全国のパートナー企業と運命共同体で広がる、地域情報プラットフォーム「まいぷれ」


株式会社フューチャーリンクネットワーク
代表取締役
石井 丈晴

賢者の進化論

中央発信ではなく地方発の地域コミュニティ
38自治体でふるさと納税のプロデュース業務

全国566市区町村(2021年2月現在)・月間約820万PV(2020年9月現在)を誇る地域情報サイト「まいぷれ」の運営を中心に地域情報のプラットフォームを築いている株式会社フューチャーリンクネットワーク。現在も毎月いくつもの地域情報サイトを全国で誕生させている成長中の企業だ。その事業は地域情報流通、公共ソリューション、マーケティング支援などを通じ、全国に着実に浸透し続けている。

「当社は直営地域以外の地方都市はフランチャイズ化によるパートナー組織約140社と一緒になって運営しています。地元に密着する以上は、地元で雇用した地元の人間が展開するのがベターだと思うのです」

中央から地方という流れではなく、その地域の独自性を重視した展開は、既存のメディアとの大きな相違点だ。

「従来のタウン誌など紙媒体と違うのは、ネットを活用したストック事業である点です。少しずつ信頼を重ねて収益を増やしていくビジネスモデルですから、動き方や営業の仕方も違います」

例えば、衰退しつつある地方都市で、いかに皆が手を取り合い、少しでも付加価値を上げていくかを一緒になって考えていく。

「地元の事業者とはひと月数千円の関係でつながっていて、一緒に1ミリずつであっても成長していこうという考え方を共有しています」

また、同社は全国38の自治体からふるさと納税のプロデュース業務を受託しており、その取り組みに対する問い合わせ件数は年々増えているという。

「ふるさと納税のポータルサイト運営ではなく、自治体のふるさと納税の裏方として、特産物の生産者に返礼品にできないか交渉したり、取材して魅力を伝える記事を作成したりする事業です。寄附した納税者の管理、納税者への証明書送付や返礼品の配送など、すべて地域としっかり向き合って取り組んでいます」

これまでの運営実績でノウハウは質量ともに充実してきた。

「個人の方が『まいぷれ』の事業で起業できるような仕組みを利用して、Iターン、Uターンして起業する方も増加しています。」

自分のふるさとをなんとかしなければいけない、そう思って起業する人が増えているという。

「今では当社が相談を受けたときに、自信をもって任せてくださいと言えるようになりました。資金調達から、運営のすべてをサポートしますから、安心して起業できます。同じような環境から起業したパートナーが成功している事例が多数あり、確かな実現性を感じることができます」

新型コロナウイルスの拡大でインターネットへのシフトがさらに進む
廃校など遊休公共不動産の利活用を事業化へ

2020年は3月〜5月にかけて新規の掲載申し込みが減り、一時は解約が増加する傾向にあったものの、予測していたよりは打撃が小さかったという。

「7月以降はまいぷれ利用の申込数が復調を超えるような大きな伸びを示しました。広告出稿を従来のメディアからインターネットへとシフトする流れは新型コロナウイルス感染拡大前から表れていましたが、感染拡大によって、その背中を押す作用が働いたのだと思います。年間を通じて見ると、追い風になっています。3密回避は相対的に地方都市にとって追い風なので、地域のパートナーも順調に増えています」

「まいぷれ」が取り扱う業種は稽古事、カルチャースクール、ベビーマッサージや整体などさまざまだが、飲食店が多いという。

「コロナ禍の当初は、新規の契約を取るよりも、まず地域の既存のお客様を支援しようと、テイクアウト特集を作るといったアドバイスをしました」

パートナーから顧客店舗に電話を掛け、何が起こっていてどんなサポートが必要かを聞き、安心してテイクアウトを導入できるようサポートした。

「この取り組みによって、地域の方から『こいつらは頼れる』『保険のように、付き合っておくことの安心感』『単なる広告媒体ではない』ということに気づいていただけました」

地域情報プラットフォーム「まいぷれ」を基盤に新たな事業展開も推進していく。

「将来的に事業化を進めていきたいのが、遊休公共不動産の利活用です。全国の廃校や市町村合併によって使われなくなった庁舎などを廃墟にすることなく、利活用することがミッションです。例えば、小学校は集落の中心にあり、避難所になっていたり、お祭りの拠点になっていたりします。ところが少子化で廃校になって、どんどん取り壊されています」

暫定的にシェアオフィスやカフェとして活用している自治体もある。しかし、サステイナブルに自立して運営していけなければ意味を持たない。

「例えば地域の年齢層を考えて、整体施設を誘致するとか、ランチタイムだけ営業するカレーショップを創業したい人をコーディネートするとか、アイデアはたくさんあります。廃校をポータルサイトとして位置づけたときに、ここにコンテンツを埋めていくノウハウを持っています。既に複数のエリアでエントリーや調査を始めています」

幅広くインターネットを活用しながらも、地域の人と直接対面しながら事業を進めることにこだわり続けていく方針だ。そこには人と人で結ばれた運命共同体として地域の未来を築いていこうという、同社の姿勢がうかがえる。

出演者情報

  • 石井 丈晴

企業情報

  • 株式会社フューチャーリンクネットワーク
  • 公開日 2021.03.16

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