普通の男が大胆な決断! 人生のスイッチを捉えて上場企業の社長に
株式会社LIFULL(前・株式会社ネクスト)
代表取締役社長兼最高経営責任者
井上 高志
東京都中央区に本社があるネクスト、不動産情報をインターネットで提供している。リクルート出身の井上は不動産情報業で起業、紙媒体の情報掲載料が1件あたりだったのを改め1社あたりにして、物件情報を掲載し放題にした。これが受け、2005年には掲載情報が日本一となり、翌年東証マザーズに上場、現在では不動産だけでなく、暮らしのコミュニティーサイトLococomを運営、売上高47億円を見込んでいる。
井上もう一つのきっかけは、当時お付き合いしていた彼女に振られまして。彼女はニュースキャスターになりたいからニューヨークに行くと。単身、独りで知り合いも誰もいない所に行くと。
蟹瀬すごい志が高い彼女だった。
井上その彼女に教えられたのは、志とか目標って大事だな、それから一歩踏み出す勇気ってすごく大事だな。振られたショックもあったんですけど、それ以上に教えられたことも大きくて、その時期がちょうど重なったものですから、過去に対する後悔と、これからの目標、人生に対する志と真剣に考えなきゃと思ったのがその時期です。
蟹瀬このスイッチがON、というのは具体的にはどんな感じなんですか?
井上スイッチっていうのは自分で入れない限り誰も入れてくれないわけですよね、自分のスイッチは。で、それはもう意識的に180度パチーンと連結器をバキっと入れ替えるような形で……。
蟹瀬だから何月何日の何時頃に、なんか瞬間的にそういうことが起きる? それともなんかぐぐぐぐぐっと時間がかかって起きてくる?
井上決めるということですね。入れようと決めるということ。で、そのときに全く根拠はないんですけど、5年で独立しようということと、昔高校時代に起業なんてことも少し思っていたわけですけど、それを本当に現実の目標にしようと決めたのと、一大事業を成し遂げようというのを意識的に決めました。
蟹瀬ただ、リクルートに就職するわけですね?
井上これまでちゃらんぽらんだったので、ゴムが伸びきった状態でしたから、一旦は社会に出て徹底的に筋肉質に切り替わろうと、心も体も。
蟹瀬何もないまま一気に起業というのは難しいですよね。入るためには面接とかありますよね? そのときに何もアピールできない井上さんとしては、どういうふうにアピールしたんですか?
井上本音でしゃべるしかないので、5年で独立します、一大事業をやりたいです、こんなことを話して、その間はお給料とか休みとか関係ありません、死ぬほど働きます、というようなことを言って、不思議と、普通5年で独立すると言うと、なんか生意気だなと思われたりだとか、すぐ辞めてしまうんだったら採用やめようとかと思われるかなと思ったんですけど、不思議とリクルートグループはそういうのはなかったんですね。
実際に入社すると、大蔵省の総量規制が入ってバブル崩壊して不動産価格が一気に下落し始めた。
井上そこからはもう大変で、大量採用してしまったけれどもこんな新人たちは支えきれないということで、私は親会社のリクルート本体のほうに出向になりまして、それが入社して3カ月後です。
蟹瀬どういう気持ちだったです? そのときは。裏切られたとか?
井上正直、おいおいと思いましたね。5年で独立する!不動産、非常に面白そうだ!で、一大事業成し遂げるんだ!と。で、3カ月後に「井上君、悪いけど向こう行ってくれたまえ」と、これは正直ちょっとふざけるなという思いはありましたね。
蟹瀬そのとき、もう全部いいや、みたいな気持ちになられた? それとも、よし頑張るぞ!となったのですか?
井上そうですね。5年で独立することを決心したわけですから、どんな環境でもそこで頑張るしかないと。5年間はどういう状況でも死ぬほど働いて、筋肉質になろうと思っているわけで、そうすると自分の思い通りにいかないことって社会に出るとたくさんあるじゃないですか。そういうのもちゃんと自分の力で乗り越えるためのいいチャンスだというふうに切り替えました。
蟹瀬支社長になにか頼まれたそうですね?
井上頼まれたというか、最終日にコスモスイニシアの支社長に宣言したんですけど、リクルート行って営業マンの中でナンバーワンになると、1年以内に。で、戻りたかったので、1年以内にトップ取ったら実力あると認められると思ったので、そしたら支社長の力で戻してくださいという宣言を一方的にして、「トップ取ってきます!」と言って出ていきました、リクルートのほうへ。
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