老舗家庭薬メーカーが考える
日本の医療制度を守る
家庭薬の役割とは


株式会社龍角散
代表取締役社長
藤井隆太

特選インタビュー

株式会社龍角散は、200年以上の歴史を誇る家庭薬メーカーだ。社名にもなっている「龍角散」は、ほとんどの日本人に認知されているトップ商品である。代表取締役社長 藤井隆太は、老舗企業だからといって守りに入ることを選ばない。常に進化し続けることで、人の役に立ち続ける企業とはなにか。藤井が目指す「オンリーワン戦略」に迫る。

蟹瀬 賢者の選択 Leaders、ナビゲーターの蟹瀬誠一です。

坪井 坪井安奈です。

蟹瀬 今回は家庭薬ブランドの強化に取り組むとともに、セルフメディケーションを推奨する、ある製薬会社の取り組みに迫ります。

株式会社龍角散―200年以上前の江戸時代中期、秋田藩の御殿医だった初代藤井玄淵が、喉の薬「龍角散」の原型を考案。1871年東京神田で、薬種商を創業。1945年以降はアジア諸国へ龍角散の輸出を開始。1964年、株式会社龍角散へと社名を変更。200年の歴史を背負い、8代目として龍角散を率いるのは、代表取締役社長 藤井隆太。

藤井 日本は素晴らしい医療制度がありますけど、他の国にはないんです。だから日本に薬を買いに来ている現状です。実は日本にはこんな素晴らしい薬があった。お医者さんの薬でもできないようなことができるということを、ぜひ発見していただきたいと思います。

喉を守って200年。オンリーワンで成長し続ける、藤井が唱える日本の医療制度を守る家庭薬の役割とは。

坪井 それでは本日のゲストをご紹介します。株式会社龍角散 代表取締役社長 藤井隆太さんです。よろしくお願いします。

藤井 よろしくお願いいたします。

蟹瀬 どうもよろしくお願いいたします。藤井さんは龍角散の8代目というふうに伺っていますので、やっぱり伝統を大切にしながら、その一方で時代とともに進化していかなきゃいけない。そのためには何が必要なのか、今日はじっくりお話をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

龍の骨 鹿の角

坪井 さて、今回はスタジオに龍角散の商品をお持ちいただきました。

蟹瀬 ねぇ、こんなにたくさんある!

坪井 もうおなじみの商品という感じではありますが、そもそも龍角散という名前の由来はどこから来ているんでしょうか?

藤井 これは一言で言いますと原料由来なんです。「龍」というのは、龍脳とか龍骨という生薬成分の原料なんです。角は、六角霜(ろっかくそう)っていいまして、鹿の角の成分を散剤にしたと。他にもいろいろ入っていますけども、象徴的なのをブランド名に使ったんでしょうね。

蟹瀬 しかし、200年以上の歴史があるということですからね。そうなるとこう、見た目は同じようなものでも、どんどん製法は変わってきたわけでしょうね。そのあたりどうなんでしょう?

藤井 日本の家庭薬っていうのは非常に長い歴史があってですね、うちは200年ぐらいですけど、400年というメーカーもいますし、これはどんな長くても何でも、日本で医薬品として販売するには工業製品なんですよ。ですから、それなりの製造基準、あるいはどういう根拠でこれが処方されているかっていうことをね、科学的に証明しないと医薬品にならない。

原料調達

蟹瀬 これ原料っていうのは、いわゆる生薬ということでよろしいですかね?

藤井 そうですね、薬用植物。当社の場合はほとんどが植物系なんですけどね。これはいろんなとこから、輸入していることが多いんです。

蟹瀬 輸入元はやっぱり主に中国ってことになるんですかね?

藤井 そうですね、中国が多いですけどいろいろありますよ。今業界全体で言いますと、だいたい7割ぐらいかな。7割くらい中国から入れているということだと思いますね。非常に調達しにくくなってきているのは確かなんです。どんどん値段が上がるとか、あるいはもうお願いしても全然入ってこないと。だから、これも安定調達するためには、もっといろいろな方法が必要かなと。それで、国内栽培を今一生懸命やっているわけですね。

国内栽培

蟹瀬 品質という点ではどうなんですか?

藤井 よろしいです。それはもちろん、医薬品原料ですから、良くなきゃ使えないので。

蟹瀬 そうですね。

藤井 予想外に良いですね。やってみるといろんなことがわかってきた。やっぱり日本には農業力がありますから。こういうの作れますかっていうのをいろんな方法で、いやちょっと環境が違うだろうとか、肥料はどうだ、水はどうだとか、いろんなことをやってみて、それこそ雑草の管理から、やってみるとどんどん効率が上がるわけですよ。桔梗、これは秋田でできた桔梗の根っこなんです。乾燥させたものなんですけどね。実はこれ結構厄介でしてね。乾燥させて皮を取るんですよ。海外では竹のヘラで剥くのが大変なんです。実は、そういう方法じゃなくても、皮を取る方法を見つけたんです。これが非常にうまくいっているんですよ。

蟹瀬 それは企業秘密ですか?

藤井 簡単に言うとね、いろいろな既存の農業のやり方を応用して、野菜の皮むきだとか、高圧で水で噴射して取っちゃう。何しろ、いいから作ってくれじゃなくて、使う努力もしないと。そうすると、日本の農業力をものすごい戦力化することができるんじゃないかと思いますね。

出演者情報

  • 藤井隆太
  • 1959年
  • 東京都
  • 桐朋学園大学

企業情報

  • 株式会社龍角散
  • 放送日 2018.11.11
  • 業種 
  • 医薬
  • 所在地住所
  • 東京都千代田区東神田 2-5-12
  • 資本金
  • 6000万円
  • 売上高
  • 176億円
  • 従業員
  • 105名

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