「あてにしない、あきらめない」、現場も人生も切り開くエンジニアリングの力
三機工業株式会社
代表取締役社長
長谷川 勉
三機工業株式会社。1925年、旧三井物産機械部を母体として、三機工業株式会社が設立。関東大震災からわずか1年半、建築工事設備会社として、復興の重要な役割を担いながら成長。その後、高度成長を支える建築設備工事業として発展。また、人と技術の力で数々の賞を受賞するなど名実共にリーディングカンパニーとして業界を牽引している。バブル崩壊、不況の波をものともせず、成長をし続ける三機工業の強さを、代表取締役社長長谷川勉はこう語る。
ドーキンズ社長ご自身は、社員の皆さんとどのようにコミュニケーションをとっていらっしゃるのですか。
長谷川とにかくしゃべる。お互いに接する機会を多くしたいということで、2016年度に全国を周らせていただきました。主に若い方とコミュニケーションアップということで、意見交換会をさせていただきました。基本のルールはただひとつ、向こうからこちらに聞くと言うことです。これを基本にして、約300名ほどやらせていただきました。
宮川例えばどういうことが出るのですか?
長谷川これは本当にいろいろです。現場で休めないけど、どうにかしてほしいとか、もっと凄いのは、社内の規則をコピーして直談判みたいなものもありますし、まあもちろん、どうやって社長になったのですかとか、趣味はなんですかとか、何でも聞いていいことにしていますので、仕事以外でも聞いてものはあります。ですから自分の悩み、あるいは、希望だとか、こうやってうまくいっていますというような嬉しい話もあります。
人を磨き、技術を磨くには、日々の充実した生活が土台となる。心の余裕を育てること、それがこれから歩む三機工業の道。
宮川さて、ここまでは働き方改革について伺ってきましたけども、やはり職場環境も重要ですけども、やはり、採用された方々のスキルアップや教育もとても大切だと思うのですが、いかがでしょうか。
長谷川そうですね。これはおそらく各社さんがいろいろ悩むところではあると思いますが、われわれは技術の会社ですので、18年度に三機テクノセンターというところを神奈川県の大和市に作ります。これは一言で言うと、学校と研究所と研修所、これを全部あわせ持ったような施設になります。いろいろな職業をやっていますけれども、基本的な要素技術、基盤の技術となる共通のものがあります。それを応用していろいろなところに使う、それがエンジニアリングの良さなのかもしれないですけれども、その基本的なところ、例えば安全というのは、どういう現場でどういう職種であっても、それは同じように必要ですので、そういった共通のものを学んでいきたいと思っています。
ドーキンズ私は今、神奈川県大和市に改装建築中の三機テクノセンターにやってきました。今日は中に入っていろいろなお話を聞いていきたいと思います。
佐藤こんにちは。よろしくお願い致します。ちょうど中が工事の真っ最中なので、ヘルメットの方をお願いします。
ドーキンズ今まだ作っているのですものね。
佐藤そうですね。
2018年秋に完成予定の三機テクノセンター。地上6階地下1階建ての施設で三機従業員が技術を磨き、コミュニケーションを図ることを目的としている。
ドーキンズ今このお部屋は、かなり天井も高いのですが、どんなお部屋になる予定なのですか?
佐藤はい。こちらの方はですね、今我々がいる部屋で、安全の研修施設を作るつもりでいます。こちらなのですけれども、これは安全帯のぶら下がり体験ということで、実際の工事現場の中では、墜落転落、それから身を守るために安全帯と言うものを腰から巻く形になります。いくらこれを付けていても体にかかる重圧がかなりのものになります。その重圧は落ちてみればわかるのですが、逆に言うと、落ちてみなければわからないということになるので、この場所で実際にぶら下がった場合、どれだけの重圧がかかるのかというのをこちらで体験してもらうことになります。
ですから、目で見る、あるいは耳で聞く以外のほかに体で覚えるというのがこの研修施設の特徴になります。
ドーキンズ他には何かあるのですか?
佐藤はい。重量物の挟まれ体験エリアという形で、こういったものも作る形になっています。
ドーキンズこれは何をしているところなのですか?
佐藤はい。これはローラーなのですが、けっこうこのローラーに手が巻き込まれるとか、機材が巻き込まれて、それを引っ張ろうとしてその反動で手がいっちゃったとか、そういったことがあるので、それがどのくらいの力になるのかをこちらの機械を使って体験していきます。あと、こちらの重量物のほうは、これだけ重いものをワイヤーでこのクレーンに引っ掛けるのですが、ワイヤーと重量物の間に指が挟まれて、それで怪我をしてしまうという事がありますので、それも実際にこちらのほうで見てもらうことができます。
ドーキンズ疑似体験することで危機意識も持てるということですか?
佐藤そういうことですね。実際に現場に出たときに、例えばそこに危険が潜んでいるとか、そういったものを見抜く目を養うための施設にしたいと思っています。
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