「最適の解が、最善の解」四社統合や歴史的エネルギー転機を乗り越えた矜持
ジクシス株式会社
取締役社長
土井 隆之
ジクシス株式会社。2015年、コスモ石油・昭和シェル石油・住友商事・東燃ゼネラル石油のLPガス事業が統合し設立。各社が持つ幅広いネットワークを活かし、LPガスの輸入調達、出荷基地運営、物流・卸販売、海外トレードを展開している。近年LPガスは都心への人口集中化などの理由から需要の減少が進んでいる。しかし需要の先細りが危惧される反面、LPガスは災害時などに役立つ分散型エネルギーとして再評価もされている。そんな中インフラとしての使命と新たな可能性を追求し続けるのは、代表取締役社長、土井隆之。
こちらは日本と海外を結ぶLPガスの輸入基地。
坪井私は今ジクシスのLPガス輸入基地に来ています。ここは一般の方は入れない場所なのですが、今回は特別に撮影許可をいただきました。この基地ではどのような業務をされているのか、早速お邪魔したいと思います。
海外からタンカーで運ばれてきたLPガスは、まずは輸入基地へと運ばれ管理される。
坪井ここがLPガスの輸入基地! タンクがたくさんありますね。近くで見ると本当に大きくて。このガスが私たちの家庭に最終的に届いてるんですね。
坪井こちらの基地では普段どのような業務を行っていらっしゃるのでしょうか?
榊原はい、海外から届いたLPガスを、品質管理・安全管理を徹底して貯蔵しております。
こちらはジクシスがチャーターしている、全長およそ230メートルの大型冷凍LPG船、Gコマンダー。このタンカーはカタールから24日間かけておよそ44,000トンのLPガスを日本へと輸送。碧南基地には中東などから年間20隻前後のタンカーが入港している。
タンカーから基地へと移送されたLPガスはこちらのタンクで低温貯蔵される。その後タンクローリーや内航船で各地域へと運ばれていく。
坪井なぜ低温で貯蔵されているのでしょうか?
榊原はい、大量のLPガスを効率良く保存するためには、低温・低圧で貯蔵する必要があります。低温であると液状になりますので、それで保存することによって、大量に保存することができます。
坪井どれぐらいの量が貯蔵されているのですか?
榊原一つのタンクで26,000トン貯蔵されております。
坪井業務をする際にどんなことに気を付けていらっしゃいますか?
榊原安定供給のために、毎日の点検で設備の異常がないかに気を配っております。
坪井どういったことにやりがいを感じますか?
榊原LPガスは皆様から必要とされているエネルギーだと思っています。そのLPガスを安定的に供給できることにやりがいを感じております。今後もそれを継続していきたいと思っております。
蟹瀬さて、2011年に起きたあの東日本大震災で、分散型エネルギーという形でLPガスが大変注目されました。それはどういう風にご覧になりました?
土井はい、我々も災害時対応ということでLPガスの需要開拓をしているわけですけれども、例えばLPガスの大きな貯蔵容器を据え付けて、そこに電気とお湯を作れる設備を付けて、それを学校とか病院とか集会所に据え付けていくというような需要開拓をしているわけですね。
ただ問題はですね、学校・病院・集会所、監督官庁がみんな違うんですね。一律にそれをすぐ導入するっていうわけにはいかないので。これは私どものお客さんであるディーラーさんと一緒になって、その辺の交渉をしていく、支援をしていくというようなことが必要かという風に思っています。
蟹瀬昔から言われているこの縦割り行政の壁っていうのでしょうかね、そういうものをどういう風に壊しながら協力していい結果を出していくか、この辺はこれからもまだ課題になるということですね。
土井はい。地道な活動が必要じゃないかという風に思っています。
LPガスの力で生活をより豊かなものへ。そして新たな可能性を追求し、より必要とされる存在へ。それがジクシスのエネルギー供給会社としての使命。
坪井さて、土井社長のプロフィールを拝見しますと、大学卒業後、住友商事に入社されました。住友商事ではどのようなお仕事をされていたのでしょうか?
土井1977年に住友商事に入社いたしまして、その後二度ほど海外駐在したんですけれども、30年間何らかの形でLPガスの仕事を手伝ってきました。
坪井30年間も?
蟹瀬だって70年代と言えば、オイルショックが73年と79年にある。だからあの頃はもうエネルギーに関しては相当いろんなことが起きてた時代ですよね。
土井そうですね。
土井私がパリにいるときにちょうどイラクがクウェートに侵攻したときで、その頃はもう本当にLPガスの調達っていうのは大変でしたね。日本の船が中東のあそこの湾岸の中に入れない、外国船は入れると。外国船での船積みをやるとLPガスを日本に持って来られるというような状態でしたね。
土井30年間LPガスの仕事をやった後に、その後LPガスの仕事が流れまして、10年間離れてたんですけれども、ちょうどこのジクシスができたということで、もう一度この会社を見てくれというようなことになったので、最後LPガスの仕事をやって会社とそれから社会に貢献しなきゃいけないかなという風に思った次第です。
蟹瀬何かもう他のことやろうかと考えられなかったのですか?
土井まあ、ありましたけれども、やっぱり頼まれると、断れないですね。
蟹瀬そうですか。あの頃、あれですよね、事業統合で出来上がってきたということですよね。これには、統合するには統合する理由があったわけですよね。
土井やはりLPガスの需要がどんどん減っているというところで、まあ過当競争があったわけですね。そうすると自然やはりみんなでまとまろうということですね。
こちらは2015年から毎年開催されている年末恒例のイベント。このイベントは4社の事業統合に伴い、社員の親睦を深める目的で開かれ、幹事はそれぞれの出向元から一名ずつ選出されて企画・運営を行っている。
坪井今日は皆さん、イベントの合間をお借りして、幹事を務めていらっしゃる出向元の違う4名の方にお集まりいただきました。4社が統合してできた会社ならではのお話を聞ければと思っておりますので、よろしくお願いします。
一同よろしくお願いします。
坪井ジクシスは2015年に4つの会社が統合して誕生しましたけれども、当時統合の話を聞いたとき、どのようなお気持ちでしたか?
仁木本当に通用するかなっていう不安はあったんですけれども、それよりもスケールの大きい仕事ができるチャンスが来たんだなということで、非常にワクワクしていた気持ちが今でも思い出に残っていますね。
森川危険も大きいですし、うまくいくのかなという、期待というよりも不安の方が大きかったというのがまあ正直なところでございました。
酒井今まで取引先であったりとか競合他社であった会社と一緒に仕事をするということで、自分がその中でうまくやっていけるのかなという不安がすごくあったというのが正直なところですね。
内田ライバル会社の方々と一緒の仕事になるということで不安になった思いがあります。それと同時にやっぱりワクワクする気持ちも持っていました。
坪井さて、今日はジクシスの絆を深めるための毎年恒例のイベントが行われていて、皆さん幹事ということなのですけれども。このイベントに何かテーマを持ってやられているのですか?
仁木ジクシスとなって1000日が経過したという節目でもありますので、楽しいこととか、大変だったこととかその辺をもう一度振り返ってもらって、次の1000日、2000日に繋げてもらいたいなというのをテーマに据えているつもりです。
坪井このようなイベントを開催することで、社内だったり社員間での何か変化はありましたか?
酒井普段話をしないような人ともざっくばらんに仕事の話なりその他の話なりすることで、ジクシスで会社全体というのを考えるいい機会になっているのかなと思いますし、こういうのが一年に一回あるというのはすごくいいことだと思っています。
内田このパーティーをきっかけに仕事も、ちょっとした相談をあの部署にしたいなといったところで皆さんが相談しやすくなるというか。今この仕事やっているのはあの人だったなというのがすぐわかるようになるというのが、パーティーをやって良かったなと思うところです。
坪井今後、出向元の違う皆さんと力を合わせてやっていきたいことは、どのようにお考えですか?
仁木設立から今までいろんなことがあって、いろんなものを乗り越えて今に至って、次のプロセスってやっぱりそれをどうやって繋げていくかっていうところが、まずこの会社に課された大きな使命というか責任なのかなと感じていますので。今まで築いた土台っていうものを後進というか、次の人たちにどうやってうまく繋げていって、新しい形を築いてもらえるか。その辺の準備みたいなものが少しずつできたらいいな、なんて少しずつ考え始めてはいます。
酒井違うところから集まっても一緒に協力して仕事ができるんだよという風土が今ジクシスにはできていると思うので、まずその風土を継続させてより良くしていく、そういうことができていければいいのかなと思っています。
内田もっともっとジクシスらしいやり方をみんなで見つけていって、それが今後来る新入社員の方々にも継承していけるように、今できることは努めていきたいなと思っています。
坪井なかなかない、この4社から出向されて統合したという、本当に貴重なお話、苦悩もたくさんあったと思いますけれども、今後のビジョンがすごくうかがえて楽しかったです。本当にありがとうございました。
一同ありがとうございました。
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