(前篇)ボランティアを持続可能にすることで社会問題を解決!これが新しい支援の形


一般財団法人 大吉財団
理事長
山本 吉大

特選インタビュー

一般財団法人 大吉財団は2017年に理事長である山本吉大によって設立された災害支援、子ども支援を軸にした団体だ。災害時には行政では行き届かない被災者1人1人へのケアをするだけでなく、ボランティアメンバーが効果的に活動できるマッチングサービスを展開、さらにNPO団体の収益化支援なども行っている。山本が唱える、人の気持ちをつなぎ社会に貢献をする社会問題解決手法とは?

現場のボランティア

山本 今本当にもうたくさんの若い方々が、何か起こったときに自分たちも何とかしたい、この思いが大分この日本も増えてきて、週末になると1,000人2,000人という単位のボランティアが、災害現場に来るようになってるんですね。ボランティアは、現場に行くと受付がありまして、そこに名前と住所といろいろ個人情報を書くわけですよね。一方で、被災された方はボランティアが必要な方はここに記載してくださいって、ここに情報を書くわけです。これをボランティアの方々と被災者とマッチングする、ことになってるんですけども、このマッチングシステムっていうのが、いきなり災害が起こるもんですから上手くいかないわけなんですよ。例えば、ボランティアで最初の名簿の上から10人、Aさんのお宅に行ってください。下から30人は、あのバスに乗って隣の町に行ってください。こうやって切り分けられていくんですけども。でもこのボランティアの方々のできることだとか、特性っていうのを判断できてませんから、この10人がAさん宅に行くと。じゃあAさん宅では何をやるかというと、この畳をはがしてください。このタンスを動かしてください。
力仕事が求められると、でも見たら女子大生ばっかりのチームだとかですね。こういったことが、頻繁にやっぱり現場で起きてるっていうのを、我々目の当たりにして、臨機応変に対応できるっていうような仕組みというのは絶対必要やな、というふうに思ってます。

独自の災害支援

ドーキンズ 行政の指揮下での支援活動もされるんですか?

山本 基本的には我々は、独自の独立した活動をやっております。行政の指揮下には入らず、独立独歩で災害支援をまずは行うと。そのための機材であったりとか、キャンピングカーを改造してすぐに現場に乗り込めるような車両なんかも用意して、会員のボランティアさんだったりとか、そういった方々と一緒に現場に行って、という体制を整えてます。

宮川 独立型っていうのも大切ですよね。例えば、食べ物も水も、そしてトイレとかですね。そういうことまでも、やはり現地でお世話になるとまたかえって厄介になる。

山本 そうなんです。本当に災害現場っていうのは行ってみないとわかんないことっていうのが、たくさんあるんですね。ですからその場で一定の準備はしつつも、刻一刻と変化する状況に対応していかなきゃならない、というようなことがあるんですよね。ですからそこを独立性を持った団体が入っていって、その場でやっぱり判断して、臨機応変に対応していくっていうことも一方では必要になる。

災害支援リーダー

宮川 今、独立したチームで、どれぐらいでやってらっしゃるんですか?

山本 5人1チームもしくは10人1チームぐらいで引率できる、このチームリーダーというのが現場には求められていることだと思ってますね。現場に行くとね、こないだも夏、災害暑かったんですよ。ボランティアセンターと呼ばれるところには、たくさんのやっぱりボランティアが熱中症で倒れてるわけですよね。

ドーキンズ ボランティアの方が!?

山本 これはなぜ起こるかというと、リーダーがいないから、60分で休憩しましょうとか、45分で休憩しましょうって誰も声をかけないわけですよ。だから、どんどん自分たちができる限りの作業をして、慣れないことをやっていくから、事故が起こったりとか、そういったことが起こると。やっぱりそれは誰かが状況に応じて、的確に指示とか判断をする。このリーダーというのが、絶対に災害の現場で必要になってくるわけなんです。その小さなワンチームをどうやって安全に効率的に動かしていくか、こういうチームリーダーを我々は育てていくと。こういうことを今やっていこうとしております。

宮川 どうやって養成してらっしゃるんですか?

山本 まずは、やはり我々と一緒に災害現場に行って、経験しましょうと。百聞は一見にしかずで、自分たちで目の当たりに見るっていうことが、とにもかくにも何よりも大切だと思います。一方で必要最低限度のやはりその知識だとかいうものも必要だと思ってますので、両方を一緒に学んでいくというような体制を作っていこうというふうにやってます。

ドーキンズ そのリーダーになろうと志してくる方っていうのは、もちろんご自身の生活もあると思うんですが、ボランティアのときはどうされてるんですか?

山本 やはり普段は、皆さんご自身のお仕事がありますので、それに注力していただくと。で、空いた時間で我々のいろんな活動にジョインしていただいて、学んでいっていただくと。災害が起こったときには、行ける方は一緒に現場に来ていただいて、そういうボランティアさんと一緒に被災者の方、被災地の支援を行っていく、こういうふうに取り組んでいこうということで、徐々に徐々にですけれども、範囲を広げていってるところです。

宮川 でも災害というのは、毎回違った形でやりますから、リーダーはそういう中でも、色んな知識を積み重ねていくということが必要で、それが生きてくるわけですね。

山本 と思います。

出演者情報

  • 山本 吉大
  • 1970年
  • 兵庫県

企業情報

  • 一般財団法人 大吉財団
  • 放送日 2019.01.14
  • 業種 
  • 災害支援
  • 所在地住所
  • 兵庫県神戸市中央区八幡通4-2-14トロア神戸ビル8階

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