自主性を持ち、自ら掲げた目標に向かって育っていく人材が、最先端のプロジェクトを切り拓く
リコーITソリューションズ株式会社
代表取締役 社長執行役員
石野 普之
リコーITソリューションズ株式会社は、リコーグループのソフトウェア開発を担う企業とグループ内のSE人材を統合し、リコーの製品・サービスに先進のITを提供する企業だ。同社はリコー製の複写機・複合機をはじめ、ビデオ会議システム、全天球カメラなどの製品に組込まれたソフトウェア開発・検証・品質保証や、基幹系・情報系ソリューション開発、システム構築・運用・保守などに取り組んでいる。
「当社はピュアにソフトウェア開発をしている企業です。事業全体のうち、約30%はエンベデッドと呼ばれる、複写機・複合機、ビデオ会議システムなどの組み込み型ソフトウェアを開発しています。また約30%が社内のITサポート、約30%がクラウドサービスやパッケージソフトウェアなどリコーブランドのソフトウェア開発をしてお客様に提供しています。他10%はオリジナルのソフトウェアを開発したり、セキュリティビジネスを展開したりしています」
事業の約90%は、リコーグループからのデマンドに応じて、必要なソフトウェアすべてを開発している。このため、自社内には営業機能を持たず、本業のソフトウェア開発に専念しているという。また、コロナ以前から在宅勤務やリモートワークを実践してきたのも特徴だ。
「会社統合以前は全国に分散していたという背景があるため地方事業所が多く、北見、札幌、秋田、金沢、鳥取、鹿児島と首都圏に拠点があります。複数の事業所に跨ったリモート体制でのプロジェクトも珍しくありません。部長が地方で勤務し、所属する部員が首都圏という例もあります」
ソフトウェア開発を取り巻く業界には、いわゆるブラック企業と呼ばれる過酷な就業環境のイメージも一部につきまとってきた。
「当社もかなり以前には、こうしたイメージを持たれる部分が存在していたことを否定できません。しかし、様々な取り組みでホワイト化に全力を上げ、現在2020年健康経営ホワイト500では、申請企業約2,500社の中で上位百社の認定を受けるほど、働きやすい環境を実現しています。
同社は企業として働き方を大きく変革し、これを実践している。
「我々が進めているのは『働き方変革』であって、『働かせ方改革』ではないということです。在宅勤務で業務の効率化を目指しているのではありません。社員一人ひとりがワークライフマネジメントの中で、バランスのよい仕事や健康的なオフタイムを過ごすことで、モチベーションや働きがいも向上し、結果的によい仕事をしてほしいというのが当社の願いです」
一方的な押しつけではなく、社員が自ら発した要望に沿って、自分たちが会社を改善しているという印象づけが大切だという。
「例えば、有休休暇を1時間単位の時間年休を取得可能にしたり、コアタイムなしのフレックスタイムを導入するなどして、社員が使いやすい制度を実現しています。また、勤務時はフルカジュアルなど、社員の声をきちんと吸い上げて仕組みや制度を日々改善しています。これからの時代は、企業の本質を社員にしっかりと理解してもらい、共鳴してくれた人に一緒に働いてもらうというのが理想だと思います」
同社が求めているのは、自らの考えで新しい世界を切り拓き、成長していく「尖った人材」だという。
「必要なのは、主体性を持って自らを育てられる尖った人材です。誰かが育ててくれて、何かを与えてくれるのを待つのではなく、自分はどうなりたいのかを自分で考え、イメージしたゴールに向かって経験を積み、学ぶことを繰り返し、成長していく人を求めています」
ITの進化や新たな技術の誕生に伴って、同社の事業内容も大きな変革を遂げている。
「リコーのサービスや商材は、年々高度化しています。AIの活用やアジャイルに開発したり、クラウドを使うのが当たり前だったり、セキュリティが高度になったり、急激に大きく変貌しているのです」
リコーグループのなかでも、重要な位置づけとなるソフトエンジニアリング部門を担うのが同社の役割だ。
「常に先端の興味深いビジネスに参画しているのが大きな特長です。当社は、尖ったプロジェクトに徹底的に打ち込んでいます。従来のリコーはOAメーカーとして存在していましたが、デジタルサービスの企業に変わってきています。よいモノを作りさえすれば、お客様がどんどん買っていただけるという時代ではありません。お客様の困りごとにミートし、それを解決できるサービスを提供するのがリコーグループの存在意義です」
同社はリコーグループの中核企業としてデジタルサービスを提供し、ユーザーのビジネスや働き方を変革するためのサポートを続けていく方針だ。
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