原点こそ大事!「色々なところに手を出して成功している人を見たことがない」の信念
カーコンビニ倶楽部株式会社
代表取締役社長
林 成治
「厳しい状況であれば、じっくり根を張っていくのが一番だ」。各分野に広がりを見せるフランチャイズビジネスにおいて一大成功を収めた男の、一貫した姿勢から生まれる戦略的イノベーションとは?
白石この番組では、企業の成長戦略を象徴する3つの言葉で進行させていただきますが、まず最初の言葉は何でしょうか?
林「チャネル戦略」ですね。
蟹瀬これマーケティングでいうと、販売経路という意味ですよね。これを戦略にしていくというのは、どういう事なんですか?
林販売戦略と言いましても、カーコンビニ倶楽部は何か小売りをしているわけではございませんので、サービスを提供する会社ですので、そうなるとサービスを提供する先はどうなるのかと言いましたら、一般の消費者の方々でございますので、一般の消費者の方々が加盟店に入りやすくしていくというのが非常に重要なポイントだと思います。私は昨年買収した時、まず最初に手掛けたポイントが、コールセンターを整備していくということを手掛けました。
林これは色々な調査をしていきますと、例えば車をぶつけますと、必ず誰かに相談した後に車を修理に持っていくという事が、一般の消費者の方の行動パターンなんですね。であれば、その相談先をカーコンビニ倶楽部のコールセンターにしましょうという考え方を持っていましたので、以前からずっとコールセンター自体はあったんです。ただ、非常に入電の件数は少なかったんですね。それを一気に10倍にしようという戦略を立てました。
蟹瀬その存在を知らせないとダメですよね?
林おっしゃる通りです。存在を知らせるためにプロモーションの計画を立てて、コールセンターの中自体も整備しなくちゃいけない。電話がどんどん入ってくるようになれば、その応対品質をきちんと考えなくちゃいけないという事がありましたので、昨年の1月に買収して、5ヶ月間準備期間を取りまして、6月からリニューアルをしました。結果、5月までの平均の入電件数がふたを開けてみると10倍になりました。今までは、コールセンターに電話をしますと、いわゆる音声応答でサービスの提供によって1番を押して2番を押して。
蟹瀬録音されてる、イライラするやつですね?
林それをまずは人間が応対する。24時間応対するんだという事に変えまして、同時並行的にプロモーションもやりました。今までカーコンビニ倶楽部、色々CMを打っていたんですけど、ある種そのCMは加盟店を開拓するという意味合いもあったんですね。加盟店にお客さんを送客するんだという、その一点に絞ったCMを打ったことがなかったんです。ですから、私6月からCMを打ち始めたときは、コールセンターのCMを打ちましたので、きちんとお客さんを誘導するためのCM、言ってみると、今日のご飯を食べるためのCMと将来のためのCMという2本立てにしたということですね。
蟹瀬短期、長期スパンを考えながらやられたんですね。ウェブも使われたんですか?今スマホとかありますしね。
林今おっしゃっていただいた、スマホからのお客さんの誘導、ウェブからの誘導、コールセンターからの誘導、全部トータルしてみますと、昨年の4月から今年の4月まで、そのチャネルから入ったお客さんの数が2倍になりました。
白石身近なものを使って、相談してまず安心するというところが大事ですよね。
林消費者動向がどうなっているのか、世の中の流れがどうなっているのか、色々考えてマッチングさせていくと、思わぬ結果になるという事ですね。
白石続いての成長戦略を象徴する言葉は何でしょうか?
林「トータル品質向上戦略」です。
蟹瀬その言葉通りだと、全部の品質をレベルアップするということになるんでしょうけど、具体的にはどういうステップを踏まれるんですか?
林先ほど、チャネル戦略の中で、お客様の数が非常に増えたという事をお話させていただいたんですけども、そうなってくると、困ったことがありまして、多少クレームが増えまして、端的に言いますと、もう少し応対を良くして欲しいというご意見が非常に多くなりました。
そうなりますと、宣伝すればするほど応対のところにポイントがあたるということになりまして、応対の品質も向上させないと、お客さんの数は増えたけどクレームの数が増えたということになり、何のためにやっているのかということになりますので、そういった部分で応対の品質を上げていこうという取り組みをしています。
蟹瀬この応対の品質というのはコールセンターの応対ではなく、加盟店の応対ということですね?
林そうです。加盟店の応対です。もう1つ、品質の向上というのは技術の向上ですね。もともと技術は非常にレベルの高いものを持ってるんですが、ただしお客様の数が増えてきても、作業効率が上がっていかない。
例えば一つの店で月に30台修理ができるキャパシティがあったとしも、50人のお客さんが来た時に、その50人のお客さんの処理ができなければ、その月に処理できなかったお客さんはクレームになってしまう。何度頼んでも、そんなにかかるのというような話になってきますので、クレームも増えます。加盟店の収益も上がらないという事がありますので、技術の革新もやっていかなければならないという二本立てを考えております。
蟹瀬加盟店の場合には、この方々の意識を改革しないといけないですよね。フランチャイズビジネスの場合、独立した一事業の主ですよね、加盟店の方々は。この辺は一筋縄ではいかないですよね?
林例えば、一つクレームが入ります。こういうクレームがあるんですけど、こうやって直していただけますかと話しても、なかなか思うように改善が進まないということがありますので、具体的な数値を示したうえで改善していこうと思いまして、今回ミステリーコールを実施しました。
出演者情報
企業情報
関連コンテンツ
カテゴリー別特集
リンク