琵琶湖型経営!?「全部が力を合わせ、目標に向かっていこうやないか」の迫力
ヘリオス テクノ ホールディング株式会社
代表取締役社長
斉藤 定一
「でっかい恐竜(大企業)が生き延びたわけではないし、一番長く地球で生き延びたのはね、ウイルス(中小企業)ですよ」。小さな会社ほど、変化しやすい。経営破綻の危機からV字回復、仰天の大逆転。ヘリオス テクノ ホールディング株式会社、斉藤定一が提唱した「琵琶湖型経営」とは?
坪井メイン事業としてきたハロゲンランプの競争力がなくなったうえに、倒産により信用をなくし、また十分な運転資金もなく、日本メーカーとの取引拡大は不可能と思われました。斎藤社長は再建への道は新製品、新市場の開拓以外にないと考えました。そんなとき、開発中のあるランプの存在を知りました。
そのランプとはアメリカの大手プロジェクターメーカーであるインフォーカス(InFocus)社向けに開発していたプロジェクターランプだった。斉藤はこの新しいランプの開発に社運を掛ける決断をした。
蟹瀬まさに、一点突破と。それを選んだ理由というのはどのあたりにありますか?
斉藤選んだ理由というのはね、プロジェクターというのはちょうど立ち上がりかけたところの製品だったんですよね。プロジェクターメーカーにとっては、よそよりも少しでも明るい良いプロジェクターを作るための、「ランプ」がキーデバイスなんですよね。
蟹瀬そうですよね。
斉藤各社が自分のところ向きに作ってくれるランプメーカーはないかと探していて、ランプを作っているのはフィリップスだったり、オスラムだったり、日本でも作っていましたけれども、大手メーカーだけなんです。そうしたら、いくらインフォーカスがトップブランドといっても、インフォーカス向けだけにランプを作ってくれる会社なんかなかったわけですね。 いいものを安く作れば優れた会社とか、金があるないとか抜きで、アメリカのメーカーはそんなことあまり気にしませんからね。アメリカの景気が長かったから、アメリカのメーカーだとにらんだんですね。だから、一社に向けて全力投球です。
坪井アメリカの大手プロジェクターメーカー向けという新市場で新製品のランプ開発はフェニックス電機の技術力が遺憾なく発揮され、要求通り、これまでの倍以上明るいプロジェクターランプが完成したのです。
斉藤インフォーカス向けに作った新しいランプというのは、今までの設備では品質が安定しないと……。有り金はたいて、7,000万円ぐらいの設備を買ったんですよ。そのへんの思い切りも、インフォーカスに通じたんだと思いますけどね。
蟹瀬まさに、注文が入ったときに、「これはいける!」って感じだったわけですか?
斉藤注文が入るとね、現金で入るんですよ。船積みして送ったら、すぐ現金でくれるわけです。だから、業績はともかく、手元資金がどんどん増えて、前向きに設備に使ったり、非常にうまく回転しました。
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