4つのコア技術で世界と戦う!インフラ業界の巨人に学ぶ武器の活かし方
日工株式会社
代表取締役社長
辻 勝
日工株式会社は、コンクリートやアスファルト合材のプラント製造で国内トップシェアを誇る企業だ。戦後の日本のインフラ整備を支え続けてきた同社は、長年培ってきたコア技術を研鑽し、自社の強みにまで昇華、業界を牽引してきた。代表取締役社長 辻勝はさらなる発展を目指し、その視線を海外に向ける。辻が語る、コア技術を活かした事業戦略とは。
蟹瀬 しかしこれだけのものを作るには、技術が当然必要だと思うんですけど、どういう技術が?
辻 私どもはアスファルトプラントもコンクリートプラントもそう。いろんな技術がプラントの中に入ってるんですね。我々が蓄積してきて高めてきた技術の中には、いわゆる骨材を乾燥加熱する、バーナーで骨材を炙っちゃうわけですね。
その「乾燥加熱技術」、もう1つは、練り混ぜる「ミキシング技術」、もう1つは搬送する、材料を運ぶ「搬送技術」、そのプラントいわゆる工場の設備自体を制御してコントロールする「制御技術」。この4つをコア術として高めていこうと日々頑張っております。
福井 私は今、日工の本社に来ています。4つのコア技術とはどんなものなのか、さっそくお邪魔して見せていただきたいと思います。
こちらの本社工場は、全国に5ヶ所ある工場の中で最大規模で、300人を超える従業員が勤務している。こちらで行われているのは、新型アスファルトプラントの組み立てテスト。
福井 あんな大きいものが上がりましたね!こうやって乗せていくんだ!
(インタビュー:工事課 酒井 健次さん)
福井 この仮組みはどのくらいの期間でやられるんですか。
酒井 2週間ちょっとぐらいですね。
福井 2週間でできるんですか!?
酒井 はい。従来のプラントだと、こういうブロックタイプじゃなくてバラだったので、それで時間がかかっていたんですけど、今回の新型はブロックタイプになるので、それでだいぶ工期が縮まるようになりました。
福井 なるほど、もうできたものを組み合わせていくだけだからっていうことですね。
日工の4つのコア技術はこうしたプラント技術の研鑽の中から生まれたという。
(インタビュー:エンジニアリング部 西畑 彰展さん)
福井 この大きな筒はなんですか?
西畑 赤いものがバーナーといいまして、炎を出す装置。向こう側の灰色の筒の部分が、石、砂は水分を含んでいますので、それを乾燥させる乾燥炉になります。熱風で乾燥させます。
福井 今日はそのバーナーの燃焼実験をこちらで特別に見せていただけるということで行ってみましょう!
(インタビュー:第一製造課 根木 利満さん)
福井 おお!
根木 徐々に動力を上げてMAXまで行きますんで。
福井 すごい音ですし、熱くはないですけど。ここは熱い!ここは顔が溶けそう!
こうした加熱技術は、木質バイオマス発電のウッドチップの乾燥や土壌改良など地球環境に貢献しているという。
福井 こんなにいろいろたくさんの羽がついてるんですか。
酒井 そうですね、はい、その羽いろいろあると思うんですけど、それをモーターで。
ミキサーには、材料を均一に練り混ぜるための混練の技術が生かされているという。
福井 普通のミキサーというものをこういうものなんですか。
酒井 アスファルトプラントに使うミキサーはこういったもので、他にもいろいろミキサー種類がありまして、あちらに見えるのも。あのちょっと黄色いのですね。あちらも羽が違うと思うんですけど。
福井 全然違いますね!大きさも形も。
酒井 回転数もそれぞれ変えてベストな設定でお客様に提案させていただきています。
(インタビュー:経営企画部 谷口 直樹さん)
谷口 こちらは弊社の4つのコア技術の1つであります、搬送に当てはまるベルトコンベアの製品工場になります。
各装置をつなぎ材料を運ぶ搬送の技術は、運びたいものの形状や傾斜の有無など、あらゆるニーズに対応している。
谷口 こちらは、コンクリートプラントの操作盤になります。こちらお客様のプラントの横に操作室というものがございまして、そこにこれが設置されています。お客様はこれを操作してプラントを動かす。
日工のコア技術、加熱・搬送・混練の3つをコントロールするのが制御技術。機器の運転状況の把握や材料の配合設定など、遠隔操作でできるという。
福井 このプログラムは自社のものなんですか。
谷口 はい。日工グループで行っております。プラントの設計、製造、操作盤のプログラムの作成まで一貫してエンジニアリングできているというのが一番の強みだと思います。
福井 なるほど。
こちらは本社1階のカスタマーサポートセンター。過去16万件の問い合わせデータが蓄積されており、顧客のプラントの専用システムと繋がることで迅速かつ的確なサポートを実現している。
(インタビュー:カスタマーサポートセンター 吉塚 晶人さん)
吉塚 例えば、お客様の画面に何かエラーが出ているというときも、こちらの画面に出てますので、同じものを見ているというのは、お客様にも安心感があるのかなと思っております。
福井 今後の展開はどのようにお考えですか。
吉塚 はい、AIを使った自動応答や原因の推測、その精度を高めるべく、IoTデータの活用を行っていきたいと思っております。
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