失敗を恐れずに挑戦する!二人の巨人が語る、世界を少しでも良くする考え方
前編
安藤忠雄(建築家) ×澤田秀雄(H.I.S.)
日本は世界的にも平和な国である。そこに暮らす我々日本人は、ある意味世界の問題から隔絶されていて、ある種鈍感になっている部分がある。しかし、決して世界の問題は他人事ではない。今回は世界を知る建築家 安藤忠雄と株式会社エイチ・アイ・エス 代表取締役会長兼社長CEO 澤田秀雄を招き、世界から見た日本、日本に足りない部分、そして、世界をより良くするために必要なことを熱く語ってもらった。建築界の巨匠とベンチャービジネスの巨人が語る「世界平和」とは。
安藤 私もそう思いますね。社会主義の国みたいだと。みんな一律でしょう?これは大学の教育試験代わりで、偏差値教育でやってくと同じような人間が、同じように出来ていくわけですから。澤田さんのように自由と勇気をもってる人は、なかなか前に出てこれない。みんな一律でしょう?私、時々学校に講演会行くんですよ。学校に行っても同じような感じ。ようこんだけ同じような感じの人ばっかりうまく集めたな。やっぱ偏差値教育の高い奴は、高い奴なりの顔してるね。自由と勇気だけは無いようになってるな。おかしいですね。一流大学になれば、東京大学、京大、ずっとそうなってるね。それはやっぱりもっと、いろいろの人たちがいろいろな形で1つの学校を作っていかないと面白くないと。そうなってないのでね。日本の国のこれからは難しいと思いますね。
今や日本が誇る一大企業へ成長を遂げたH.I.S。現在は旅行業にとどまらず、さまざまな事業に取り組んでいる。そのキーワードは?
ロボット 変なホテルにようこそ。
ロボット。
唐橋 ロボットを使ったホテルとかどういうイメージで?
澤田 今、人材難の時代ですよね?だからやっぱり求人も大変みたいですから、だったらシステム化して、生産性を上げるためには、別にフロントは五ッ星は駄目ですけど、三ッ星ぐらいだったらロボットのフロントでいいんじゃないかというと。
安藤 良いと思うわぁ。
澤田 今だったら20人、30人かかるところを、7人、6人でやれますから。全部ですね。だからその方がいいかなと思って、展開してるだけですね。
安藤 いや私絶対良いと思いますよ。無駄な所で使うことないから、ロボットがちゃんと。また新しい世界が見えるかもわからんから。こういうロボットの活かし方もあるなぁと、見えるから、やっぱり体験してみないと分からない。
それを我々がメールで見て「あぁロボットおるなぁ」ではあかんのですよ。それをさっと自分でね、構造できるような人たちを作らないかんと。人間同士が対話するロボットとも対話すると、新しい世界には新しい世界の生き方があるじゃないですかね。
澤田 アバターロボットを開発してるんですよ。
唐橋 アバターロボット?
澤田 アバターロボットってね、無人で置くんですけど、ロボットの顔があって。顔が普通の顔もあるんですけど。それから安藤さんがこの顔に変わりたかったら、安藤さんがここに顔に出てきてニューヨークのスタッフと話せるんですよね。だから安藤さんのアバターロボットが、ニューヨークの会議室に一緒になって喋るということを、大阪にいながらできるような開発してるんですよね。
安藤 いいですね、それね。
唐橋 ちょっと受け入れられるまで時間がかかりそうですね。
澤田 いやこれ家庭用に開発しているんですけどね。事務所でも使えると思いますね。
唐橋 そうですか。どんどんロボット化すると、よく聞こえてくるのが、失業をされる方が増えるんじゃないかという声もありますよね。
安藤 また違うとこあるよ。それは。
澤田 やっぱり新しい仕事はどんどんできてくると思いますよね。はい。
唐橋 新たな仕事が増えていくと。
澤田 うん。一つのものができるということは、その関連でどんどん仕事ができてきますから、それは僕は問題ないと思いますよ。
唐橋 いろいろ事をなされてきましたけれども、まだやりたいことってたくさんありますか?
澤田 まだまだこれからだと思いますね。まだ序盤ですから。常にチャレンジというか、常に新しいことにチャレンジして、旅をするという自分の青春だと思ってますけどね。
1941年生まれの安藤は、現在77歳。建築家として世界中で仕事をする傍ら、建築以外に、こんな取り組みも行っている。
安藤 大阪の町の公会堂の前に、子どもの図書館作りたいと思ったのは、子どもたちに本を読んでもらうと、この本読んで、よし、海外行ってみようか、アメリカ行ってみようか、日本のどこか行ってみようか、と思うように、子どもの本の図書館を作ろうと考えたんですが、やっぱアイディアがいるので。私は、ノーベル賞の山中先生と野依先生とか、江崎玲於奈さんとか、野口健とか変わった人がいるじゃないですか。毛利さんとか、その人たちが子どもの時に読んだ本をもらったんですよ。
唐橋 いいですねぇ。
安藤 それをレイアウトして、ずっと見てこういう本がいいのかなってそういうコーナーも作ると。今もう一応全部ノーベル賞の先生方から、本はいただいたんですね。それでも見に来てくれるだろうと、思いますが、なによりも見るよりも読む。読んで考える。子どもを作らないと駄目でしょうね。大阪もね、1道1都2府43県の中で成績何番か知ってますか?
唐橋 下の方ですよね?
安藤 ちょっと下ですよ。3年ぐらい前に沖縄を越して(下から)2番やって。せめて30番ぐらいなってもらわないかんと。今やっとね、いくつか越して下から3番目になりました。すごいですね。
澤田 下から3番目ですか?上からじゃなしに。
安藤 なぜかいうと親が、こんなんやってどないすんねや!と言ってきたのが、ここに来てるわけです。だから遺伝するんですよ。だから何とかそれを、本が読んだらいいぞと。賢くなるよというようなことも含めて、考える子どもたちを作らないと、我々をサポートしておる子どもはいないですよ。
安藤 やっぱりそれともう一つ伝記っていいじゃないですか。野口英世の伝記とかあるじゃないですか。それはイギリスにもフランスにも日本にもいるわけじゃないですか。伝記はその時代を表してるし、その人間の考え方も伝わってきますから。伝記は、我々建築家ですからコルビュジエがいいとか、フランク・ロイドライトがいいとか思いますけれども。それ以外にもやっぱり伝記を読んで、その周りの時代を考えて、その地域を考えたら結構面白いと思うけどな。
唐橋 安藤さんの人生がね、書かれた本も面白いですよね。
安藤 まぁ遠慮して書いてますからね。できるだけ差し障りのない。
澤田 本当ですか、ふふふ。
安藤 もう遠慮してるよー。
日本にとどまらず、常に世界に目を向けてグローバルに活躍する安藤と澤田。その二人が唱える、今世界に必要なこと、それは…世界平和。
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