TOEIC® Programなどを通じ、人と企業の国際化に貢献
一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会
理事長
大橋 圭造
「人と企業の国際化の推進」への貢献を基本理念に、TOEIC® Programをはじめ、英語によるコミュニケーション能力の向上やグローバル人材の育成にかかわる活動を展開しているのが一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)だ。
「TOEIC® Programは現在、世界160カ国、約14,000の企業や団体で活用されています。聞く・読む力を測る『TOEIC® Listening & Reading Test』の2019年度の受験者数は約220万人、話す・書く力を測る『TOEIC® Speaking & Writing Tests』も順調に伸びています」
40年以上前に日本人が発案し、米国の非営利テスト開発機関ETSによって開発されたTOEIC® Listening & Reading Testは、十分にマーケットに浸透していると言えるだろう。
「グローバル化の流れを背景に、ETSのブランド、IIBCの長年にわたる地道な活動の成果が表れています」
2019年には、初・中級者向けの聞く・読む力を測る「TOEIC Bridge® Listening & Reading Tests」に加え、初・中級者向けの話す・書く力を測る「TOEIC Bridge® Speaking & Writing Tests」がスタートした。
「これにより『TOEIC Bridge®』の4技能化が完了しました。また、昨今のテレワーク推進やオンライン授業の導入により、場所や時間を選ばずにテストを実施したいという要望を受け、2020年4月から企業・学校などの団体向けに提供しているIPテストに、オンライン方式を追加しました。既に60%以上が自宅でも受験が可能なIPテスト(オンライン)を選択されています。」
IPテスト(オンライン)では、なりすましなど不正が生じた場合、スコア価値の低下や疑念につながるとして、7月よりリモート試験官サービスを開始している。また2021年3月中旬からはAIを活用した不正防止システム「AI監視サービス」を導入する予定だ。
「リモート試験官サービスでは、リモートで試験中のモニタリングを行うため、受験開始時間が固定されてしまいます。眼球の動き等の検知により不正行為を検出するサービスが始まると、開始時間の制限が撤廃され、いつでもどこでも受験できるようになります。」
これにより、受けたいけれど受ける時間がないという人の希望に応え、テストの信頼性と価値の向上にもつながる。
2020年は新型コロナウイルスの影響も大きく、TOEIC® Listening & Reading公開テストでは約半年間が実施できなかったという。
「公開テスト自体は密を回避しており、感染のリスクは少ないと考えますが、受験者の健康などを考慮して、やむを得ない判断でした。また、会場として大学を借用することが多いのですが、大学が学生に対してもオンライン授業で対応している状況で、場所を確保することも難しかったのです」
再開後は、一部会場が試験向けに貸し出しされなかったり、通常よりも間隔を空けて実施するため受入人数が減少した。さらに、中止期間が続いたことから申込が殺到。このため、当初は先着順のところ、受験機会を公平にするため抽選制に変更した。
「公開テストを1日1回から1日2回開催することで、受験機会の増加を図っています。また、引き続き会場の確保に努めているものの、すべての受験者が希望の日時で受験できない状態が続いています。2021年度は試験日を増やし、毎月開催します。少しでも多くの方に受験機会をご提供できるよう尽力してまいります」
同協会は「地球人財創出会議」や「IIBC Café Globe」など、グローバル人材の育成事業にも注力している。
「人材育成イベントはオンライン化して、より参加しやすくなりました。語学力というのは必要条件ですが、十分条件ではありません。グローバル人材の育成事業を通じて、異なる言語、文化、商慣習など多様化社会の中で、どうやってコミュニケーションをおこなうのか、世界を舞台に活躍する方をゲストに招き、考え、学びあう場を提供しています」
言葉で伝えることがいかに大切か、そのためにはどうコミュニケーションをとるべきか。現在は海外との往来が極めて制約されている。ビジネスの在り方は海外に赴いて、直接会って話をするという形態から、オンラインでコミュニケートすることに変わってきている。
「コミュニケーションの機会は、リアルの世界では減っていても、サイバー空間では増えています。自由な情報交換、意思の表現がサイバー空間で盛んになっています。その場に入っていける語学力と、重要な情報を入手して判断する力が必要です」
従来は表情や身振り、手振りを使って「上手には伝わらなくても、なんとか意思を伝えられる」という場面があった。しかし、電話やメール、チャット、ZOOMなど非接触・非対面時には、より高く発信する能力が求められる。
「2020年は新型コロナウイルスの影響で、十分なサービスが提供できなかったことに対し、心からお詫びを申し上げます。現在は全力で、できる限り多くの方に受験機会を提供できるよう努めております。あわせて、オンラインテストのセキュリティを高めていく取り組みも進めています」
いつの時代にも言葉の壁は立ちはだかり、その解消は大きなテーマであり続ける。同協会は今後も、人と企業の国際化の推進に貢献し、多くの人が自由にコミュニケーションを図れるよう、積極的な活動を続けていく方針だ。
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