「あてにしない、あきらめない」、現場も人生も切り開くエンジニアリングの力


三機工業株式会社
代表取締役社長
長谷川 勉

特選インタビュー

三機工業株式会社。1925年、旧三井物産機械部を母体として、三機工業株式会社が設立。関東大震災からわずか1年半、建築工事設備会社として、復興の重要な役割を担いながら成長。その後、高度成長を支える建築設備工事業として発展。また、人と技術の力で数々の賞を受賞するなど名実共にリーディングカンパニーとして業界を牽引している。バブル崩壊、不況の波をものともせず、成長をし続ける三機工業の強さを、代表取締役社長長谷川勉はこう語る。

ルーツ

ドーキンズさて、長谷川社長のプロフィールを拝見しますと、1975年に入社されていますが、入社当時はどのようなお仕事をされていたのですか?

長谷川大学の工学部を出てきましたので、エンジニアとして入ってきました。最初は先程言った空調設備、建築設備の中の空調、それも産業空調ということで、工場なんかの特殊な環境を作る、その企画設計を長い間やりました。
例えば自動車のシミュレーターなんかの、マイナス50度からプラス80度まで温度を制御するとか、速度200キロくらいまで耐えるとか、そういう設備だとか、あとは、半導体なんかの非常に特殊なクリーンルームみたいな清浄な空間を作るとか、薬を作るための無菌、そんなことを30年くらいやってきまして、それから前の社長と一緒に、会社の組織だとか政策だとか、そういうのをバタバタやっていました。

宮川100年近くの歴史ということになりますと、やはり三井というのもありますし、変わらないものと、変わらなきゃいけないものと、いろいろあると思うのですけれども、どういうふうに考えてらっしゃいますか?

長谷川それはやっぱり、守らなきゃいけないこともある、壊しちゃいけないものもある、その中で社長になったときには、まず、前の教えというか、社是だとか理念がありましたので、それを変えて三機スタンダードというちょっと新しい形にリメイクしたと。決してそれは新しい……今までと違った異なるものを作ったわけでは無いのですが。

こちらは長谷川が掲げた三機スタンダード。ここには三機らしさのほかに、歴史に紡がれたある想いも込められているという。

宮川これは三井家のDNAみたいなのもあるわけですか?

長谷川そうですね。ひとつは、三機らしさというのが三井らしさで、三井と言うのは三井高利という、いわゆる呉服、越後屋さんの呉服をやった人なのですが、それまでは呉服店というのがいわゆる定価がなくて、ツケ払いの掛け売りという形だった……非常に不明朗な商売だったのを、その三井高利が、現金掛け値なしという形でやったのですが、結局は、正直な仕事、商売というのがあるので、それを気持ちの基本に、我々もしたいと思っている。

宮川それを実現するのは、なかなか難しいことですが、いかがでしょうか、

長谷川技術と人の質を高めるというのを基本にしているのですけれども、基本というのが三機スタンダードを実践することによって、それができるのかなと考えています。

働き方

ドーキンズ働き方改革としては、具体的にどのようなことをされているのですか?

長谷川まあ、最初は長時間労働削減プロジェクトという重々しいのがあったのですが、「それ自体が疲れるよね。」ということで、スマイルプロジェクトと言う名前に変えました。実際に働く人からのいろいろな工夫が欲しいと言うことで、組合の人たちと一緒になって、いわゆる1番のスローガンが「休む強い意志と、休ませる決意」という、この両方を、これをやる人とこれを管理する人両方が、両輪になってやりましょうというのがスマイルプロジェクト。

宮川それ以外のところでは、何かやってらっしゃいますか。

長谷川はい。「女性活躍」というのをやっています。では男性が活躍しなくていいのかという話がありますが、1つだけ文字を入れて「女性も活躍、推進」という言い方をしています。「女性が活躍」というと、女性がバリバリやれというような形になり過ぎるので、むしろ「男性と同じくらいマイペースでやってもいいのではないか」という意味での平等感と、とは言っても、やっぱり徹底的に違う部分がいっぱいあります。もちろん出産であるとか育児であるとかがありますので、それに対しては、制度として育休や産休はどこでもありますが、そこで「多少短い時間、多少中期で会社を休んだときに、もう一回会社に戻ってきてね。」というようなジョブリターンというものを制度にしています。

ドーキンズ働いている方の気持ちに寄り添うシステムが多いですね。

長谷川そうですね。男性にはなかか相談できない人のために、女性が受けて女性がそれに対して答える、「女性ほっとライン」。そのホットが「ほっとする」の「ほっと」なんです。平仮名でね。女性の担当者がそういう名前をつけて、いわゆる相談窓口を設立したのです。

こちらは女性同士の交流、情報交換を目的に開かれている三機レディ座談会。長谷川も参加し、それぞれの現場で働く全国の女性社員の率直な意見を出し合う場となっている。この座談会の趣旨について担当者に話を聞いた。

山下女性と言うひとくくりで考えているわけではなく、女性の中での多様性という意味で、当社として、昨年度がワーキングマザーの座談会を実施して、今回が女性技術者と言う括りで。

参加した女性社員に話を聞いた。

大橋トイレや更衣室もそうなのですが、やっぱり男性目線で作られたものが多いので、女性には少し厳しいというところもあります。すごい話を聞いてくれる社長なので、変えてくれるのではないかと期待しています。

この仕事は嫌いではないのですよ。楽しいと思う面もあるし辛いと思う面もあるのですけど、ただ、「なぜそこまでやれるのですか?」と聞かれたときに、やっぱり自分の中で諦めてきた部分もあるのですよね。正直。だから、現場担当者でも結婚はできるし、子供も産めるのだということを、誰かが道標を作っていかないといけないと思うのですけど、それはいろいろなところを巻き込んでやっていかないといけないのかなと思っているので、発信源としてやって行けたらいいかなと思います。

今後の展望は?

山下様々な働き方というものが大事になってきますので、それに対応した座談会を今後も実施していきたいですね。

出演者情報

  • 長谷川 勉
  • 1953年
  • 東京都
  • 慶應義塾大学

企業情報

  • 三機工業株式会社
  • 放送日 2018.02.25
  • 社名:
  • 三機工業株式会社
  • 業種:
  • 建設・設備関連 プラント・エンジニアリング
  • 本社:
  • 東京都
  • 所在地住所:
  • 東京都中央区明石町8-1
  • 資本金:
  • 81億518万円
  • 売上高:
  • 1,685億1,200万円 (2017年3月期)
  • 従業員:
  • 単体:1,933名 連結:2,339名 (2017年3月31日現在)

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