地球は一つ。人類が生きるために求められるこれからのリーダー像とは


後編
安藤忠雄(建築家) ×澤田秀雄(H.I.S.)

特選インタビュー

地球の人口は近年加速度的に増加している。それにともない、食料やエネルギー問題はより深刻になってきている。人類が平和に発展を遂げるためにはこの2つの問題はかならず解決しなくてはいけない至上命題だ。今回も前回に引き続き、世界を知る建築家 安藤忠雄と株式会社エイチ・アイ・エス 代表取締役会長兼社長CEO 澤田秀雄を招き、これからの企業の考え方、理想のリーダー像を語ってもらった。二人が言葉から伝わる「グローバルな見方、考え方」が必見だ。

世界が認める日本人建築家がいる。

安藤 学歴もないし、学力もないし、専門学校も出てないので建築をやりだしたわけですけれども、そのときに全力で生きると。これでいけば、悔いがないと。

安藤 今一番重要なのはやっぱり、子どもの教育ですよ。やっぱりそういう地球の中で共に生きてるんだということを、しっかり考えてくれる子どもを作らないかん。

建築家 安藤忠雄

日本人に世界の楽しさを広めた経営者がいる。

澤田 僕は本当は自分が旅が好きだから、旅行の仕事はしたくなかったんですね。貿易をやろうと思ったんですけど、その貿易はたまたまできなくなって、じゃあ食べていかなくちゃいけないので、旅行業をやろうということで。

澤田 平和だと旅行も行けますし、いろんな方がやっぱり楽しんでいただいたり、良くなりますから、やっぱり常にやっぱりみんなで考えるのが、僕はいいんじゃないかと思いますね。

株式会社エイチ・アイ・エス 代表取締役会長兼社長CEO 澤田秀雄

前回に引き続き、建築界の雄と、ベンチャービジネスの雄が相まみえる。二つの魂がぶつかり合うとき、新たな価値が生まれる。賢者の選択 FUSION。

唐橋 賢者の選択 FUSION。ナビゲーターの唐橋ユミです。では、改めてご紹介いたします。先週に引き続き、今日のゲストは建築家の安藤忠雄さん、株式会社エイチ・アイ・エス 代表取締役会長兼社長CEO 澤田秀雄さんです。よろしくお願いいたします。

澤田の一人旅

澤田が学生だった1970年代前半、まだ個人で海外旅行を楽しむことが珍しかった時代に、澤田は世界50ヶ国以上を旅して回った。起業してからは多忙を極めたため、なかなか長期で旅をすることはなかったが、2018年3月、澤田は休暇をとり数ヶ月間の一人旅に出たという。

安藤 澤田さんこの間行かれたんでしょ?また、高齢者が地球を回る。

澤田 いやまだ高齢者でないですから!

唐橋 それはどちらですか?

澤田 今回はヨーロッパですけどね。

安藤 だいたいヨーロッパのどこですか?

澤田 今回は東欧の方、ポーランドを中心に回って、3ヶ月ちょっと旅行を1人でしました。

安藤 3ヶ月も!

唐橋 特に一人旅がお好きなんですか?

澤田 いや、そんなことはないんですけど。もちろん、うちの家内とも行きますし、一人旅でも行きますし、向こうでいろんな人とも会ったりもしますから。

安藤 ポーランド行ったらポーランドで、またその人たちと知り合う。違う人たちと知り合うことの中に、また交流して新しい世界ができる。文明は交流しないとできない。今の若い人は交流しないで、ズーッと携帯とコンピューターだけ。気の毒やな。この人たちあんまり長生きしないわ。発散してないもん。それにもう一つ一番問題は、スマートフォンですよ。これ使ってると頭がクラッシュするんですよ。それでも、大体今の若い人の寿命は63かな。我々の世代は大体95や。なんでっていうと、我々の世代はこれ(スマートフォン)を使えてない。私も使えていないんですけども、そういう人たちは95まで自分の足で歩いて、自分の体使ってやってます。

唐橋 確かに、インターネットを見て、行った気になっているということありますもんね。

澤田 体で感じて目で見てみて、やっぱ美味しいものを食べて。行かないと全然これ(スマートフォン)で見てても疲れるだけですよね。

旅での気づき

澤田は、長期間旅をすることで様々な人に出会い、刺激を受け、これまでにない大きな気づきを得たという。

唐橋 やはりこう旅に出ますと、何か気づきっていうのが多いんですか?澤田さんも。

澤田 そうですね、昔から何回も行ってますけど、やっぱり行くごとに新しいことにめぐり合ったり、感じたりしますから、感受性の強くない僕でも感じるわけですから、若い人はどんどん世界を見て感じて、苦労してですね、それをすることによって新しいものが生まれたり、チャレンジ精神ができますから、どんどん僕は行っていただきたいな、と言うふうには旅をして感じますね。

唐橋 具体的にどういうところに心にグサッと刺さるというか、感じることがあるんですか?

澤田 うん。やっぱり自然もそうですけど、ヨーロッパなんか行くと歴史がありますから、建物もそうですし自然もそうですし、有名な遺跡なんかもありますけども、そういうのを見るとですね。何とはなしに、こういう感覚があるんだなということで、感性というか、感じを受けますから、非常に僕は旅はいいと思いますね。はい。

長期不在

ベンチャー企業から、今や押しも押されもせぬ大企業へと成長を遂げた、エイチ・アイ・エス。そのトップに立つ澤田が長期間不在になることで、会社に影響はないのだろうか。
実は経営者としては、そこにも狙いがあるのだという。その狙いとは?

唐橋 旅行されている間、会社のトップがいないという状態ですよね?

澤田 全然問題ないですよ。僕は数年前、十数年前も3、4ヶ月、会社離れて旅行したんですよ。その時は、会社がちょっとぐらつきましたけどね。今回、去年行った3、4ヶ月旅行したときは、僕がいないほうが発展してましたですね。

唐橋 あーそうですか。

澤田 組織が出来上がってきたので、嬉しく思いますね。はい。人が育ったんじゃないかと思います。

唐橋 あえて育てたんですね?

澤田 やっぱり我々の仕事は人を育てるのが仕事ですから。

出演者情報

  • 安藤忠雄(建築家) ×澤田秀雄(H.I.S.)

企業情報

  • 放送日 2019.04.08

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