社会インフラの安心・安全と、地球環境を守り、貢献を続ける総合防災企業


日本ドライケミカル株式会社
代表取締役社長
遠山 榮一

賢者の進化論

消防法でカバーできない領域の安心・安全を実現
消防士の健康や地球環境に配慮した消火剤の開発

自動火災報知設備から消火器、消火設備、消防自動車まで、防災の領域を幅広くカバーする総合防災企業グループとして躍進を続ける。その事業は民間企業として安心・安全な社会づくりに大きく貢献している。

自動消火装置「スプリンクラーエース」

「防災業界の環境は基本的に変わっていません。骨格となる消防法のもとで、いろいろな規制とこれに必要な対応策に取り組んでいます」

そのなかで、安心・安全への要求、防災メーカーが提供しなければならない領域は大きく広がっているという。

「建物の構造、構築物の種類がどんどん増えており、消防法で想定していなかったものも生まれています。社会の変化に伴って、消防法が変わってきたかというと、必ずしもそうとは言い切れません。そこにギャップが生じているのが現状です」

これを穴埋めすることが、時代や社会から総合防災企業グループである同社に求められている。

「手当てできていない建物、エリア、空間は大きな危険にさらされています。将来も増えていくと考えられます。これを守っていくのが当社の使命です」

同社は煙や熱を感知して報知する自動火災報知設備の企業を吸収合併し、自火報から消火設備、消火器、消防自動車に至るまで取り扱っている。

「総合防災メーカーだからこそ、実現できることがあります。消防機関からの要請や他の同業者では気づかない部分までカバーし、安心・安全をお届けするシステムが提供できるのです。これがすべてのインフラにおいて、質の高い安心・安全に繋がっていきます」

同社はこの領域を担っていることを強く意識して、事業を展開している。また、新システム、新製品についても果敢にチャレンジしているという。例えば、火を消す際にはいろいろな消火剤を使用する。

「こうした消火剤には火を消すという役割と裏腹に、環境問題が生じることがあります。例えば火を消す能力が高い泡消火剤の一部には、環境汚染などの問題を起こす有機ふっ素化合物を原料に使用してきたのです」

従来から多用されてきた有機ふっ素化合物は、世界中で大きな環境問題を引き起こしているひとつの要素だ。消火剤は頻繁に使うものではないが、日常的業務として火災現場に駆けつける消防士の健康に影響を与えるおそれが生じている。

「また、消火剤が地中に入ることで環境汚染につながる危険性をはらんでいるのです。それを知りながら使用していたのではなく、分かってきたのは最近のことなのです」

同社は業界の先頭に立ってこの問題に取り組んでいる。

「環境に悪影響を与える物質はもちろん、環境への影響が否定できない物質を使用せずに火を消すことができる代替物が求められています。消防機器などのハードの改善も含めて実験を積み重ねて対応しています」

個室ブースに消火設備を設置
発想を転換して出火させないために取り組む

新型コロナウイルスの影響に伴う生活スタイルの変化によって、新たな設備が誕生し、同社の事業領域も広がっている。

「駅や商業施設にリモートワーク用の個室ブースが設置されています。こうした施設にも消防用設備を取り付けることが消防庁から義務づけられています。当社の消火装置は、約5リットルの消火剤を備えた天井に取り付けるタイプで各メーカーから採用されています。今後はさらに機能を強化し、センサーが煙や熱などの異常を感知すると自動的に無線で通知し、警告音を発する装置を開発しています」

こうした取り組みは、最近増加している屋内の喫煙ブース等でも活用されている。

「消防法に適合する対策だけでなく、消防法では手当てできていない新たな施設にも対応することが当社の使命です。安心・安全の観点から社会生活を考えると、もっとできること、やらなければいけないこと、より安心・安全を実現できることがたくさんあります。安心・安全対策に終わりはないのです」

防災分野を幅広くカバーしながら、新たな製品の研究開発も積極的に行っている。

「これまでの防災は、出火した後にどうするかを主眼に対策してきました。これも大切ですが、原点に立ち返ると出火させないための方策が求められます。火災が発生する前に察知して守り、抑えるための対策が今後は求められていきます。これが社会生活の安心・安全につながります」

消防防災の世界には100%の再現性がない。あらゆるところに、課題が潜んでいる。

「すべての課題を解決しても100%の答えにはならないのです。更に良いもの、更に良い方法を探し続けなければいけません。従来の思考にとらわれることなく、発想を転換して進化していくことが必要です」

同社は日本を守るという大きな気概で、より高次元での安心・安全を提供することを目指している。そのチャレンジに終わりはないという。大きな社会貢献を果たしながら成長は続いていく。

出演者情報

  • 遠山 榮一

企業情報

  • 日本ドライケミカル株式会社
  • 公開日 2021.03.26

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