄骨住宅の生産工場も完成。各国の風土や文化に相応しい住まいと町づくりを展開しています。
蟹瀬どうなんですか、日本の先ほども仰ったように素晴らしいものっていうのは、どうしてもコストが高くなりがちだと。いいものなんだけど、海外のマーケットではなかなか展開できないっていうケースが他の商品でもありますよね。住宅はどうなのですか?
和田例えば中国の場合はね、私共としては中国の同業のところと競争するつもりは全くないんですよ。やっぱりアッパー層を狙わないと我々の事業は成り立ちません。ただアッパーと言っても、10パーセントでもう日本の人口と一緒ぐらい、いるわけですからね。だからそういうことを考えるとね、やっぱり良質のものは本当に求める人が多いんですよ。だから中国でやっぱり13億人みんなに売るつもりではおりませんのでね。
蟹瀬上の方から……。
和田上の方だけでやっぱりやっていきたいなと思ってるんですよ。
蟹瀬他の、例えば自動車なんかもそうですけれども、製品の信頼度っていうのが非常に高いですよね、海外行った場合。日本の食品もそうですが。住宅もやっぱりそういう押し出し方っていうのは可能なのですか?
和田それはね、徹底的に我々もそこのところを突いていっておりますのでね。これは明らかに肌で感じますね。そういう質のいいものがないわけですよ。
蟹瀬先を見てそこをスタンダードにしていかなきゃいけない。
和田世の中でね、外国行くと技術が盗まれるとかよく言われるけど、その先へ行けばいいんですよ。そうしたら、盗んでくれたら世の中が変わるわけですから、もう一つ先へ。
蟹瀬返ってプラスになると。(笑)
和田そうそう。
蟹瀬そうするとやっぱり狙い目としては開発途上国ということになります。欧米だとやはりけっこうライバルがいるわけでしょう?
和田工法がね、あちらはツーバイフォーの工法が多いんですよ。だからそういうので、あそこまで鉄を持って行くとコストが合いません。だからその国によってやっぱりいろいろ、やり方を変えているつもりでいるんですけれどもね。
蟹瀬そうするとやはりアジア・マーケットというのは重要な位置を占めるのですよね、物理的にも近いですし。
和田そうですね、アジア・マーケットというよりも、私共が海外進出する時にね、当時は資源の豊かな国、それから成長する国、それから人口ボーナスのある国、そういうことをテーマに考えてやってきたんですけれどね。だから、アメリカっていうのは、まだこれから人口ボーナスが6000万人ぐらいあるわけですよ。それからオーストラリアでもね、今2200万しか人口いないんですけど、3500万まで人口もってくる、シンガポールも500万から800万ぐらいまで、そういうところを狙って行っているんですけどね。だから、そういうところでやっぱり日本の我々が、昔からやってきた環境の技術とかをアピールすると大変うけますね。
蟹瀬待っているよりも、やっぱり攻めていくということが重要なことでしょうかね。リスクはもちろんあるでしょうけれども。
和田どうでしょうかね。リスクのないところにそんな成果なんかありませんからね。やっぱり基本的に私はね、おそらく待っていたら永久に来ないかと思いますよ、攻めていかないと。だから日本の技術って素晴らしいものがあるから、もっと日本人は勇猛果敢に攻撃していった方がいいんじゃないかなと思うんですよね。
蟹瀬そこがなかなかね。行けそうで行けないっていう会社が多いですからね。
出演者情報
企業情報
関連コンテンツ
カテゴリー別特集
リンク