「知識・見識・胆識」意思決定と実行力を高める合言葉がこれだ!!
三井化学株式会社
代表取締役社長
淡輪 敏
100年を超える歴史と革新的な技術を用いて幅広いシーンでソリューションを提供している三井化学株式会社。市況の低迷により創業以来はじめてとなる3期連続赤字に転落。そんな中、社長に就任し、見事V字回復を果たした代表取締役社長、淡輪敏。100年の歴史と誇りを背負い、次の100年へと歩み続ける。淡輪が唱える時代を変える科学の力とは?
淡輪今、私どもが力を注いでいる領域ということで良いますと、一つはモビリティ。
宮川モビリティ。
淡輪はい。
モビリティ事業では、自動車などの軽量化・安全性や意匠性・快適性を提供している。
淡輪車っていうのは、今、いろんな意味で軽量化がキーになっています。そういう意味で今、だいたいどうでしょう。1台あたり50キロぐらいのプラスチックを使っております。今後は、もっとそれが増えていくようにしないと軽量化が難しいと。そういったことですね。それからもう一つは、ヘルスケア。
ヘルスケア事業では、健康・長寿社会の実現に向けた生活の質の向上などに貢献している。
淡輪レンズが、今はプラスチックに代わってます。この原料、世界シェアで半分近く当社の原料でございます。特に、屈折率の高い薄く作れるレンズ。これはもう圧倒的なシェアを誇っております。最後が、フード&パッケージングと申します。
フード&パッケージング事業では、食の社会課題の解決や安全・安心などを提供している。
淡輪生鮮食品の鮮度を保持するためのフィルムと。それで特殊な用途で半導体を作る時の保護用のフィルムとかいろんな用途がございます。その3分野に集中しているところです。
宮川そうした3つの事業をどういうふうな形で展開させようとさせているのですか?
淡輪共通の言葉として、くくると新たな顧客価値の創造ということで、いわゆるユーザー目線を大事にしながら開発を続けていこうという。今、意識を切り替えようというふうにしております。
宮川顧客価値の創造と、言葉では簡単なのですけれども、実際はどういうモノを作られるわけですか?
淡輪そうですね。これ分かりにくいですよね。今日は、そういうことで当社が取り組んでいる一つの新製品として電子メガネというものをお持ちしました。ちょっと掛けてみていただけますか?
宮川電子のメガネなのですか?
坪井こちらですか?
宮川これ普通に見えますけどね。
坪井はい。
淡輪普通のメガネに見えるんですが、右側にスイッチがありますのでこれを押して……。
宮川これですか?
淡輪ええ。
坪井変わりますね。この見え方が。
こちらは、三井化学が開発した遠近両用電子メガネ。次世代アイウェアTouch Focus。レンズの中に液晶を組み込み、タッチセンサーに触れるだけで瞬時に遠近の切り替えが出来る。
宮川しかし、この三井化学という会社の名前からは、なかなかメガネって結びつかないですね。
淡輪そうですね。よりユーザー寄りで皆さんがどんなところに困られているか、じゃあどんな技術を使ってどんな製品を開発したら良いかと。いわゆる新たな顧客目線という部分で作ってきたのがこういう例であると。他にも、そういう取り組みを続けていこうというふうに思っております。
この他にも三井化学では、敗血症の原因菌を迅速に検査、特定する新たな検査システムの開発や柔らかさ、強さの両方を併せ持つ不織布の開発など医療の分野でも世界初となる製品を生み出している。化学の力で夢を叶える。それが総合化学メーカーとして、三井化学が担う使命。
坪井ここまで三井化学のいろいろな取り組みを伺ってまいりましたが、ここからは人材についてお話を伺いたいと思います。三井化学では、今どのような人材を求めていらっしゃいますか?
淡輪どういう分野であれ、もうグローバル化対応が出来ないと通用しないと。これは、共通項として言えるんじゃないかなというふうに思いますんで。そういう意味で、積極性を持ち、語学にもトライし、そういう姿勢を持った人でないとなかなか、逆に働き場所、広がりという部分が非常に狭いモノになってしまうと。そういう気がしますんで。
坪井会社としては、職場環境はどのように考えていらっしゃいますか?
淡輪そうですね。あの、人も組織も明るくなきゃいけないと。明るい人に人も情報も集まり、それがツキを呼ぶようなそういうことが非常に大事なことだと。特に、組織の風通しの良さということを言っております。
ですから、それは上下関係。下から上にモノをちゃんと言えるかどうか、それが風通しの良さにつながるというふうに思っていますし、それが組織の明るさ、それにつながると。そんなふうに思っております。
宮川ただ、今の若い人はどうなのでしょう。私も大学で教えていますが、とても良い子なのですけど、なんか昔のような馬力があんまり感じられない。
淡輪そうですね。そういう部分もあるかも分かりませんけれども、ただそういう中でも、うちの若手は自発的に活動をやり始めているような例もございます。名前としては、素材の魅力ラボという、いわゆる研究者を中心にクラブ活動的に立ち上げてきたといったものがございます。
坪井本日は、いろいろなモノをお持ちいただいたということですが。こちらがそうでしょうか?
淡輪そうですね。これ、名前がリバーシという名前を付けております。
宮川リバーシ。
淡輪これは、下からUVを当てているんですが。ちょっとひっくり返して見ていただけますか?
坪井この透明のチップを?
淡輪はい。
坪井おお。色が変わりましたよ。これ他の部分もそうなのですか?
淡輪そうなんです。
坪井おお。不思議なモノですが、これは何のために作られたものですか?
淡輪これの可能性はいろいろあると思うんですが、あんまり事業に直結というより、いろんな可能性を遊び心でおっかけていこうと。これだけユーザーのニーズが大きく変わっている中で、今までの発想ではなかなかそれを捕まえきれないから別の視点で。例えば、五感ですね。
宮川はい。
淡輪そういったモノにどう対応していくかとか。そういったことで今までの我々が持っている素材の新たな可能性というのを追っかけていこうと。そういう趣旨ですね。
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