働き方改革大激論!今後、日本の経営者と職場環境づくりはどうあるべきか?
青野 慶久(サイボウズ株式会社 代表取締役社長)
芦田 敏之(税理士法人ネイチャー国際資産税 代表税理士)
残業、給与、定年問題、育児休暇など、日本企業はいまだに前時代的な体質を脱却できていないのが実情だ。今後、従業員と企業はどのような関係を築いていくのか、経営者はどうあるべきなのか、についてをサイボウズ株式会社 代表取締役社長 青野慶久と税理士法人ネイチャー国際資産税 代表税理士 芦田敏之の両名を招いてそれぞれの思いを語ってもらった。日本の働き方の未来とは?
蟹瀬青野さん。今、芦田さんの話にもありましたけども。働きやすい環境作ると言うのは簡単だけれども、それをやっぱり制度化しないと企業としては成り立たないですよね。どういう制度がメインにあるんですか?
青野そうですね。最初に多かったのは、やっぱり時間のところで。「残業したくないです」「短時間勤務で働きたいです」で、「週5日働くの嫌なので4日にしてください」「3日にしてください」。1日とかの人もいますからね。
ドーキンズそんな意見もあるんですか。
青野はい。で、これをもう全部認めましょうと。で、次はやっぱり場所ですよね。「私は大阪の、この辺りじゃないとダメなんです」とか。「できれば週に2回は在宅勤務したいです」とか。次が場所の自由度。で、この時間と場所の多様性ができると、だいぶ働きやすくなりますね。この2つが柱でしたね。
サイボウズの制度を社員はどのように利用しているのか、話を聞いた。
(インタビュー:サイボウズ株式会社 ビジネスマーケティング本部 BPM部 チームワーク総研(兼務) 和泉純子さん)
和泉子供に対する、働いてるが故のちょっとした申し訳なさとかが、やっぱり少しあるので、そういったところが解消できるので気持ち的にはありがたいです。例えば、少し子供が学校に行きたくない時期とかもあって、その時に学校休ませて会社連れて行っちゃえばいいや、とか思えたのがすごくよかったです。単純に楽しいみたいで、「将来サイボウズに入りたい」「会社って楽しいんだね、仕事って楽しいんだね」と、すごく将来に対して、これでいいのかちょっとわからないですけれども、ワクワクしているような気がします。
(インタビュー:サイボウズ株式会社 事業支援本部 法務統括部 江原なおみさん)
江原16年間専業主婦をした後に、2年ほど前にサイボウズに社会復帰して就職したと言う経歴がありまして。社会人として毎日会社に通うのがまず不安、長時間9時から6時まで働くもことも不安、子供たちが多分そういう働き方をする母親を受け入れてくれるかも不安、と言うところで、それを相談しましたら、出社時間も退社時間も選べるし、在宅ワークも混ぜても大丈夫ということで。最初から9時6時で働かないとダメと言ったらそもそも働くって言う意思が萎えちゃったと思うんですけれども、私生活と仕事のバランスを見ながら、自分だったらここまでなら大丈夫と試しながらできるので、すごく安心感がありますし、周りの働いてる方の理解もすごくある会社なので、すごく自信を持って社会復帰に臨めたというか、なのでほんとにありがたい制度だなと。
蟹瀬以前ね、ブラック企業と言われた位に、正直言って24時間時間働けますかという労働環境作っていたわけでしょう。変えるっていうのは自分の中でも大変だと思うですけれどもね。
青野辞めていく人を止めるために多様な働き方を認めるようにはしたんですけれども、私の中の価値観は変わらないので、私はずっと残業しているみたいな。これがずーっと続いていたんですけど、2010年に子供ができまして。それでちょっと人の勧めもあって育児休暇なんかを取ってみたらですね、考え方がガラッと変化して、これは会社の仕事より育児のほうが大事だぞと。社会にとっては次世代を育てる方が商売よりも大事じゃないかと、そんなことに気づいたので、働き方を変えるようにしています。
蟹瀬他の社員の方はその姿を見てどういう風に反応されていたんですか?
青野やっぱり、この会社では子育てを重視していいんだって価値観が変わりますよね。
蟹瀬大丈夫か、と思う人もいたかもしれないね。
ドーキンズ子育てしている人としてない人の間でギャップが生まれたらしませんか?
青野生まれますよ。不満が出ますね。「サイボウズは子育てのパパママには優しいけれども、僕たち独身には厳しい」とか言う意見もありますよ。
ドーキンズそういう時はどうされるんですか?
青野それはですね。同じ働き方が幸せだとは限らないんですね、みんなそれぞれ違いますから。「じゃあ、あなたはどう働きたいんだ」と。「もっと残業減らしたいのか、もっと給料上げたいのか。それを言ってもらえればそれを実現できるようにサポートしますよ」と。「だから他の人と比較するんじゃなくて、あなたがどう働きたいのか考えてください」と、こういうメッセージになりますね。
蟹瀬芦田さんのところでは、制度化という点ではどうなのですか?
芦田私のところだと、働いている人に意見を求めて制度を作るというより、私が率先してこうやったら楽しいんじゃないかっていうのをどんどん入れちゃいます。日本の会社って休日とかも取れないから、三連休とかがマックスになっちゃう。そうすると、そんなに楽しくないんじゃないかと思ったので、年間9連休以上を4回取れる制度を実現した。私も来年か再来年か実現できたらいいなと思ってるのが、公休で夏休みを16連休行きたいなと。
ドーキンズ勝手なイメージなんですけれども、お客様を相手にしているとこちらがたくさん休んでしまうと不満が出てこないのかなと思うんですが、いかがですか?
芦田365日24時間体制でお客さんにバックアップしなきゃいけないという話になってしまうんですね、そうじゃなくってやっぱり線引きしたほうがいいんですよ。「そうじゃない、土日にお客さんから電話かかってきたらどうするんだ、取らなきゃいけないんじゃないか」っていう議論になっちゃうんで、緊急事案があったら、我々チーム体制でやっているので、そういうときはチームでサポートしますと。
出演者情報
企業情報
関連コンテンツ
カテゴリー別特集
リンク