地球環境を守りながら発展を続ける!常に挑戦を続ける老舗企業が目指す未来とは
三菱化工機株式会社
取締役社長
髙木 紀一
三菱化工機株式会社はプラント・環境設備の建設・エンジニアリング・各種単体機器の製作を中心に展開する企業だ。創業80年を超える老舗企業でありながら、新たな事業への取り組みにも余念がない。その1つが水素を活用した新エネルギー事業だ。取締役社長 髙木紀一は歴史に奢ることなく常に挑戦と躍進を見据えた経営戦略を打ち出している。その舞台裏に迫る。
ドーキンズ 昨今は環境への配慮というのも不可欠となっていますが、そのあたりはどのようにお考えですか。
髙木 環境問題そのものってのは私どもの企業としても非常に重要なファクターというふうに捉えております。今、個人とか一企業とか一国とかで捉えるべきものではなくて、これだけグローバルな世界でございますので、温暖化は全世界的に考えざるを得ない。そんな中で少しでも私どもの製品とか、そういったものがお役に立てればという、そういう意味で環境問題を非常に重要視しているのは事実でございます。
宮川 もう一つ建設・エンジニアリング部門というのがありましたけれども、これはどういうふうに展開されてるんでしょうか。
髙木 私どものエンジニアリングはプラント関係、それから下水関係、環境設備といいますか、こういったものに大きく分かれますけれども、その中で特にクリーンなエネルギー。こういった意味で水素の製造、それから、下水汚泥関係から出てくるバイオガスを有効利用をすることによって、それ自体が環境に対する一つの保全保護に結びつくのではないかというふうに捉えております。
ドーキンズ 私は今、福岡市にあります中部水処理センターに来ています。水素がどのように生成されるのか、さっそくお邪魔したいと思います。
こちらは福岡市中央区にある中部水処理センター。現在、福岡市と三菱化工機が共同で、水素を使ったあるプロジェクトを行っているという。
(インタビュー:水素・エネルギープロジェクトセンター長 山崎明良さん)
ドーキンズ 福岡市との共同プロジェクトというのはどのような取り組みなんでしょうか。
山崎 再生可能エネルギーである下水バイオガスから水素を製造して、燃料電池車に供給するというプロジェクトです。水素ステーションには水素ステーション内で水素を製造するオンサイト型水素ステーションと、外部から水素を運んで来て使うオフサイト型水素ステーションというのがあるんですけど、こちらは内部で水素を作っていますので、オンサイト型水素ステーションということになります。
ドーキンズ ここで水素を作って、作ったものをそのまま供給するという形なんですね。
山崎 そうですね、はい。
そもそも、下水からどうやって水素を作るのか。まずは、下水を機械で濃縮し、汚泥だけを取り出す。
(インタビュー:福岡市道路下水道局 下水道施設部 中部水処理センター操作第2係 係長 坂田博之さん)
坂田 先ほど見ましたこの濃縮器で濃縮された汚泥は、次にこちらの消化槽へ送られます。送られた汚泥については消化というような行程を行います。その過程で消化ガスというのが発生いたしますけれども、これが水素の原料となるわけですけれども。
こうして下水処理場で作られた消化ガスは水素ステーションに送られるが、どのようにして水素になるのか。
ドーキンズ 水素はどのようにして作られるんですか。
山崎 水槽の製造方法なんですけど、ここにありますように下水バイオガスから濃縮したメタンガスと水蒸気、水ですよね。水を水素製造装置に入っている触媒上で約800数十度の温度で反応させて分解をします。分解して取り出した水素を水素以外の不純物を吸着除去して99.97%以上の高純度水素を製造するというフローです。
こちらの水素ステーションでは、1日当たりの燃料電池自動車およそ65台分の水素を製造することができるという。
山崎 最後はこのディスペンサーと呼ばれる装置を使って燃料電池車に水素を充填します。ガソリンスタンドにある給油機器と同じ役割を果たします。
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