クラウドコンピューティングの可能性。21世紀のグローバルカンパニーとは
アレックス株式会社
代表取締役兼CEO
辻野 晃一郎
ソニーのカンパニープレジデントを経てグーグル日本法人の社長を務めた辻野晃一郎が、自らの会社、アレックス株式会社を設立。クラウドコンピューティングを礎に様々な事業を展開している。辻野自らが語る、グローバルカンパニーの条件、そして日本の課題とはなにか。
蟹瀬まず最初に、賢者の数字というのを書いていただきましょうかね。この番組で恒例になっているんですけれども。辻野さんが考えられる経営ビジネスの芯になるような数字、これを是非お願いしたいと思います。
辻野いくつでも良いのですか?
蟹瀬何でも構わないです。
蟹瀬1、22、3、7。これはなんでしょう?
辻野さあ、なんでしょう。
蟹瀬ダビンチコードっぽい。
辻野そんなたいししたものじゃないです。まず、「1」っていうのはビジネスをやる上で常にトップを目指すっていうことは大事なのかなと常に思うのです。1番を取るっていうのは、どんなに頑張っても簡単に獲れるものではないですよね。だけど、1番を目指さなければ絶対に獲れないですよね。なので、目指しても獲れるかどうかわからないけどビジネスに限らず全て、スポーツでも何でもそうだと思いますけど。1番を目指すっていうこと大事だと思いますし。
蟹瀬目標は、高く。
辻野ですね。「1」っていう数字は、だいたい好きですよね。非常に好きです。「22」っていうのは、自分がソニーに居た年数なのですよ。
蟹瀬22年間いらっしゃったんだ。
辻野ええ。だから、そんなに会社変わってないですよ。
蟹瀬どうしてもそういうイメージなのだけど。
辻野22年も同じ会社にいたのですね。「3」っていうのは、グーグルに居た年数で、「7」っていうのは、ドッグイヤーありますよね。
蟹瀬ええ。ピョンって飛んでいくような。
辻野犬は、人よりも7倍早く年を取るっていうそういうところから、インターネットの時代のそういうスピーディな変化の激しい時代をドッグイヤーとかってよく言いますよね。その7なのですが、ちょうど、3と7をかけると21なんですよね。だから、ソニーの22年っていうのは、グーグルの3年に匹敵すると言いますかね。それくらい中身の濃い3年間だったですけれども。そんなことで咄嗟にこういう数字を書いてみました
蟹瀬面白いな。確かにね、このインターネットっていうのは登場してから、モノのスピードっていうか思考のスピードも速くならなければいけないと。
辻野そう。
蟹瀬そういうような時代になりましたからね。
辻野はい。
蟹瀬それで、ソニーっていうと2003年の4月のいわゆるソニーショックというね。これまで、輝けるように成長してきた企業が突然、そういった意味ではボキッと折れちゃったというような感覚で僕らは捉えましたけれども。あのソニーショックというのは、どういった理由で起きたのか?何が問題だったのかというのは、どういうふうにご覧になっていましたか?
辻野当時の我々にとっても、非常にショッキングでしたよね。ソニーっていうのは、日本人全体にとってもフラッグシップというところがありますから。やっぱり世界企業としてソニーの成長に対する期待っていうところはありますから、ソニーの社員のみならず、日本のいろいろな皆さんが持っておられると思うので。
なので、ことさらにソニーの業績悪化があっという間にマーケット全般に充満したのだと思うのですけれども。今から思うと、あの頃からソニーに限らず日本の製造業がネットの時代に対して出遅れ始める。そういうサインが出始めていて、それがソニーショックにもつながったんじゃないかなと思いますけどね。
ただマクロにみると、企業も人間と同じように寿命があるじゃないですか。なので最初の起業の時期から成長期があって、安定期があって衰退期に入っていくとすれば、4サイクルくらいで産まれてから市場から退場するっていうそういう流れの中に企業も置かれていると。そう考えると、ソニーも創業当時で60年くらいですよね。60年近く戦後生まれたソニーといえども、やっぱり年とってきているわけですよね。だから、その大きなサイクルの中でマクロでみるとああいうことが一つ起きたのではないのかなと。
蟹瀬そして、2006年ですか。ソニーを辞められてグーグルへ移られた?
辻野いや、その時はね。ただ辞めたんですよね。
蟹瀬なんで辞めたのですか?
辻野辞めるべきだと思ったので辞めたのです。辞めて、特に何も決まってなかったのですよ。次の転職する先も決まっておりませんでしたし、とにかく辞めたのです。辞めてハローワークとか行っていましたからね。何回か辞めようと思ったことありましたけれどね。留学から戻っていろんな反応が良かったりしたときに、これ辞めた方がよいかなとか何回かあったのですけど。
でも、本当に楽しかったですからね。仕事が面白くて、やりがいがあったので。あの段階でやめるっていうのは、そんなに想定していたわけでは無かったのですけど。ただ、あの段階はとにかく辞めると。それで、先のことはあんまり考えなかったのですけど。グーグルとの出会いっていうのもたまたまなんですよね。
出演者情報
企業情報
関連コンテンツ
カテゴリー別特集
リンク