いま注目のビジネスウーマン 牛窪 恵(ビジネスウーマン # 19)


女性視点がビジネスを変える

女性が結婚・出産しても、働き続けることができる…
女性の先輩たちが必死で働いて獲得できた権利

『ひとつのことだけでなく、なんでもこなしたい』と思う性格の為、つい頑張りすぎてしまいますが、忙しいことは何よりありがたいこと。

いまの20~30代女性に取材すると、彼女たちは私たち均等法第一世代(おもに現40代)の女性に比べ、仕事に夢をもてていないと感じます。

背後にあるのは、一つは「頑張っても、男性並みには出世しにくい」というガラスの天井が見えてしまったことと、もう一つは、やはり不況で雇用環境全体が悪化傾向にある、という厳しい現実でしょう。だからこそ、最近「専業主婦願望」の女性が再び増え始めた、とも言われており、統計的にもそれが明らかです。

ですが、私たち均等法第一世代のころに比べ、いまはある程度の規模の会社では、当然のように産休・育休の権利を主張できる時代になりました。

「結婚も出産もしたい。なんらかの仕事も続けたい」と考える女性たちには、ぜひ貪欲に、そしてある程度計画的に、「いつ結婚して、いつ出産して、そのためにはいまなにをして」と、真剣に考え、動いて欲しいと思います。

同時に、これだけ「イクメン」が提唱される時代なのだから、男性がもっと育休をとりやすい職場環境を整えて欲しい。なにしろ、まだ2%弱の男性しか育休をとっていませんから。

このままでは、女性が結婚・出産後も仕事を続けていきたいと思っても、かなりハードルが高いのは明らかなので。労働力が不足する未来を考えても、もったいないですよね。

これからのビジネスウーマンになる方は、せっかく女性が結婚・出産後も働き続けられる時代になったので、ぜひいろんなことに貪欲にトライしてもらいたいです。

仕事があれば、そこにいろんな夢を投影できるし、対価を得ることでなんらかの自己実現も可能になる。そのためにも、簡単に仕事を捨てないで欲しいと思います。

そして何より、女性が結婚・出産しても、働き続けることができる……いまのこの現状は、私よりさらに何年も年上の女性の先輩たちが、必死で働いてきたおかげで獲得できた権利です。

ぜひそのことを忘れず、いろんな価値観をもった先輩、あるいは後輩と力を合わせて、また次の「働く女性」の新時代を創っていっていただければ、と願っています。

結婚・出産しようがしまいが、仕事に一途であろうが趣味に生きようが、同じ職場で働く「同じ女性」、仲間どうしです。

「なでしこジャパン」にならって、これからも女性の団結力を活かして頑張りましょう!

ビジネスウーマン # 19
2011.10.13

牛窪 恵   うしくぼ めぐみ
有限会社インフィニティ
代表取締役
マーケティングライター/世代・トレンド評論家

http://www.hachinoji.com/

1991年3月、日本大学芸術学部映画学科(脚本コース)を、特待生として卒業。同4月、東京の大手出版社に入社。5年間、編集および広告(PR)などの仕事を手掛ける。1996年4月、フリーライターとして独立。マーケティング系の個人事務所などに勤務し、新聞や雑誌媒体の企業取材、執筆にあたりながら、テレビ番組の企画・リサーチなどに関わる。2001年4月、マーケティング会社、有限会社インフィニティを設立。

企業情報

  • 公開日 2011.10.13

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