アメリカからロシア料理にも!?
「万能調味料」醤油で開く
「挑戦」の経営


キッコーマン株式会社
代表取締役会長 
茂木 友三郎

特選インタビュー

目まぐるしく変化する世界経済と地球環境。かつてない変化とスピードの違いに我々はどう向き合う。時代を牽引する賢者のターニングポイント賢者の選択。日本の食卓には欠かせない醤油を世界ブランドに育て上げた企業がある。老舗醤油メーカーキッコーマン。戦後日本企業の中でもいち早く国際化戦略を打ち出し、1951年のアメリカ市場に進出。それからおよそ半世紀頃現在では世界100カ国以上にその販路を広げている。グローバル展開を加速させ更なる成長戦略を描くキッコーマン株式会社会長茂木友三郎、その経営理念とは。

困難を極めたヨーロッパ進出

茂木ヨーロッパでマーケティングを始めたんですけど難しいんですよ。アメリカ人と比べるとヨーロッパの人はやはり保守的ですから、それから古い食文化を持っているんですね。

蟹瀬そうですね。

茂木フランスなんか行くとひいおばあちゃんの時代から続いてるなんてレシピが。

蟹瀬強くてなかなかそう簡単に新参者が入って来られない。まして外国からだとなりますとね。

茂木それで時間かかりましたけどね。しかしどういうわけか知りませんけど、1990年代に入って一気に伸び出したんですよ。

蟹瀬日本食ブームというのも背景にあったんですかね?

茂木必ずしもそうでもないでしょうね。

蟹瀬そうでもない?

茂木何かやはりそういう新しいものを取り入れようと言う雰囲気にだんだんなってきたんですかね。

蟹瀬ヌーベルキュイジーヌと言われるいわゆるそっちの世界。

茂木それで90年代だんだん伸びてきましたのでそして97年にオランダに工場を作ったんですね。それ以降もずっと二桁成長ですよ。

蟹瀬そうですか、その他の要するにそういう範囲に入らないヨーロッパの国というのはたくさんある訳ですよね。その辺もでも販路は広げて行かれたんですか?

茂木ずっと前から割合、主力市場はドイツ。それから北欧、それからイギリス、オランダ、スイス、こういったところが昔から主力市場ですが、最近ねロシアが伸びてるんですよ。

蟹瀬ロシアでお醤油っなんとなくイメージ的には不思議な感じ。元々ロシアってなんか味がありそうでないような食べ物多いですか。

茂木きっかけはねやはり寿司。寿司バーなんですね。モスクワに寿司バーができて、そこに醤油が使われ始めた。

蟹瀬お金持ちが使い始めた?

茂木それがきっかけで使われ始めたというのがきっかけですけど。しかしその後ね今のロシア料理も、ロシア料理にも醤油使ってくれたということで、ロシアはね将来楽しみかもしれません。

蟹瀬まあこれだけの規模がありますからね。そしてアメリカ、ヨーロッパ、まあロシアもあり、で最後はアジアという感じですか?

茂木中国を中心としたアジアですね。去年万博があったでしょ上海でね。

そして中国市場へ

茂木その万博の日本産業館に私ども参加しましてね。その日本産業館の中に紫という高級料亭を出したんですよ。

蟹瀬はいはいテレビで見ました。

茂木これが割合ご好評いただいてお客様の8割が中国人だったんですね。ですからこれを機会に中国を中心としたアジアでも商売を広げたいと。

蟹瀬所得も伸びてますからね。それであのキッコーマンからのデータですけれど、見ますとね。海外における醤油の売り上げの平均伸び率8.4%。ということはこれからの売上比率ですね、国内と海外の、これどれくらいになってくると感じなんでしょうかね?

茂木現在ね、海外のこれ醤油も含めて全部の数字ですけどね、海外の売り上げが全体の4割、それから営業利益は海外の営業利益は全体の6割なんです。

海外事業 売上の4割 営業利益の6割を占める

蟹瀬そうなんですか。

茂木これはねそんなに遠くない将来に海外の売り上げが半分を超すことは間違いないと思いますね。

蟹瀬ますますグローバルカンパニーになっていくということになりますね。

茂木そういうことになりますね。

蟹瀬さてこの番組ではゲストの方に賢者の数字と言う経営の指針と言いますか哲学と言いますかそういう数字を書いていただいてるんですけど、ぜひ茂木会長にもお願いしたいと。

茂木あまり賢者でもないですけど。

蟹瀬いえいえそんなを謙遜を。

賢者の数字

茂木二ケタ。

蟹瀬これはどういう意味ですか?

茂木これはね私がねこれからやっぱりグローバリゼーションをどんどん進めていくために、海外の売り上げを二桁成長させると。

蟹瀬毎年?

茂木はい、言ってるんですよね。さっき数字を出して頂きましたけど、ほぼ二桁に近い成長で今のところ来ておりますね。それでアメリカがですね工場ができて30年間平均二桁成長だったんですよ。

蟹瀬そうなんですか。

茂木ヨーロッパはさっき申し上げた通り、1990年くらいから今まで約20年ですね平均して二桁を実現しているということで私がいつも言ってるのは海外の市場では二桁成長しないと。売上よりも利益の伸びの方を高くしろと。

蟹瀬これはしかし働いてるほうは大変ですね。でも確かに目標というのは高い目標を設定するのはどうなんでしょう経営者としては大事なことでしょうね?

茂木それはそうですね。

蟹瀬実現できそうなところに目標設定しても。

茂木だから実現不可能じゃ困りますけど、努力すればなんとか近いとこまで行くという、あるいは実現できるというものが必要ですよね。イージーに行けるというんじゃこれはまあ締まりませんね。

出演者情報

  • 茂木 友三郎
  • 1935年
  • 千葉県
  • 慶應義塾大学

企業情報

  • キッコーマン株式会社
  • 放送日 2011.02.27
  • 業種:
  • 食品/商社
  • 本社:
  • 千葉県
  • 所在地住所:
  • 千葉県野田市野田250
  • 資本金:
  • 11,599百万円
  • 売上高:
  • 4,083億円
  • 従業員:
  • 5,933名

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