300年企業が歴史的危機を乗り越えた「小商いのセンス」と「クラウド」とは


国分株式会社
代表取締役会長兼社長
國分 勘兵衛

特選インタビュー

江戸時代の初め、五街道の起点とされた現在の日本橋。この地で江戸時代から事業を繰り広げる創業300年の老舗企業国分(こくぶ)株式会社がある。国分は江戸中期に伊勢の4代目勘兵衛がしょうゆ醸造業を起業し日本橋に販売拠点を設けたことに始まる。明治に入って業態を転換し、卸問屋として様々な食料品を市場へと提供してきた。また、自社ブランドの缶詰製品なども生産、K&Kブランドとして消費者に広く知られている。元気な優良企業でいられるのは30年までと唱えられる一方で、老舗企業の長寿のゆえんとは。国分をけん引する國分勘兵衛の成長戦略に迫る。

宮川(以下、宮川)Leader & Innovation・賢者の選択、ナビゲーターの宮川俊二です。

白石(以下、白石)白石みきです。

宮川ある民間の調査会社の調べによりますと、創業100年を超える企業、老舗企業は日本には2万社を超えると言われております。またそのうち創業500年を超える企業が30数社になるということなんですが、残念ながらこの時代の中で倒産する企業が出ているのも現実です。その理由は何でしょうか、やはり今の円高、ヨーロッパの信用不安、東日本大震災など、様々な要因が考えられると思います。そんな時代に求められる企業の成長戦略と変革を今回は長寿企業に探ってみます。

白石それではゲストの方にご登場いただきましょう。今年創業300年を迎えました日本橋の老舗、卸売業のリーダー、この方です。改めてご紹介させていただきます。国分株式会社代表取締役会長兼社長、國分勘兵衛さんです。よろしくお願いいたします。まず、早速ですが、国分を一言で言うと、どのような特徴をもった会社なんですか。

國分会長日本橋のたもとでお酒と食料品を卸しております問屋です。そして社内の変化に応じて常に新しいものに挑戦をしていく、そういう会社です。

白石なるほど。とても歴史のある企業でございますが、今回番組では、企業の成長戦略を象徴する3つの言葉で進行させていただきます。まず、最初の言葉は何でしょうか。

國分会長「信用第一」です。

國分勘兵衛の成長戦略① 信用第一

宮川やはり老舗企業、まず信用ということですね。

白石では詳しく伺っていきます。どうぞこちらへ。

白石プロフィールを拝見いたしますと、国分会長は慶応義塾大学を卒業されて、味の素に入社されておりますが、どのような経緯があったのですか。

「味の素」へ入社

國分会長味の素は100年を超す老舗企業ですけれども、ちょうど味の素が発売されてすぐの時から私どもの会社の大切なお仕入れ先になりました。学校を卒業してすぐ自分の会社に入るよりも少し社会勉強のつもりで味の素にご厄介になりました。

宮川それでこの味の素ではどういうことを学ばれましたですか。

國分会長味の素では、川崎工場で経理部に所属して、それからあとは海外事業部で貿易の勉強を少しさせていただきました。

宮川そして、いよいよということになられたわけなんですが、こちらに今日300というバッジもついておりますけれども、そちらは300年という歴史がちょっと膨大で分からないのですが、やはりその企業にはそれぞれ危機というものがあったと思うんですけれども、そのどれくらいのどんな危機があったんですかね。

國分会長その300年にちょうど私がめぐり合わせたわけですけれども、300年の間には危機が多くあったと思います。例えば明治維新でありますとか、それから関東大震災でありますとか、太平洋戦争、それから敗戦ということですとか、色んな危機がございまして、現在でも販売競争が非常に厳しいですから、現在でも危機意識をもちながら商売をしております。

宮川そうしますと、そういった今大きく言うと3つがありましたけれども、その危機をどういうふうな変革で乗り越えてこられたんですか。

乗り越えてきた危機①「明治維新」

國分会長創業以来、醤油の醸造をして船で日本橋に持ってきてそれで販売をしておりましたけれども、維新になりまして世の中が変わってきたものですから、しょうゆの醸造をやめてそれで新しい商品を売ると、しょうゆの商売は元よりですけど、新しい商品を売るようになりました。そこで一つ大きな転換があったと思いますね。例えばビールですとか、さっきの味の素ですとか、色んな新しい商品がどんどん、缶詰ですとかが入ってきて、そういうのを販売するようになりました。

宮川そうしますとその時の社長、代表の方は、これからは戦争ではなくて、ものを売る時代だとお考えになったんですよね。

國分会長醤油っていうのは仕込んでから醸造、出来上がるまでに相当期間がかかるし、その間お金も減るんですね。ちょうど維新になった時はその藩に、土浦藩とか、色んな藩に貸していたお金が回収不能になるとか、いろいろ困った時代だと思うんです。それで醸造するよりも販売をした方がいいんじゃないかということで、商売の方に変わった、物品販売業に変わったということじゃないかと思いますね。

宮川そして次が関東大震災ですね。

乗り越えてきた危機②「関東大震災」

國分会長関東大震災の時はほんとに焼けてしまったんですね、東京中が。生活者がもう食べるものがなくなって困るわけなんですけれども、そこでいち早く産地からお醤油を取り寄せて、野田ですとか、調子ですとか、そういうところから取り寄せて、もう震災が終わった10日ぐらいあとからもう販売ができるという形になりましたし、また恵比寿にエビスビールというのがありますけども、そこと契約していたものですから、エビスビールから色々と飲料水ですとかそういうものを買ってそれで販売するとか、すぐに生活者に対応できるような形が取れたということだと思います。

宮川その復興と言いますか、震災で一番大切な、そういった基本的な食料、水などを供給されたということですね。

國分会長そうですね。それだけの組織力があったということじゃないかと思いますね。

宮川そして第二次世界大戦、終戦となるわけですけれども、これはどういう時代を。

出演者情報

  • 國分 勘兵衛
  • 1939年
  • 兵庫県
  • 慶應義塾大学

企業情報

  • 国分株式会社
  • 放送日 2012.10.07
  • 業種:
  • 商社(食品・農林・水産) 食品
  • 本社:
  • 東京都
  • 所在地住所:
  • 東京都中央区日本橋1-1-1
  • 資本金:
  • 35億円
  • 売上高:
  • 1兆8,178億円(2016年12月期)
  • 従業員:
  • 4,978名(連結)(2016年12月期)

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